猟友会の皆さまと意見交換を行って感じたこと
先日、猟友会の皆さまと「議員と語ろう会」として意見交換を行いました。
ニュースでは「クマ出没」と大きく報じられます。しかし、その裏側でどれだけの判断と準備が重ねられているのか。正直に申し上げて、私自身も知らないことが多くありました。
現場は常に緊張の中にあります。判断が遅れれば、人の命に関わる可能性もある。市の職員、警察、猟友会の皆さまは、その責任を背負って対応されています。
この重みを、軽く受け止めてはいけない。強くそう感じました。
野次馬的な関心では済まされない
クマや鳥獣被害は、「見てみたい」「どこにいるのか知りたい」という話ではありません。
現場では、
・避難の判断
・発砲の可否
・周囲の安全確認
一つひとつが重い決断です。
興味本位で近づく行為は、対応にあたる方々の命も危険にさらします。
まずは、正しく知ること。それが出発点だと感じました。
被害はクマだけではありません
あわら市の鳥獣被害は、クマだけではありません。イノシシ、そして「中獣」と呼ばれるハクビシンなどの被害もあります。
担当部署は同じでも、対象となる動物によって対応の方法は異なります。
過去にハクビシンについても記事を書きましたが、生態を知らなければ正しい対策はできません。分かりやすい対応表を改めて整理し、あらためて掲載したいと考えています。
柿の木の話
印象に残ったのは、柿の木の話でした。
甘柿でも、渋柿でも、熟して落ちれば甘くなります。直前は人が食べても美味しい状態です。熊は、それを知っています。
「渋柿だから大丈夫」ではありません。
不要果樹を放置しないこと。実は早めに収穫すること。こうした基本的な行動が、実は最も効果的な予防になります。
捕獲は最終手段です。本質は「里に近づけないこと」。里山の管理や環境整備は地味ですが、最も重要な取り組みです。
制度の壁と、これからの体制づくり
今回の意見交換で強く感じたのは、制度の重みと、その継続性の課題でした。
現在、鳥獣被害に対応するためには狩猟免許が必須です。安全管理の観点から当然の制度であり、これを簡単にするという話ではありません。
しかし現実として、専門知識と経験を持つ職員が限られているのも事実です。現在は経験を有した職員が配置されていますが、人事異動のある組織の中で、その知識が継承されていく仕組みを整える必要があります。
現場対応の質を維持し、さらに次の段階へ進めるためにも、行政職員向けの段階的な資格制度や、実務訓練を積み重ねられる仕組みづくりが必要ではないかと感じました。これは規制を緩めるという話ではありません。安全を守るための制度設計です。
知っている職員を増やすこと。経験を積める体制を整えること。それが結果として被害を未然に防ぐ力になります。緊急銃猟も大切です。しかし本当に大切なのは、緊急事態を減らす体制を整えることだと考えます。
今後、県や国とも相談しながら、こうした制度の可能性を探っていきたいと思います。
私にできること
私は、現場で捕獲にあたる立場ではありません。しかし、安全を守る思いは同じです。
現場の声を議会で共有すること。制度や体制の改善を議論すること。正しい情報を伝えること。それが、私にできる役割だと思っています。
家業で茄子を作っていますが、昨年の夏は虫の被害がひどく、本当に歯がゆい思いをしました。イノシシや中獣の被害を受ける農家の皆さんの気持ちは、決して他人事ではありません。
少しでも被害を減らしたい。そのためには、正しい情報が必要です。
市民の皆さまへ
どうか、次のことを心に留めてください。
・出没情報があっても現場に近づかない
・不要果樹を放置しない
・草刈りなど環境整備を行う
・正確な情報を確認し、過度に拡散しない
小さな行動の積み重ねが、地域の安全につながります。
語ろう会で出会う方々は、皆さん真剣です。本当に困っているからこそ、言葉が重い。その声にどう応えていくか。それが私たち議員の責任だと改めて感じました。
引き続き、現場の声を受け止めながら、一つずつ取り組んでまいります。
