お土産品開発など、ソフト事業の状況と支援策について

質問

・名物・お土産品などの開発や磨き上げが進んでいない状況が見受けられるが、この状況を把握しているか。また、今後、支援や後押しをする計画はあるのか。

全文

質問者 青柳篤始

次に、お土産品開発などソフト事業としての現状と支援策ということで、一般質問させていただきます。

 新幹線開業に向け、ハード面の整備が急ピッチで進む中、名所、名物、お土産などのソフト面の事業の磨き上げは思うように進んでいない状況が見受けられます。この状況について、市はどれぐらいのことを把握していますか。また、今後、どのように支援や後押しをしていくのか、計画がありましたらぜひ教えてください。特にどうリンクさせるかは次の機会にさせていただき、今回は、製品開発、商品開発、お土産品開発について主眼を置いた説明をお願いいたします。

市長、森 之嗣

 名物、お土産品などの開発や磨き上げが進んでいない状況が見受けられるが、この状況を把握しているか、また、今後、支援や後押しをする計画はあるかというご質問にお答えをしたいと思います。
 名物、お土産品などの開発や磨き上げの状況と今後の支援計画についてのご質問ですけども、市では、令和6年春の北陸新幹線芦原温泉駅開業や、令和7年の大阪万博開催などのビッグチャンスを生かして、国内外からの誘客拡大や観光消費額の増加につなげ、その効果を市内全域、さらには嶺北エリア全域に波及させるため、平成31年4月にあわら市観光振興戦略を策定いたしました。
 この戦略に基づき、本市の自然、歴史、文化、食の素材を生かした観光資源の磨き上げに取り組んでいるところでございます。
 この戦略の中には、あわらならではの高付加価値で魅力的なスイーツやお土産の開発についての施策も定められており、補助金による助成や、あわら市商工会を通して商品開発に対する支援を実施しております。
 補助金については、令和2年4月に地域の食材等を活用した新商品の開発及び製造を行い、市の特産品としてブランド化を進める事業者を支援する目的で、食品加工施設等整備支援事業補助金を創設して募集を行ったところ、本年度までに2事業者の採択をしております。
 採択事業については、いずれもフルーツやとみつ金時といった地元の特産品を使ったものであり、今後、県内外にあわら市をPRするに当たり欠かせない商品であると考えております。
 次に、商工会においては、平成30年度より市内農商工業者の有志を募り、連携して新商品開発を行うあわらキャッチプロジェクト事業が実施されております。このプロジェクトは、市内の事業者がアイデアを持ち寄って新しい商品を生み出し、販路拡大と各事業所の知名度アップを目的としており、農商工が連携して3件の商品を生み出しております。
 また、市が商工会に委託して実施しているにぎわい創出事業のメニューの一つとして商品開発支援をしており、商品の開発研究や販路開拓、パッケージデザインの刷新などの販売促進に係る費用を補助しております。この事業において、直近5年間で6件の商品が開発され、その一部は東京や千葉で開催される全国規模の展示会や近隣市町と合同で実施する展示会などへの出店を通して、販路拡大を図っております。
 さらに、本年8月から民間の専門的な知見を取り入れることにより、様々な行政課題解決を図ることを目的とした民間複業人材活用に関する実証実験を実施しております。民間から商品開発アドバイザーにふさわしい方を招き、道の駅「蓮如の里あわら」の売りとなる地域の名産を生かした商品開発を進めているところでございます。
 しかしながら、市としましても北陸新幹線芦原温泉駅開業が間近に迫っている中、お土産などの開発や磨き上げについてはまだまだ物足りなさを感じております。今後は、実証実験の結果も踏まえ、経験や実績豊富な商品開発アドバイザーの下であわらブランドを確立し、あわらならではの食を楽しむことができ、また、旅の目的となり得るような新たな目玉商品の開発と、そのPR活動を市内事業者と伴走しながら強力に推進してまいりたいと考えております。

質問者 青柳篤始

ご支援いただけるということで、非常に心強いと思います。今後とも引き続きお願いします。

 実は、私もお土産品開発やブラッシュアップの方向性について相談を受けます。しかし、そのほとんどが具体案がなく、売れる保証もない状態でのお願いです。こういう状態ではなかなか新しい商品は生まれてきません。
 そこで、ご支援いただけるのならば、業者を直接支援することも大切ですが、マーケティング調査をお願いしたいと思います。これは、中小企業ではなかなか厳しく、大きな資本を必要とするのも事実です。また、東京でのマーケティングデータ、それから、関西や中京圏、そこのデータというのはまるで違うものになってきます。
 これが売れている、こうしたら売れるんじゃないか、そういった言葉は数多くのヒントを事業者にもたらします。また、企業の一番弱いところを補うことができ、意欲にもつながると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 先ほどの答弁の中で、道の駅に民間から商品開発アドバイザーを招くという言葉がありましたが、詳細について教えてください。

創造戦略部長、大角勇治

 先ほどの市長の答弁の中にもあったと思いますが、あわら市における行政課題の解決を図るために、株式会社Another worksと協定を結び、民間複業人材を登用する実証実験に取り組んでおります。
 株式会社Another worksが展開する複業マッチングプラットフォームを活用しまして、民間人自身のスキルや経験を地域に生かしたいと考えており、金銭報酬のみを目的とするのではなく、地域に貢献したい、スキルアップしたいという経験報酬や感情報酬を求めている複業人材を募集し、登用を行うものでございます。
 今回、商品開発アドバイザーとして、大阪の阪急百貨店で、食品、鮮魚や酒部門、経営企画部などを経験され、現在はフードマーケティングコンサルタントとして、関西で、食の、それと地方の総合的な課題解決を考える活動や、兵庫県のマーケティングアドバイザーをされている片桐新之介氏を登用いたしました。特に、商品開発や6次産業化、農林水産業者の経営改善で、自治体や事業者の支援に携わっておられる方でございます。
 兵庫県の淡路市や京都市の酒蔵の新商品開発やPR、大阪府堺市の養鶏業者の商品開発やプロモーション、石川県の能登町の道の駅の商品開発のほか、静岡県や奈良県、三重県、愛媛県などの市町で、複業人材として活躍をされております。
 片桐氏の知見や商品開発のノウハウなど、これまでに培ってこられた経験をあわら市の名産を生かした道の駅の目玉となる商品の開発につなげて、道の駅ににぎわいの創出を図りたいと考えてございます。

質問者 青柳篤始

ぜひお願いして、よりよいものをつくっていただきたいなと思います。

 ただ、商品開発アドバイザーの方には、一つぜひお願いしたいことがあります。新しい商品を生み出すことよりも、売れることにぜひコミットメントしていただきたいと思います。なぜなら、売れない新しい商品は、ただの不良在庫です。ここが新商品開発の難しさでもあります。新商品をごみにしないためにも、マーケティングデータが必要なんです。リスクコントロールはそれぞれの事業所で行います。そして、商品化の水準に達することができれば、それは新商品として世の中に送り出すことができます。

 また、マーケティングデータの重要性は、先ほど市長の答弁の中にもありましたあわらキャッチプロジェクトで既に実績を上げています。複数の新商品、部門別での売上げ一位獲得や、品評会での賞の受賞、新規ビジネス、クラウドファンディングによる資金調達の成功や、現在進行形でもあわら市の名産品をつくり出すプロジェクトなどが進んでいます。

 情報を共有することを主たる目的とした異業種が集まった会だからこそ生まれたイノベーションでもあります。

 現在、イノベーションは、異業種が集まって同じベクトルの方向を向くことによって、そのイノベーションは具体的な形になると言われています。行政の持つ力のうち、流れをつくる力は、民間では持ちたくてもなかなか持てないものでもあります。事業所へのイノベーションをもたらすことはもちろんのこと、生産者との交流によって、その動きはさらに加速されることになります。

 来年、吉崎に誕生する道の駅の出荷者協議会も、それに相当するかと思われます。単に生産者の集まりで終わるのか、そこにイノベーションを生み出せるのかは、情報の量とオペレーションの質でこれから決まります。

 行政でしかなし得ないことがあります。ぜひ、お土産品開発などのソフト面でありとあらゆる方策を模索検討し、一日も早い行動をお願いしたいと思います。

 二つのお願いをもって、私の一般質問と代えさせていただきます。

 ありがとうございました。

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