中学生の「怖い」を確かめに、夜の通学路へ
中学生議会で、一人の中学生から「通学路の街灯」について質問がありました。
「冬の帰り道は暗くて怖い。」
そんな率直な声でした。
市からは、街灯の設置には補助制度があり、各区からの要望を受けながら整備を進めていることが説明されました。
もちろん、それは制度として間違ってはいません。
しかし、その答えだけで終わってしまっていいのだろうか。
そう思い、私は実際に現場を見に行くことにしました。
夜の通学路を歩いてみる
スクールバスの最終便が中学校を出発するのは17時45分。
今の時期ならまだ明るい時間ですが、冬になれば辺りは真っ暗になります。
そこで、その状況を想定し、夜8時過ぎに現場を確認してきました。
実際に歩いてみると、確かに暗い。
写真では伝わらない不安があります。
でも、一つ気になったことがありました。
それは、私が感じる暗さと、中学生が感じる暗さは同じなのだろうかということです。

高校生の娘と一緒に歩いてみた

そこで今回は、高校1年生の娘にも一緒に歩いてもらいました。
歩きながら、
「この道、どう思う?」
と聞くと、
「めっちゃ暗い。」
「バスを降りたら走って帰る。」
そんな答えが返ってきました。
さらに、
「友達も怖いって言ってる。」
という話も聞くことができました。
現場を見るだけでは分かりません。
実際に歩く世代の声を聞いて初めて見えてくることがあります。
現場で気付いたこと

歩いていて、一つ気付いたことがありました。
住宅の灯りがついている場所は、不思議と安心感があります。
これも娘と意見が一致しました。
街灯ではありません。
家の窓から漏れる灯りや玄関の明かりです。
「人がいる。」
そう感じられるだけで、安心感は大きく変わることに気付きました。
街灯だけが答えではない

現在、市では街灯の設置に対する補助制度があります。
地域内の生活道路では設置費用の3割、地区と地区を結ぶ道路では7割が補助の対象となっています。
設置方法にもよりますが、街灯1本を設置するには平均で10万円以上の費用がかかります。
さらに、その後の電気代は各地区で負担していただいています。
例えば下八日区では、1本あたり月300円前後の電気代を区で負担しているそうです。
こうした現実を考えると、
「区で設置してください。」
というお願いだけでは、なかなか街灯を増やしていくことは難しいのも事実です。
そこで私は、担当課と過去の決算額の推移なども確認しながら、行政の補助率を引き上げられないか相談と要望を続けていきます。
制度を見直すことも大切です。
しかし、それには時間がかかります。
だから私は、今日からできることも同時に考えたいと思いました。
行政の説明は間違っていません。
でも、現場を確認した私は、それと同じ答えをするだけでは議員の役割を果たしているとは思えませんでした。
私が提案したいこと

もちろん、補助制度の充実については今後も市と議論していきます。
しかし、それだけではありません。
冬になると、中学生は真っ暗な道を歩いて帰っています。
その現実を地域の皆さんに知っていただき、
道路沿いにお住まいの方には、できる範囲で玄関や外灯の灯りをつけていただく。
そんな地域ぐるみの見守りも、一つの方法ではないでしょうか。
街灯はすぐには増やせないかもしれません。
でも、人の灯りは今日からでも増やすことができます。
行政だけではなく、市民の皆さんの力もお借りしながら、安全な通学路づくりを目指していきたいと思います。
110か所のスクールバス停を確認していきます

今回確認したのは、そのうちの一か所です。
今後も、市内約110か所あるスクールバス停を一か所ずつ確認していきます。
現場を見て、地域の声を聞きながら、必要な提案につなげていきたいと思います。
中学生から教えてもらったこと
今回の中学生議会では、
「まず自分たちで考え、挑戦してみよう。」
そんなメッセージを、中学生から受け取ったような気がしています。
「言っても何も変わらない。」
ではなく、
「声を上げれば、誰かが動いてくれる。」
そんな経験を子どもたちに残せるまちでありたい。
私はそう思っています。
最後に、市民の皆さんへ
昔話になりますが、私にも子どもの頃、声を掛けてくれた近所のおじさんやおばさんがいました。
優しく見守ってくれた人。
時には叱ってくれた人。
大人になった今でも、その人たちのことをよく覚えています。
そして、その方が亡くなられた時には、
「ありがとうございました。」
と手を合わせ、お別れをしました。
中学生は、地域の大人をよく見ています。
どんな言葉を掛けてもらったか。
どんな人が見守ってくれていたか。
その記憶は、大人になっても意外と残っているものです。
今、怖い思いをしながら帰宅している中学生がいます。
もし道路沿いにお住まいでしたら、冬の夕方だけでも玄関や外灯をつけていただけると、とても大きな安心につながります。
その灯りは、きっと誰かの心に残ります。
知らないところで感謝される。
そんな地域って、とても素敵だと思うのです。
そして、この町で育ったことを「良かった」と思える思い出を、一つでも増やしていきたい。
それが、中学生の声を受け止めた私にできる、小さな一歩だと思っています。




