質問
・スマートシティは、全体最適化が図られ継続可能な都市を実現するという概念を基に推進されていくものである。あわら市における現在の取り組み状況はどうなっているのか。また、今後の展望をどのように描いているのか。
全文(議事録より)
質問者 青柳篤始
冒頭、電話を開発したグラハム・ベルは遠く離れた人に声を届けたい、声を聞きたいと電話を開発しました。時は流れ、現在、地球の反対側、たとえ宇宙でも、あたかも隣にいるかのように顔を見ながら会話することができるようになりました。これは、技術者が人々を幸せにしたいと強く思い抱き続けた結果です。この思いが、デジタル産業革命を支え、機械化による産業革命以降、初めて100年、200年続くと言われたゆえんです。
それでは、一般質問に移らせていただきたいと思います。
昨年度、DXから一歩足を進め、スマートシティ推進グループを設置しました。これまでのDXは個別最適化に比べ、スマートシティは全体最適化が図られ、継続可能な都市を実現するというメッセージが込められていると思いますが、広範囲に及ぶと思いますが、その取組と今後の展望を行政主体で行うものと民間と協力して行うべきものに分け、分かりやすい説明を求めます。
市長(森 之嗣君)
スマートシティの実現に向け、現在の進行状況と今後の展望についてという青柳議員のご質問にお答えをいたします。
スマートシティとは、先進技術の活用により、都市機能やサービスを効率化、高度化し、災害や人口減少、高齢化など各種の課題を解決する取組でございます。その実現のために必要となるのが、住民の生活課題を解決する手段としてデジタル技術を活用する取組、いわゆるデジタルトランスフォーメーションであります。
あわら市では、昨年の5月から担当部署を設置して、DXの推進について取り組んでいるところでございます。
本年3月にはModis株式会社とDXを推進する人材育成に向けた包括連携協定を締結し、4月から地域活性化企業人制度を活用してICTアドバイザーを派遣していただき、まずは、総務省から出されている自治体DX全体手順書にあるように、職員の意識改革から進めることとしております。
DXの推進は、課題の本質を捉えることができる職員を育成することが最初の最も重要な部分でありますので、この意識改革に向けて、4月から計3回、役職別に職員向けのDXセミナーを開催しました。
職員一人一人が課題の本質を捉え、改善や解決に向けた意識を持ち、方策をしっかりと検討した上で、ドローンやウエアラブル端末などの先進技術を導入することで、市民生活の質や利便性の向上を図っていきたいと考えています。
そのため、本年度は、ICTアドバイザーと共に職員の業務上の課題をヒアリングしながら、課題の本質を捉え、包括連携先のModis株式会社が持つエンジニア等のDXに関する知識を活用することで、一緒に課題解決に向けて伴走していくこととしています。
なお、スマートシティの実現に向けたデジタル技術の活用による社会生活等の変革は、検討や準備期間を含めますと、今すぐに実現できるものばかりではありませんが、短期、中期、長期に分けたアクションプログラムを整え、各課からの意見や市民の声を聴取した上で、段階的に進めてまいりたいと考えております。
その上で、行政が主体となり取り組む事業としては、今年度は、国が進める行政手続のオンライン化に係る事業、行政システムの標準化への移行対応、保育現場の課題解決のための保育システムの導入などを予定しております。市民がいつでもどこでも行政に関する手続ができるような仕組みづくりと実現に向けた検討を進めていきます。
また、民間と協力して取り組む事業としては、市単独では実施できないような子育てや高齢者向けの福祉・医療分野をはじめ、物流や購買などの産業分野、移動に必要な交通分野などの様々な分野の課題について民間企業と連携して対応するものや、民間企業を支援するものなどを区分しながら事業内容を検討し、官民連携により進めていきます。
今後は、あわら市の課題に応じて、行政主体あるいは民間連携で取り組むこと、また、どのような先進技術を導入すべきかを検討した上でDXを推進し、それを積み重ねていくことでスマートシティの実現につながり、全体最適化が図られると考えております。
質問者 青柳篤始
ありがとうございます。では、再質問に移らせていただきます。
私も庁舎内、それから外との連携を行う内容について分けて再質問させていただきたいなと思います。そして、技術者と同じ気持ちを込めて再質問させていただきます。非常に広範囲に及ぶため、その専門性の高さから、所管課の部長に直接お話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず最初に教育部長、人材育成といえば、ICTの人材育成は子どもたちのためにあるというのが常識です。これからの未来を生きる子どもたちにぜひICTを活用していただきたいと思いますが、GIGAスクールとしてドリルアプリの導入を終え、リモートでの授業、そしてプログラミング学習などが今後予定されていると思います。子どもたちは順応するスピードが非常に速く、あまり心配はしていません。しかし、教える側、教師のほうにはスポットが当たっていないような気がします。教育はデジタルだけではなく、これまで培ってきた教育との融合こそが、有意義な人生を送り、継続可能な未来を考える上で重要な部分だと考えています。
そこで、今回は子どもたちだけではなく、先生にフォーカスした形での取組について伺います。
教育部長(岡田晃昌君)
それでは、教員の取組についてのご質問にお答えをさせていただきます。
市内の小中学校では、令和2年度に1人1台端末の整備を終えましたが、それ以来、各小中学校の情報教育担当の教員で構成します情報教育担当者会が中心となりまして、教員のスキルアップの様々な取組を行ってきたところでございます。
加えまして、今年度からICT教育指導員を教育委員会内に配置をいたしまして、各校を巡回してICTを活用した授業に関する指導を行うほか、他市町の先進事例の調査や研究などを行っておるところでございます。
学校を取り巻くデジタル技術の進化は日進月歩でございますので、今後もこれに対応できるように努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
質問者 青柳篤始
LX、生涯を通じた学びの基礎を提供するZ世代、α世代に続く次の世代は、デジタルの中心で活躍します。ぜひ、飛躍の場へと導いてあげてください。
次に土木部長、先日、市内の危険箇所の情報収集について、SNSを用いたシビックテックについて提案させていただきました。そのときの部長の返答がとても力強かったことを覚えています。試せるものは何でも試す。継続可能な社会の実現には、この意気込みが何より大切だと思います。今議会にも提出されていますが、取組について説明をお願いします。
土木部長(龍田雅人君)
お答えさせていただきます。
先般、青柳議員からインスタ等を利用した危険箇所の情報収集、発見ができないかとのご提案がございました。
道路の維持管理を所管いたしております建設課職員には、インスタ等を利用している職員がほとんどいなかったこともございまして、あわら市職員で構成しておりますSNSチームにメリット、デメリットを含め、問題点等の洗い出しを依頼し、意見の集約をいたしております。
また、建設課においては、スマートフォンアプリの利用によります通報システムの導入のための費用として、今議会で補正予算の計上をお願いしているところでございます。こちらのシステムにつきましては、アプリをインストールしていただきまして、道路、公園等の問題箇所、意見等のご提案をいただくものでございます。これによりまして、現場の状況、それから位置情報というのを職員のほうで把握できるといったシステムになってございます。
また、あわせまして、昨年10月に協定を締結いたしました市内郵便局との包括的連携によりまして、道路等の異状に関する情報提供のご協力をいただいていることもございまして、今後につきましては、これらの利用及び情報提供の状況を勘案いたしまして、インスタ等の利用につきましては再度討議を重ねてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
質問者 青柳篤始
アプリを使用するということで、現在、民間ではアプリを使用したシステムからどんどんSNSを用いたシステムに移行しています。やはりアプリを入れるということが高い障壁になっているという分析がありますので、ぜひともツイッター、インスタ、それからフェイスブック、LINE等との連携も視野に入れて、今後進めていただきたいなと思います。今後は、確実にWeb3.0という時代が来ます。その特徴をつかんで、無駄のない投資をぜひお願いしたいと思います。
また、デジタルの情報収集という点では、様々な手法を試していただきたいなと思います。ただし、コンプライアンス、それからセキュリティーといった問題が常に付きまとうと思われます。解決への糸口やコンプライアンスの要点の見つけ方、ルールを突破してよりよくする方法を私も提案したいと思っています。不可能を可能にする、これもまたデジタルを活用した上で、ポストコロナの時代には必ず必要になることになりますので、ぜひとも頑張っていただきたいなと思います。
今後、上下水道などのライフラインや防災・減災システム、昨年導入した除雪の情報提供のシステムMaaSなんかもありますが、トータル的な展望を持って、ぜひ歩みを止めないようお願いいたします。
次に健康福祉部長、デジタルヘルスケア、この分野が今後10年で一番進化を遂げるんじゃないかなというふうに思います。
健康は、人の幸せに直結する部分でもあります。現在、医療は風邪を引いたら治療する治療医学が中心です。今後は、予防医学の考え方が爆発的に伸びます。特に、リストタイプの腕時計型のバンドなんかで24時間バイタルをチェックできるようになり、予防医学の手の届くところに来ているというのが現状だと思います。
今、効くのか効かないのか分からないけどやっている行動が数値化されたらどうでしょうか。「運動不足です。10分歩きましょう」「あした風邪を引くかもしれません」などと、使う人に最適化されたことが腕時計型の時計に出ていたら、皆さんどうでしょうか。
これがまさにデジタルAIの恩恵です。AIは、目的を与えるとその人に最適な健康管理を提供してくれるでしょう。そして、それは医療費や介護費といった2025年問題や40年問題への解決の糸口になると私は思っています。よって、少し先の話だからこそ、今何を学び、今何をするのかが重要になってくると思われます。
当然、行政だけでは不可能です。民間と共に進めていく事項であるからこそ、この分野に関するお考えを今伺いたいと思います。
健康福祉部長(武田正彦君)
お答えをいたします。
近年は、健康寿命が重要視をされております。病気になってからではなく、そもそも病気にかからないようにする、あらかじめ予防をするというような予防医療が今後ますます重要になってくると考えております。国の成長戦略でも、人生100年時代の安心基盤を健康と位置づけ、医療、介護、その現場でICTやAIなど技術活用の促進に取り組むとしています。
あわら市におきましては、令和3年度に民間企業が開発しましたスマートフォンのアプリ「みんチャレ」、これを活用しまして、介護予防を習慣化させようという目的で、これは福井県の実証事業でございますが、こちらに参加をして、アプリを活用した新しい取組に取り組んだところでございます。
また、県内の自治体では、今年度、若狭町が福井大学や民間企業と共同でデジタル技術を活用した栄養指導や運動指導に取り組むといったことを聞いております。
本市としましても、コロナ禍での介護予防教室など、対面の事業展開には限界があると感じております。ポストコロナにおきまして、デジタル技術の活用も必要であろうというふうに思っています。健康で活動的に暮らしていただくためにも、また、医療費や介護費の負担を抑制するためにも、他市の成功事例を参考にしまして、引き続きデジタルヘルスケアの活用に向け検討をしてまいりたいと考えております。ご理解を賜りますようお願いいたします。
質問者 青柳篤始
AIだけが全てではないですが、課題解決に向けた姿勢をぜひお願いいたします。ちなみにAIとは何ぞやとよく質問されますが、AIは成功している人のまねをする、そのようなものだと思ってください。そう考えれば、活用の幅が広がると思います。
次に経済産業部長、民間企業や農業のデジタル化の動きは利益に直結する世の中であることは周知の事実だと思います。
先日、バーチャルオフィスやスマート農業を体験してきました。進化がすごい、そう実感しました。
そこで、市民生活における身近なデジタル化と経済成長について伺います。
市の環境対策、経済対策の一部として、以前、平野議員も一般質問をしていたと思いますが、グリーンライフポイントや先ほどの健康福祉や予防医学に通じることでもありますが、散歩しながらポイントがためられる、あるいは、旅行者に、ここ、あわら市を選択してもらう決め手となるような観光ポイントシステムなど、まちの活性化につながるような取組が可能だと思います。外に出て交流する、これはフレイル予防や防犯、危険箇所の早期特定にもつながります。何より経済における人の流れは、人間に例えるなら血液です。
今年度当初予算で、ポイントカードシステムのIT先端技術の導入が計上されていました。少し歩みを進め、まち全体の活性化に向けたトータルパッケージでのグランドデザインが必要になると思われますが、デジタルでの経済活用をどのようにお考えですか。
経済産業部長(中嶋英一君)
ご質問にお答えいたします。
経済の活性化は、人の流れ、人が動くことによって引き起こされるものだと思っております。これはデジタル空間に関しても同様で、オンラインとオフラインをどのように融合させられるかが課題だと思っております。
デジタル技術を活用した地域経済活性化事業の実施に関しましては、国において様々な補助金があることを承知しております。
なお、トータルパッケージの整備につきましては、部署を越えた連携が必要になる内容でありますので、関係部署をはじめ、企業などの関係機関を交えて情報を収集し、検討していきたいと考えております。
以上です。
質問者 青柳篤始
基幹システムの導入、これがこの事業の肝となります。後発であるからこそのメリットを生かし、ばらばらではなく統一された基幹システム、非常に高いレベルが要求されますが、よろしくお願いしたいと思います。
散歩に出たらポイントがたまる。理由はどうあれ、面白くなりそうです。まさにデジタルを活用したつながるあわらじゃないかなと私は思います。これからもいろんなイベントが控えています。トータルでのグランドデザインを楽しみにしています。
実は、既にポイントカードは持っています。マイナンバーカードがそれに当たります。
マイナンバーカードは、デジタル世界での身分証明書であり、現実世界に当てはめれば運転免許証や健康保険証に相当します。まだお持ちでない方は、早めの申請をお願いいたします。
これまでの話は、民間企業との交流や提携で前に進むことが可能だと私は考えています。先日も、通信、データ、ASP、デジタルヘルスケア等のITテック企業を訪問してきました。地方創生に協力したい、そんな話を数多く聞きました。
ある分野では日本一、誰しもが知っている会社が注目する地方創生。当然、調査は必要になりますが、課題解決に向けた技術協力、協定といったものはすぐにでも可能だと考えます。自分たちの力ではどうにもならないこと。外部との連携を進めれば、より多くの知恵と技術を手にすることができます。また、経験値の高い会社と提携を結べば、政府系補助金へのアプローチの仕方や糸口が見つかるのも事実です。ぜひアプローチを試みてください。
これから庁舎内のデジタル化について伺います。
まず最初に、マイナンバーカードというキーワードが出ましたので、市民生活部長、J-LISについて説明をお願いいたします。
市民生活部長(山田佳子君)
ご質問にお答えいたします。
J-LISとは、地方公共団体情報システム機構の省略で、国と地方公共団体が共同で管理する法人です。
J-LISは、デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードを発行する主体として明確に位置づけられており、住民基本台帳ネットワークシステムや自治体中間サーバー・プラットフォームなど、マイナンバー制度の情報連携を支える各種システムの整備、運用を行っております。
また、J-LISは、コンビニ交付サービスや公的個人認証サービスを提供するなど行政手続の簡素化を推進し、誰もが便利に暮らすために、マイナンバーカードの利活用の充実を目指しています。
本市としましては、令和2年度から職員が直接地域に出向く出張申請を積極的に進め、マイナンバーカードの普及に力を入れております。5月末現在の申請率は55.48%、交付率は49.89%となっております。
質問者 青柳篤始
統一化や認証、起請といった手間が改善されて、先ほどの市長答弁にもありましたが、ただ待つのではなく、今のうちから意見や要望を、J-LIS、デジタル庁、総務省に届けるぐらいの意気込みを持って備えていただきたいと思います。
本来、皆さんが大切にしている住民サービスに専念できますよう願います。マイナンバーカードの申請に関しても、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
さて、今議会から議員のペーパーレス化が進んでいます。9月議会からは本会議場で完全ペーパーレス化が議員個人の努力によって見えてきています。議員の平均年齢は65歳です。よく頑張っていると思います。
政府が行った最も有名なデジタル化、政権が代わっても唯一成功した事例を、皆さん、何かご存じですか。2011年7月24日、テレビに黄色いシールが貼られていたと思います。そうです、地上アナログ放送がデジタル化に移行したことです。これは、議会関係者が誰も損しなかったということも大きいですが、一番大きい要因は、期限を決めたことだと言われています。
実は、議員のタブレット化が決まったとき、何より先に期限を設けることにこだわりました。年齢やスキルが違う中で成功させる最も適した道を、過去の事例に倣ったわけです。庁舎内のペーパーレス化、いつやりますかと本来ならば再質問したいところですが、あえて伺いません。ただ、機械が足りないとか、準備ができていないとかは理由になりません。創意工夫で次のステップにレベルアップするよう期待しています。
次に、庁舎内で使用しているデジタルツール、グループウエアについて伺います。
このソフトは利用率が非常に高く、予定管理などで私も何度も助けられています。しかしながら、グループウエアソフトで最も重要な機能であるプロジェクトの進行管理などの仕事の可視化ができていないように思います。プロジェクト管理ができると、仕事をしている人の得意、不得意が見えてきます。つまり、的確な人事評価が可能になります。当然、得意なことは得意な人がするほうが効率がいい話になります。しかし、不得意な業務でも知らなければなりません。
そこで出てくるのが掲示板です。ネット上にホワイトボードを置き、そこにテーマを決め、アイデアやヒントを書き込む。その内容は、隠すことなく全職員が共有することによって、自分の仕事以外の内容を把握したり、補ってくれたりすることができるようになります。
創造戦略部長、現在のグループウエアソフトにはどんな機能がありますか。また、勤怠管理など、既に実装されているのに使用していないのはなぜですか。そして、今後の開発予定についてお伺いします。
創造戦略部長(大角勇治)
それでは、グループウエアの機能についてでございますが、まず、職員本人のスケジュール管理や、3役、他職員の予定の確認、管理ができますスケジュール機能がございます。そのほか、業務で使う個人や課のメールを受信するメール機能、それと職員への連絡や周知に活用する掲示板機能、それと会議室や公用車、パソコンなどの共用備品の予約ができる設備予約機能、業務の進捗管理や各システムの機能の質問などに利用できるフォーラム機能などがございます。
また、勤怠管理につきましては、グループウエアには機能はございませんが、業務システムで運用管理を行っております。これにつきましては、有給休暇、代休の取得申請や管理、また、時間外勤務の命令、申請など、このシステムで利用をしてございます。
以上でございます。
質問者 青柳篤始
様々な機能があるということで、ぜひ活用していただきたいなというふうに思います。勤怠管理などはクラウド上でできれば、あとは全て自動で行ってくれる給与計算や会計、AI化が常識となっていますので、この部分に関しては、できない理由を探すのではなく、やる理由を探して行っていただきたいと思います。
やる理由といえば、令和4年1月1日、8件の法改正が行われました。その中に、電子帳簿保存法があります。いわゆる電帳法、経済産業部長、改正の中身を簡単にお願いいたします。
経済産業部長(中嶋英一)
お答えいたします。
電子帳簿保存法につきましては、これまで経理帳簿は紙での保存が中心で、電子媒体での保存を行う場合には、税務署への届出が必要でございました。
法改正によりまして、令和4年1月1日を境に、今までの考え方とは反対となり、電子での保存を基本とし、電子の保存が不可能な場合に届出が必要となりました。その猶予期間は2年となっております。
以上です。
質問者 青柳篤始
そのとおりです。2年、長いようですが、決算2回分です。3回目はない。ハードだと思います。
我々は、ある日突然、お国の一言でころっと、これまでの業務内容を変えなければいけない。そんな日が突然やってきます。なのに、市役所はいつまでたっても紙で残し、デジタル署名に対応していないとか、そういう回答は今後聞きたくないというふうに思っています。あえて状況は伺いませんが、私がなぜこのような質問をするかというと、効率化をどんどん図って、自分たちの時間をつくってほしいからです。
ご承知のように、公務員は、ほかでまねできないサービスを行っています。だからこそ、公務員給与は国のGDPに含まれているのです。
デジタル化で効率がよくなる、それは幻想だという方もいらっしゃいます。デジタル化は、逆に手間が増える。これは取り組んだことのない人のコメントです。デジタル化は、繰り返し行う作業を最も得意としています。
どうですか、皆さん、毎日同じ作業を繰り返していませんか。デジタル化をすればすぐに終わる仕事を抱えていませんか。もし抱えているのなら、あしたからすぐにデジタル化に取り組んでください。劇的に変わります。Pythonを使っていいですか。あしたから使ってください。コンプライアンス、すぐにつくってくれるでしょう。だって、コンサルタントがいるでしょう。
1日8時間勤務するのなら、そのうちの20%を自分のために使ってほしい。その20%は個人の自由です。ある人は、得意分野をさらに勉強するでしょう。ある人は、子どもさんの面倒を見ます。市内に巡回に出かける方もいれば、忙しい部署を応援する方もいらっしゃるでしょう。そうやって個人の資質を上げることは、人材を本当の財産にするためにも必要不可欠な要素だと思っています。効率は上げるものではなく、勝手に上がるものなんです。モチベーションイコール効率です。
あわら市の職員の職場は、あわら市全体です。どこにいても仕事ができる。LGWANの影響があるからそれができない。分かります。しかし、LGWAN-ASPやAWSがあるじゃないですか。多くのことを学び、実行しなければ、いつまでたっても全体最適化や継続可能な都市を目指すことはできません。上司は、若い職員の未来に道筋をつけてあげる。一番重要な仕事だと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。そして、本来の意味での働き方改革を進めてください。
デジタル化は、使えない方には恩恵が受けにくい。これは事実です。しかし、経費の節減や、それがその分セーフティーネットに使われたらどうでしょうか。デジタル化は、全ての方に同じだけのメリットをもたらすことはできません。使った人がその分の恩恵を多く受けられる、これは世の常です。しかし、全く使用していない人にも、形を変えて、必ずその恩恵は受けられます。
スマートシティ全体最適化による継続可能な都市を実現する、これをテーマに一般質問をさせていただきました。私の課題解決に向けた主張は、内容はごく一部です。今後も、いろんなことを提案させていただきたいなと思います。
私が昨年6月、DXというキーワードであわら市が騒がれていたことをよく覚えています。なぜなら、議員に初当選した月だったからです。先ほど、その内容が、そのときは取り組んでいなかった、ただのバズワードだったというようなニュアンスの表現もありましたが、今、多くの部長に、そしていろんな研修会を通して、その結果、アドリブで質問をしたとしても、その内容を的確に部長さんたちは答えてくれます。先ほど、気軽に相談する職員がいなかった、そういうふうな内容がありましたが、気軽に相談して返ってくる答えに中身があるでしょうか。私はそうは思いません。アクションプログラム、名前はかっこいいですけど、つくりますと言ってから約1年、何のリアクションも取れない状態が続いています。確かに、デジタルは日進月歩です。今日、今この場で言っていることが、明日にはもう既に古い技術になるのかもしれません。しかし、多くのものを見て正しい目標を決めれば、必ずそこに到達する、そのようなことは可能になります。そして、住民サービス、その充実を図っていただきたいと思います。
私は、やみくもに先端技術を導入しろとは言っていません。1年間、行政と技術を頭を下げて足を使って学んだ上で、少しの未来を今日は皆さんにお話しさせていただいたつもりです。物事は結果が全てです。全体最適化の先に財政健全化があります。今後も一般質問でいろんなことをお伺いしたいと思います。
最後に、広い視野と多くの勉強、そしてスピード感を持ってどんどん試す。これからのあわら市はどんどんよくなると思います。冒頭にも述べましたが、人々を幸せにしたい。これは市にとっても同じだと思います。私にとっても同じです。よくなる理由として一つ挙げるとするならば、あわら市民を幸せにしたいと思っている市長、職員、そして議員がいるからだと私は思っています。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。