さかいキッズパークを視察|「安全」と「挑戦」から考える屋内遊び場の運営

「安全」と「挑戦」をどう両立するのか

目次

さかいキッズパークを視察しました

坂井市に令和8年3月にオープンした全天候型屋内遊び場「さかいキッズパーク」を、総務厚生常任委員会で視察しました。

あわら市でも、旧芦原庁舎を活用した屋内遊び場の整備が進められています。

そのため今回は、「どんな遊具があるのか」を見るのではなく、「どのように運営されているのか」という視点で施設を見学しました。

施設は完成すれば終わりではありません。

実際に運営が始まってから、どのような課題が生まれ、それをどう改善しているのか。

その積み重ねこそが、これからのあわら市の施設づくりにも生かせると考えています。

そして、今回の視察で私が最も考えたかったテーマは、

「安全」と「挑戦」をどう両立するのか。

子どもたちが安心して遊べることはもちろん大切です。

一方で、すべての危険を取り除くことが、本当に子どもの成長につながるのか。

その答えを探しながら視察に臨みました。

子どもは、大人が想定した通りには遊ばない

今回、一番印象に残ったのは、このことでした。

施設では、スロープ状の滑り台で怪我が続いたことから、開館後に利用できる年齢を見直したそうです。

設計段階では安全基準を満たし、床にもクッション材が設置されていました。

それでも、保護者が子どもを抱いたまま滑ったり、後ろから滑ってきた子どもとぶつかったりするなど、実際に運営して初めて分かった利用のされ方があったとのことでした。

子どもは、遊び方を教えなくても、自分なりの遊びを見つけます。

時には、大人が想像もしなかった遊び方をすることもあります。

それは危険につながることもありますが、同時に子どもらしさでもあります。

だからこそ、「安全基準を満たしているから大丈夫」ではなく、事故や利用状況を検証しながら、年齢制限や注意表示、職員の声掛けなどを見直していくことが必要なのだと感じました。

施設は、造って終わりではありません。

運営しながら育てていくもの。

この言葉が、とても印象に残りました。

「ゼロリスク」は本当に子どものためなのか

今回、私が運営事業者の方へ質問したのは、この点です。

完全なゼロリスクを求めることと、子どもが挑戦する機会を残すことは、時に相反すると思います。
そのバランスをどのように考えているのでしょうか。
また、どこまでが施設側の責任で、どこからが保護者や利用者側の責任と考えていますか。

施設側からは、安全基準を満たし、予測できる危険には最大限対策を講じることが施設の責任であること。

一方で、利用ルールを守ることや、保護者が子どもを見守ることは利用者側の役割でもあるという説明がありました。

私は、この考え方はとても大切だと感じました。

子どもの成長には、転ぶことも、失敗することもあります。

だからこそ、重大な事故につながる危険は施設側ができる限り減らし、その上で子どもが安心して挑戦できる環境を残していくことが必要なのだと思います。

小さな子どもへの配慮が随所に

施設では、乳幼児専用のスペースが十分な広さで確保されていました。

周囲の仕切りは、大きな子どもが簡単に入り込めない高さになっており、小さな子どもが安心して遊べるよう工夫されています。

また、車椅子のまま利用できる砂場や遊具、気持ちを落ち着かせるための静かな部屋も整備されていました。

豪華な遊具があることよりも、「誰が、どのように利用するのか」を丁寧に考えた設計になっていることが印象的でした。

開館後すぐに運営方法を見直した

開館当初、平日は時間制限のないフリータイム制だったそうです。

しかし春休みになると、昼頃には定員に達し、来館しても利用できない方が出るようになりました。

そのため、大型連休や夏休みなどは平日でも予約制・入替制へ変更したとのことです。

最初に決めたルールを守り続けるのではなく、利用状況を見ながら柔軟に改善していく姿勢は、とても参考になりました。

利用者数だけで評価してよいのか

年間利用者数の目標は11万人です。

もちろん、多くの方に利用されることは大切です。

しかし私は、

「利用者数だけで、この施設の価値を判断してよいのだろうか。」

という疑問を持ちました。

例えば、

  • 保護者同士の交流が生まれたのか。
  • 子育て相談につながったのか。
  • 「また来たい」と思える場所になっているのか。

そうした変化も、施設の価値を測る大切な指標ではないでしょうか。

遊び場を造ることが目的ではなく、その先にある子育て家庭の安心や暮らしの充実につながっているか。

そこまで見ていくことが必要だと感じました。

あわら市の施設に生かすために

あわら市では、子育て支援センターと同じ建物に屋内遊び場を整備する計画が進んでいます。

今回の視察を通して、特に大切だと感じたのは、

  • 設計段階から運営者の意見を取り入れること
  • 開館後も利用状況を検証し、改善を続けること
  • 施設と保護者、それぞれの役割を明確にすること
  • 利用者数だけではなく、子育て支援としての成果も見ていくこと
  • 子育て支援センターとの連携を、開館前から具体的に考えておくこと

でした。

先行事例から学ぶべきなのは、成功だけではありません。

実際に運営して初めて見えてきた課題こそ、これから施設を整備する自治体にとって貴重な学びになります。

子どもにとって、本当に良い遊び場とは

安全であることは、何より大切です。

しかし、転ぶことも、失敗することも、もう一度挑戦することも、子どもの成長には欠かせません。

私たち大人の役割は、子どもの挑戦を必要以上に奪うことではなく、安心して挑戦できる環境を整えることではないでしょうか。

施設、運営者、そして保護者が、それぞれの役割を果たしながら子どもたちを見守る。

その積み重ねが、「安全」と「挑戦」の両立につながるのだと思います。

今回の視察で改めて感じたのは、施設は造ることが目的ではなく、運営しながら育てていくものだということです。

この学びを、あわら市らしい屋内遊び場づくりや子育て支援につなげられるよう、これからも現場の声に耳を傾け、一つひとつ考えていきたいと思います。

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