学校と保護者を繋ぐ報告・連絡・相談の利便性向上について

質問

・現在、学校と保護者との連絡ツールはスマートフォンを中心とした機器になると思うが、本市での取り組み状況及び、今後の方向性をどう考えているのか。

全文

質問者 青柳篤始

学校と保護者をつなぐ報告・連絡・相談の利便性向上についてということで質問をさせていただきます。

 現在、学校と保護者の連絡手段は、緊急連絡メール、電話、学校便りによるものなどが挙げられますが、子どもたちはGIGAスクールIT教育を実践しているのに対して、保護者との連絡ツールのデジタル化はあまり進んでいないような気がします。
 例えば、朝の欠席連絡は電話回線が混み合った状態で話し中が多いことや、緊急連絡メールについても、学校側からは連絡できるが返信は受け取ることができないといった状態が散見されます。
 保護者の中心である30代、40代のスマートフォン保有率は、30代で99.3%、40代で97.4%と、デジタル庁の調査結果で明らかにされております。これは、テレビの保有率よりも高い水準にあります。さらに、保有していない数%については、タブレットの持ち帰り学習が予定されていますので、デジタルデバイスの家庭における保有率は100%になります。

 今後、学校と家庭との連絡ツールはスマートフォンが中心になると予想されますが、あわら市における取組と今後の方向性について教えてください。

教育部長 岡田晃昌

 学校と保護者との連絡ツールについて、本市での取組状況及び今後の方向性をどう考えているのかとのご質問にお答えをさせていただきます。
 学校運営をスムーズに進めるためには、保護者との連携がとても重要なことでございます。現在、学校と保護者との連絡のツールは電話が中心ですが、そのほかにホームページや緊急用の一斉メールなどを利用し情報発信を行っております。
 電話での連絡は、直接保護者の声を聞くことができるため、学校と保護者との信頼関係を深めるためにも必要な手法でございますが、例えば、子どもが体調を崩し、保護者が朝、学校に欠席の電話連絡をする場合、時間帯が集中するために回線がつながらないといった課題がございます。
 また、学校から保護者に緊急で一斉に連絡をする必要があるときには、保護者の携帯電話やスマートフォンに電子メールを送る一斉送信システムを活用しております。このシステムは、運動会の雨天順延や臨時的な学級閉鎖のお知らせなどで活用しておりますが、学校から保護者への一方向の連絡手段となっております。
 そのため、回線がつながりにくいという課題については、スマートフォン対応の無料アプリを利用して欠席連絡を行うなど、学校ごとに工夫をして連絡や情報発信をしていますが、保護者、学校の双方が負担に感じており、改善が求められていました。
 この現状は、他の市町も同様であることから、福井県教育委員会では、保護者との連絡をスムーズにし、また、教職員の業務改善を進めるため、学校と保護者が双方向のやり取りができる専用アプリを今年度導入する運びとなりました。
 このアプリを利用すれば、保護者はスマートフォンやタブレットなどから、子どもの欠席や遅刻を時間に関係なく送信することができるようになります。さらに、送信された情報は、学校が管理している出席簿と自動連携できるようになります。

 県教育委員会はこのアプリを来年1月から利用可能とする計画であると聞いております。

 本市教育委員会としましては、学校と保護者との連携をより密にする手段といたしまして、このアプリを導入し、その普及に努めてまいりたいと考えています。

質問者 青柳篤始

 アプリを導入して改善を図られるということで、今さら電話回線を増やすなどといったアナログな計画が出なかったことは、GIGAスクールへの取組が生かされているんだなと感じました。
 ただ、アプリというのはメリットも多いのですが、致命的な欠陥があります。その致命的な欠陥というのは、全ての人が利用できるとは限らないところにあります。また、使用したくても使用できない環境にあったり、100%の利用率に達するのは困難であるという点が決定的な致命点だというふうに認識しております。
 仮に、今年度から導入が進められているこども園向けのアプリ、その利用率に、仮に同じ質問をしたとします。恐らく出てくる回答の結果は、非常に高い利用率という答えが返ってくると思います。そして、その非常に高い利用率という言葉の裏側には、100%使用していない、100%の回答にはなり得ないという回答が含まれていることになります。この100%でない、この部分は、セーフティーネット、つまり1人も取り残さないツールとはなり得ないということを意味しております。
 保護者の利便性や学校との連絡をスムーズに行うには、やはり複数のツールを用いることが必要です。アプリ、電話、ホームページ、紙によるお便り、それらのツールを複数用いることによって、今以上に、報告、連絡、相談や、学校にいる子どもたちの様子をより多く届けることにより、家庭との連携を図っていただきたいと思います。

 そこで、一つ提案があります。
 アプリ以外のデジタルツールとして、スマートフォンで情報を得ることのできる、学校側から見れば、スマートフォンに直接情報を届けるツールとして3デバイス対応のホームページ、つまり、スマートフォン、タブレット、PCで表示可能なホームページの刷新を図ってはいかがかなというふうに思います。
 ただし、この場合、子どもたちの個人情報が含まれますので、リスクコントロールが必要になります。一般向けのページと保護者向けのページのエリアを分けて、在校生の保護者がより多くの学校行事などの写真や内容を見られることができれば、より多くの情報が伝わり、学校との距離がより縮まるのではないかというふうに思います。
 しかし、ホームページを誰が管理するのかといった問題は残ります。これまでは、管理から運用まで全て学校に任せています。ですが、これは各学校によって差が生じます。精通している先生がいればいいのですが、転勤などがあるために、理想的な運用とはならないことが今後も予想されます。
 そこで、管理、一般的な学校要覧や情報の発信は市が行い、ふだんの子どもたちの様子を発信するのは、保護者限定エリアで先生が行う形での分業化を採用してはいかがかなというふうに思います。
 学校の先生はSNSを投稿するかのようにページを更新し、管理は市が一括で行うことで、この問題はより解決に近づきます。分業化することにより先生の負担も減り、また、ホームページを担当する先生以外の先生が子どもたちの様子をより多く発信できることができれば、更新頻度が上がり、より家庭と学校との距離が縮まるのではないかなというふうに思います。
 また、市が運用を行うメリットもあります。来年度から運用がされる重層的支援制度の相談窓口、理想論を語れば、利用者の一番近い場所に窓口を設置する、これが重層的支援制度の理想であり、基本だと私は認識しています。その相談窓口が保護者の一番近いところに設置することができる。
 さらに言えば、今後、AIでの相談窓口が設置されることが確実です。その場合に、一般的回答だけではなく、そこから一歩進んだ、このまちに合った回答ができるバックデータが収集できることも、市が管理を行うメリットとして挙げられます。

 岡田部長、管理という点では、一番の理想を言えば、来年度から部活動の段階的地域移行が始まります。その中で、文化部として、例えばIT部などを設置して、管理を委託するのが理想ではないかなというふうに思います。
 また、管理を委託することができれば、生徒のキャリア教育にも寄与することになると思いますが、ぜひ検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。

教育部長 岡田晃昌

 ご提案ありがとうございます。部活動の地域移行が今後段階的に進められていきます中で、新たな部の設置とその活動内容についても検討がなされていくことになります。その際には、ご提案いただきました部活動についても含めまして、検討をしてまいりたいと考えております。

質問者 青柳篤始

部活動だけではなく、ホームページも併せて検討をぜひ進めていただきたいなと思います。

 ホームページの作成に当たっては、外部委託をするのではなくて、政策広報課に初期の立ち上げを手伝ってもらうのも一つの方法だと思います。政策広報課ではスマホ教室やDXに関する勉強会など、自ら学ぼうという強い姿勢が感じ取れますので、ホームページを立ち上げることで、職員のさらなるスキルアップとキャリア形成ができる絶好の機会でもあります。政策広報課を率いる創造戦略部長、ぜひ前のめりになって協力をお願いしたいと思います。

 あわら市の教育環境は、給食費の半額補助などが大きく取り上げられていますが、そのほかにも教育委員会、子育て支援課などを中心とした福祉課でも、子どもたちのたくましい成長を願い、様々な取組を行っています。ホームページはその玄関口でもあります。重ねて早急な整備をお願いしたいと思います。

 この質問の最後に、ITの用語の中にユーザビリティーという言葉があります。利便性の向上という意味です。このユーザビリティーは見やすさ、使いやすさを意味するUIと、的確に物事を伝えるというUXで成り立っています。保護者、学校、教育委員会、福祉課、これまで以上に連携を図り、このまちに育つ子どもたちによりよい教育環境づくりに向けた整備を心からお願いして、私の一つ目の質問を終わらせていただきます。

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