今回の一般質問では、
観光入込客数210万人という「数字の先にある構造」について問いかけました。
新幹線開業を追い風に、あわら市の観光は大きな成果を上げています。
一方で、「知られていない」「伝わっていない」という課題も、はっきりと見えてきました。
私はこの質問を通して、観光を「イベント」や「施設」の話にとどめるのではなく、
まち全体の暮らし・人・経済をどう動かしていくのかという視点で整理したいと考えました。
行政主導から地域主導へ。
その転換点に、今のあわら市は立っていると感じています。
質問
- あわら市観光の現状と今後の誘客戦略について
- 温泉中心から「まち全体の観光資源活用」への転換について
- ファネル分析による課題の見える化と観光DXの推進について
- 人材育成と地域の担い手づくりについて
- デジタルとリアルをつなぐ情報発信体制の強化について
- 観光消費の地域内循環と入湯税の地域還元について
- 行政主導から地域主導への転換について
要約
今回の一般質問を通してお伝えしたかったのは、観光は「人を呼ぶ」だけで終わらせてはいけないということです。
あわら市の観光は、「認知は低いが、満足度は非常に高い」という大きな可能性を秘めた構造にあります。
だからこそ必要なのは、行政が全てを動かす観光ではなく、
行政が土台を整え、地域が主役となって育てていく観光です。
情報を見える化し、人の動きをつくり、その流れを地域経済へ循環させる。
観光の力が、暮らしの豊かさとして市民に戻ってくる。
この好循環をつくることが、これからのあわら市の観光まちづくりだと考えています。
本分
青柳篤始
全国の観光動向を示した「令和6年観光白書」では、コロナ禍を経た観光需要が急速に回復し、令和5年の国内旅行消費額は22兆円と過去最高を記録しました。
本市あわら市においても、観光入込客数が令和6年、過去最多の210万人、前年比で26万人増の14%の伸び率で、宿泊68万人、日帰約145万人。特に関東圏からは80%増と新幹線開業効果が明確に表れています。
一方で、認知の壁は依然として高いままです。私自身、関東でPR活動を行ってきましたが、あわら市やあわら温泉を「知っている」と答える人は1%という現実があります。だからこそ、市としての戦略的な発信が求められています。
あわら市はご存知のように、海、山、川、湖、大地、平野、そして温泉と豊かな自然と文化に恵まれた観光資源の宝庫です。このポテンシャルをどう磨き、どう伝えていくのか。そこで伺います。
観光客210万人という数字を市としてどのように分析されているのか。宿泊、日帰り、出発地別の傾向をどのように評価し、今後どのような誘客戦略を描いていくのかを教えてください。
経済産業部長 中嶋英一
ただいまのご質問にお答えをいたします。
令和6年の観光入込客数は、宿泊客が約 68万人、日帰り客が約145万人の合計約213万人で過去最高を記録いたしました。これは、コロナ禍前の平成30年と比較して23%の大幅増、新幹線開業前の令和5年比で14%増となっております。
発地別では、特に関東方面が約22万人で、平成30年比78%増、令和5年比81%増と大幅な伸びを示しております。また、中京方面、関西方面につきましても増加傾向で、敦賀駅での乗り換えによる影響は限定的でした。
これらの結果は、新幹線開業に向けて長年の取り組みの成果であり、観光関係者の皆様に心より敬意を表します。
一方で、議員ご指摘のとおり、全国的な 認知度の低さなど、まだまだ課題も残っております。9月の観光経済新聞「にっぽんの温泉100選」の中間集計結果では、あわら温泉が6位と初のトップテン入りを果たし、昨年の23位から大きく評価が上がりました。
市としましては、このような全国的なニュースをPR TIMES等を活用して発信し、認知度向上に努めておりますが、こういった地道な広報活動も重要であると考えておりますので、今後も継続してまいりたいと思います。
また、入込客データや宿泊動向、発地別の分析を踏まえ、本市の観光のトップブランドである「あわら温泉」を核として、「関東圏 からのリピート獲得」、「滞在時間の延長」、「体験消費の拡大」を重点として、誘客戦略を再構築してまいりたいと考えております。
加えて、デジタルデータを活用したターゲット分析を強化し、効果的なプロモーション手法を磨くことで、訪問意欲を高める発信を進めてまいります。
青柳篤始
この現状を踏まえて、次に問うべきは観光構造そのもののあり方です。
これまで本市の観光は芦原温泉を中心に発展してきました。しかし、観光白書のデータを見ると、観光入込客210万人のうち、温泉を訪れたのは約65万人、実に7割近い145万人が温泉以外の地域に足を運んでいることがわかります。
この事実は北潟や吉崎、金津創作の森、細呂木などを温泉以外の地域資源にも大きな可能性があることを示しています。金津創作の森のアートイベントや北潟菖蒲祭りなど、市内各地に長く続く取り組みは地域に根付いており、さらに各地区で受け継がれてきた伝統行事や季節の祭りも多くの来訪者を集めています。地域そのものが観光資源であるという本市の特徴が既に数値として表れ始めています。
加えて、駅前アフレアでの音楽会やマーケットイベントなど、近年、行政の補助金に頼らず、民間や地域住民が主体となる動きが広がっています。
行政が整備し、地域が育てるというかたちがまちのあちらこちらで芽生え始めています。観光白書が示す全国動向でも、一極集中から分散、回遊へ。温泉だけに依存しない市全体で滞在価値を高める方向に舵を切る局面に来ていると考えています。
そこで伺います。温泉地区の温泉中心の観光から、まち全体の資源を生かした観光へと市としてどのように転換を進めていくのか。また、芽生えつつある地域、民間の主体的な取り組みを行政としてどのように支援し、伴走していくのか。その具体的な方向性を受け、お聞かせください。
市長 森之嗣
本市の観光の核は「あわら温泉」である ことは間違いありませんが、この他にも北潟湖畔、吉崎エリア、金津創作の森など、市内には魅力的な資源が多数ございます。これらを磨き上げ、市内全体の周遊性を高めることは重要な課題であると認識しております。
また、これまでに策定した「観光まちづくりビジョン」、「観光振興戦略」では、温泉の魅力の磨き上げに加え、市内各地域の魅力 向上を図り、それぞれの地域が連携していくことの重要性を掲げております。
一方、議員ご指摘のとおり、今後は地域 主導の考え方が観光において非常に重要であると考えております。例えば、細呂木地区では、宮谷石切場跡や神宮寺城跡、多賀谷左近三経公墓所、鴫谷山の切通しなどの観光スポットがあります。レンタサイクルと地元ガイドを組み合わせた周遊プランを現在検討しているところでございます。
また、北潟湖畔花菖蒲まつりでは、これまで地元の北潟地区で収穫されたメロンやスイカ、とみつ金時などの名産市を実行委員会が担ってきましたが、来年度からは、地元の「北潟地区創成会」に担ってもらうよう協議を進めております。
「観光まちづくりビジョン」、「観光振興戦略」では、地域の農家や飲食店、若い世代との連携を推進するとともに、市民の観光まちづくりへの参加を促すことを掲げております。
こうした市内各地の取り組みを行政が一方的に進めるのではなく、地域の方と協働し、さらに地域主導の事業が生まれるよう、行政として伴走し、支援する体制を強化してまいりたいと考えているところでございます。
青柳篤始
ぜひお願いいたします。
では、この観光構造をどのように進め、どこに課題が潜んでいるのか。その鍵となるのが「見えないものの可視化」です。
これまで市の皆さんと一緒に取り組んできたファネル分析では、認知、興味、比較、検討、行動という流れのどこで人が離れていくのかを市内の観光資源ごとに整理してきました。その結果、最も大きな壁として見えてきたのは、観光の最初の入口、つまり認知の壁の高さです。
関東を中心にあわら市を知らない、芦原温泉を知らないという人が依然として多く、認知は1%未満という現実があります。しかし一方で、興味を持ち検索した人や比較検討まで進んだ人は「行ってみたい」「もう一度行ってみたい」と考える割合が非常に高い、満足度を90%超えという数字がそれを示しています。
さらに、今年、芦原温泉は日本の温泉100選で全国6位に選ばれました。これは一般の投票ではなく、実際に送客している観光のプロが泉質、料理、サービス、雰囲気などを総合的に判断した結果です。プロの間でトップクラスの評価を受けていることは、今後の扱い強化にも直結する非常に大きな意味を持ちます。
つまり、認知は1%未満と極めて低い。満足度は90%超え、プロの評価は全国6位と極めて高い。という、この強烈なコントラストこそが、あわら市の観光の最大の特徴であり、私達が取り組むべき方向を明確に示していると考えています。
この構造を見える化したことで、ようやくどこに重点を置けばよいのか、具体的に語れるようになりました。これがファネル分析の力です。
そこで伺います。ファネル分析、人流データ、SNSデータなどを今後どのように収集分析し、観光政策のPDCAに活かしていくお考えか。
また、見えないものを見える化しながら、市内事業者や民間団体とどのように情報を共有し、観光まちづくりに発展させていくのか。
さらに、SNSや観光DXの発信、オンラインの「知る」から「現地に訪れる」へ繋ぐ動線を今後どのように強化していくのかあわせてお聞かせください。
経済産業部長 中嶋英一
議員ご指摘のとおり、「認知から興味、そして行動へ」という流れをデータで把握し、課題を見える化することは、今後の観光戦略において非常に重要です。
本市では、今回の温泉街での社会実験において、人流モニタリングツールやWEBアンケートを活用し、来訪者数や滞在時間、満足度を分析しました。加えて、SNSのフォロワー数や閲覧数など、デジタル上の反応も把握しています。さらに、SNS上では特定のテーマに「ハッシュタグ」を付けて投稿されることが多く、例えば「#芦湯」で検索すれば、芦湯の利用者の感想や来訪元など、貴重な情報を収集できます。
また、福井県観光データ分析システム、通称「FTAS」では、観光客の発地や宿泊実績、満足度などのデータが「オープンデータ」として公開されており、各旅館が経営やサービス改善に活用していると伺っております。今後は、こうしたデータを継続的に収集・分析し、観光施策のPDCAに活かしたいと考えております。
具体的には、観光協会や事業者とデータを共有し、ターゲット層に応じたプロモーションや体験プランの開発につなげてまいります。
また、オンラインでの情報発信から、宿泊予約や体験申込、現地での回遊へとスムーズにつなぐ仕組みを強化してまいります。例えば、tabiwa by WESTERなどの認知度の高い観光サイトを活用し、直接予約や体験につながる仕組みを整えます。こうした取り組みにより、認知度向上とリピート獲得を図り、データに基づく科学的な観光戦略を進めてまいりたいと考えております。
さらに、議員おっしゃるとおり「認知率の低さと満足度の高さとのコントラストの差」を埋めるためには、観光コンテンツを磨き上げ、観光誘客に対する入口を増やし、「あわら市にもう一度来たい、満足度90%」につながる仕組みも強化してまいります。
青柳篤始
ぜひ私も協力させていただきますので一緒に頑張っていきましょう。
この可視化の取り組みを誰が担い、誰が地域を動かしていくのが次の論点です。観光を地域主導で進める上で最も重要になるのは人だと感じています。
今、全国で多くの産業が人手不足に直面し、地域のイベントや事業を担う人材も限られた層に偏りつつあります。そのような中で、日本初の女性首相が誕生しました。誰もが挑戦できる社会を地方から実現する時代が始まったと強く感じています。
福井県では福井女性活躍推進企業登録制度が進められ、200社以上が登録しています。企業が主体的に女性の投与やキャリア支援を行い、働きやすく成長できる環境をつくる取り組みです。観光業を初め、地域産業にもこの動きを広げていく必要があります。
観光を支えるのは、宿泊や飲食だけではありません。農業、製造、IT、教育など、あらゆる産業が地域の魅力を作っています。その中で、若者や女性、地域の事業者が輝ける機会をどう広げていくのかが問われています。
本市でも地域食材を使った飲食店、体験プログラムの講師、学びや文化を観光に繋ぐ取り組みなどを、若者や女性の感性を活かした動きが広がっています。商工会や創業支援センターでは「観光×企業」の支援も進み、地域の新しい挑戦が生まれています。こうした芽を個人の挑戦では終わらせず、地域全体の資産として育てていくことが重要だと考えています。
そこで伺います。今後、地域主導の観光を持続するために、若い世代や女性、地域の事業者、そして起業家をどのように支援していくのか、市としてのお考えを伺います。(
経済産業部長 中嶋英一
地域主導の観光を持続させるためには、観光を担う人材の裾野を広げることが不可欠であると考えております。また、観光ガイドだけでなく、飲食や宿泊、体験プログラム、デジタル発信など、幅広い分野で人材が求められていると認識をしております。
若い世代や女性、地域事業者、起業家が観光に関わる機会を増やす取り組みとしては、温泉街の社会実験において、ポップアップショップを設けて、若い世代や女性が挑戦できる環境を整え、積極的に応援してまいりました。
この他、市民や地域の事業者や生産者が、湯のまち広場や沿道にカフェを出店したり、若者を集めたトークイベントを自主的に開催するなど、行政の呼び掛けを超える動きが生まれたと思っております。
こうした取り組みを通じて、行政が方向性を示し、地域が主体的に動きやすい土壌をつくることが重要だと考えております。さらに、このような動きを促進するための補助制度や相談体制の充実も図り、観光を「地域の力」で育てる仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。
青柳篤始
その担い手が力を発揮するためには、情報の流れと発信の導線が不可欠だと考えております。次の論点に移っていきたいと思います。
観光DXやSNSを活用した情報発信が市内でも広がりつつあります。オンラインでの発信は「知ってもらう」段階では効果を上げていますが、その先の「訪れてもらう」動線作りはまだ十分だとは言えません。SNSの投稿から宿泊予約へ、イベント情報から飲食店体験プログラムへ、そして駅や温泉街でのリアルな体験と繋がる流れを整えれば、あわらの魅力はさらに確実に伝わると思います。
私が重要だと考えるのは、情報発信には地図が必要だということです。地図とは単に場所を示すだけではなく、どこに何があり、どう動けば体験できるのかを一目で理解できる案内図のようなものです。今の発信は点在していても線で結ばれていない。目的地はわかっていてもその途中の道筋が見えない。しかし、全体を見渡せる情報の地図があれば、「ここから行ってみよう」「次はあそこに寄ろう」と自然の回遊が生まれます。
今の多くの発信は、いわば住宅地図のようなものです。一軒一軒の情報は載っていても、全体の位置は見えない。広域地図であれば、自分たちの立ち位置も目的地も一目でわかる。本来の情報発信とはその全体像を描くこと、まさに地図作りです。この地図があって初めてPESOメディア戦略が機能します。オウンドメディアを起点に、シェア、報道、広告が一つの流れとなり、街全体の情報発信力を高めます。
そこで伺います。SNSや観光DXの発信を確実に実際の来訪者や体験に繋げる情報の地図作りを今後どのように強化していくのか。
また、観光業界、民間事業者と連携しながら、データや発信内容を共有し、市全体で1枚の観光マップを描く体制をどのように築いていくのかお伺いします。
そして最後に、情報の流れが、人の流れを作り、人の流れはまちの活力をつくる、その仕組みをどのように設計していくのか、市の見解をお聞かせください。
経済産業部長 中嶋英一
観光DXの視点から、位置情報や人流データを活用し、回遊性を高める情報提供を行い、観光客が「次にどこへ行こうか」を直感的に判断できる環境を整えるため、将来的には、宿泊・飲食・体験・交通を一体的に案内できる「あわら市観光デジタルマップ」を構築してまいりたいと考えております。
この取り組みでは行政だけでなく、観光協会や民間事業者が有する情報を統合し、市全体で一枚の「観光デジタルマップ」を描く体制も構築してまいりたいと考えております。このマップの発信については、ホームページなどの公式アカウントなどを起点に、SNSや口コミなどに拡散する流れをつくり、情報の発信力を高めたいと考えています。
最後に、議員のおっしゃるとおり、情報の流れが人の流れを生み、人の流れがまちの活力をつくります。
市としましては、先ほど申し上げたようなデジタルとリアルをつなぐ仕組みを強化し、地域全体で今ほど申し上げた「情報の地図」を描きながら、観光を通じてまちの賑わいと豊かさを育ててまいりたいと考えております。
青柳篤始
こうした情報の流れは最終的に地域の経済の流れへと繋がります。観光は街に人を呼び込み、読み込むだけではなく、地域経済を動かすエンジンです。観光で生まれる消費をどれだけ地域内に還元させられるか、これがあわらの持続可能性を左右すると感じています。
観光客210万人という数字は、210万人分の経済チャンスです。その一人一人の消費が宿泊、飲食店、商店、生産者へと繋がり、地域全体に潤いを生み出す仕組みが必要です。地元食材を使ったメニュー開発、宿泊と体験を組み合わせた商品、地域ポイントとの連携、購買データの共有など観光を地域産業と結びつける工夫が求められています。
波及効果は飲食やお土産物にとどまりません。デザイン、クリエイティブ、テクノロジー、新しい仕事を生み出す可能性は非常に大きい。特に若手起業家や小規模事業者の挑戦をどう支えるかが循環を強める鍵です。さらに、入湯税は温泉地の環境衛生、泉源の保護、消防設備の整備、そして観光振興に使われる大切な財源です。
宿泊者への課税である入湯税は、地域全体の来訪者が増えれば宿泊客も増える明確な相関関係があります。市全体の観光魅力を高めることが、入湯税収の増加に繋がり、その財源が環境整備や福祉向上として街に戻る。ここで重要なのは、観光によって得られた利益が観光客だけではなく、地元住民の生活にも還元されているという点です。
公共施設が整い、防災や衛生が向上し、地域の暮らしそのものが豊かになる、その恩恵を実感できてこそ、観光は市民の誇りとして根付きます。観光で得た力をもう一度街へ戻す。その循環こそ、観光まちづくりの理想だと思います。
そこで伺います。観光による消費を地域内で循環させるため、まず地域事業者や民間の自発的な連携を市としてどのように支援していくのか。そしてあわせて、入湯税や地域ポイント制度など既存の仕組みを活かし、地元商店地元企業、若手企業家を連携しながら、稼ぐ力を地域全体で高める方針についてお聞かせください。
市長 森之嗣
観光による消費を地域経済に循環させるためには、行政の制度整備に加えまして、地域事業者や民間の主体的な連携が不可欠であると考えております。
市としましては、旅館、飲食店、農業者、食品製造業者などのマッチング機会を確保し、民間事業者が自発的につながって行う 商品・メニュー開発を支援するなど、民間事業者が主体となった動きを後押しする仕組みづくりを検討したいと考えております。
さらに、このような民間後押しの施策も含めて、観光振興による宿泊客増で得られた入湯税などの増収分を、創業支援やマーケティング支援に活用することで、地域全体で「稼ぐ力」を高める好循環につなげてまいりたいと考えているところでございます。
青柳篤始
ぜひ市長よろしくお願いしたいと思います。
以上、全ては行政主導から地域指導への転換という一本の道筋で繋がっています。観光の形は既に変わり始めています。行政が整備し、民間が使うだけの構造では対応できない時代です。求められるのは施設ではなく、街の暮らしそのものの魅力、地域の運動、人の表情、文化や日常、こうしたものが観光価値となっています。
行政が全てを設計する時代は終わりました。今必要なのは行政が旗を振ることではなく、風を起こすこと。地域が自由に挑戦するできる土壌を整えることです。
長く続いた行政に頼る発展は限界にきています。私は自分たちで生み出し、育てていく。発展へと変わらなければなりません。
星野リゾートや楽天の進出が見込まれる今、問われているのは行政主導ではなく、地域主導、民間主導、やる気主導。お金で街は育ちません。後に残るのは、自分たちで作ったものだけが残ります。
街全体にお客様が増え、笑顔や賑わいが生まれる。入湯税で街が整い、暮らしが少し楽になる。こうした循環する豊かさこそ、真の観光開発であり、この街の豊かさの象徴です。
行政が舵を切らなければ構造は変わらない。行政が任せ、地域が動き、ともに描く。その先に地域主導の観光が育っていく。私はそう信じています。
行政、観光協会、事業者、住民が一枚の地図を描くように同じ方向を向いて歩むこと。地図があって初めて戦略が生まれ、その地図を描く手は地域の中にあります。
しかし、その手を動かす覚悟を示すのは行政だけではありません。この街に暮らす全ての人が自分たちの街を良くしたいと願い、小さな一歩を踏み出すこと。その積み重ねが未来を大きく動かす力となります。そして、私はこのあわらの地で行政が変わり、地域が動き、市民が立ち上がる姿を見たい。
街を誇りに思い、誰かのせいにせず、自分たちの手で未来を作っていく人たちの笑顔、この目で見たいと思っています。そして私自身、その笑顔の場の中に自分自身が立っていたいと思っています。
これで私の一般質問を終わらさせていただきます。
