質問
・あわら市のBCPについて、概要と詳細(計画と更新)
・見直しについて
・リスク対策分析表とは
要約
- BCP(事業継続計画)についての質問が行われた。
- BCPは、予期しない状況(災害、事故、システム障害、感染症流行など)に対応し、事業の継続を確保するための計画と手続き。
- あわら市もBCPを策定済み。
- 近年、予想を超える自然災害が頻繁に発生しており、BCPの重要性が高まっている。
- BCPの主な手順はリスク評価、分析、回復戦略策定、トレーニング・テスト、計画の見直し・更新。
- リスク評価と影響分析、計画の見直し・更新が特に重要。
- 職員の協力と連携が重要。
- 大企業はBCP策定率が高いが、中小企業の策定率は低い。理由はノウハウやスキル不足など。
- 市はBCP策定を支援する方針で、総務課防災安全対策室が相談窓口。
- リスク評価と管理がBCPの核。シンプルな表形式のリスク評価が効果的。
- リスク分析は他の部署でも有用。安全を守るために継続的なリスク分析が必要。
- イノベーションは日常の小さな積み重ねから生まれる。AI関連の講習会を実施し、DXに期待。
- 行財政改革とBCPは日常の積み上げを基盤に進化するものと考えている。
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記事の内容はBCPの重要性と運用方法に焦点を当て、市の取り組みや支援方針についても触れられています。
本文
質問者 青柳篤始
事業継続計画、BCPに関する質問を行います。
BCPは、災害や事故、重大なシステム障害、感染症の大流行など予期しない状態が発生した場合に、事業の継続を確保するための計画や手続を策定するものです。あわら市も平成30年1月にBCPが策定されています。
近年、予想を超える自然災害が次々と発生し、10年に一度とされる災害が毎年のように訪れているのが現状です。行政のBCPは住民の命に直結する内容で、その重要性は計り知れないものがあります。特に7月に発生した大雨の際、総務課の職員が情報収集に当たり、避難所の準備や設営に他の職員と協力し合っているのを見て、その取組を頼りに思いました。
しかし、あわら市全体が被災する場合や、職員自身が被災者となるシチュエーションも考えられます。このような状況を踏まえ、BCPの核となる部分について伺いたいと思います。
BCPの主な手順として、リスク評価、・分析、回復戦略・計画の策定、トレーニング・テスト、そして、計画の見直し・更新が挙げられます。中でも、リスク評価と影響分析、計画の見直し・更新は特に重要と考えられます。あわら市のBCP運用は、これらの点を中心にどのように進めているのでしょうか。
総務部長、江守耕一
災害など予期しない状況下において事業の継続性を確保する計画である事業継続計画(BCP)の運用方法はとのご質問にお答えいたします。
業務継続計画(BCP)は、発災時の急激な業務増加に対応するため、あらかじめ、通常業務の中から非常時優先業務を抽出し、発災直後から迅速に応急対策業務に取り組みながら、災害時における市民生活や経済活動への影響を最小限に抑えることを目指しています。
庁内の各部局においては、地域防災計画に記載された災害応急対策業務と、中断することができない通常業務を抽出し、それらの業務の開始時期について優先順位をつけています。
優先順位は、S1、S2、A、B、Cの5段階に分けられ、非常時優先業務ごとに発災後3時間以内・1日以内・3日以内・2週間以内・1か月以内の業務開始目標時間を設定しています。
発災後3時間以内に着手する非常時優先業務のS1には、家屋倒壊や道路・河川の被害状況の把握、水道施設の被害調査及び飲料水の確保、緊急輸送道路の確保などの業務が挙げられています。
また、災害時において、災害応急対策業務と非常時優先業務を遂行していくためには、必要な人的・物的資源をいち早く確保することが極めて重要です。本市では、県内外の自治体・各種事業所と災害時応援協定を締結し、災害時の協力体制や緊急時の食料その他防災資機材の供給体制の確立に努めています。
発災時には、参集できる職員も少なく、通常業務と全く異なる災害応急対策業務にも携わらなければなりません。
このため、平時の取組として、総務課防災安全対策室では、全庁の非常時優先業務を取りまとめ、各課への情報共有を図り、さらには、防災訓練などを利用し、協力体制の強化を図っております。
業務継続計画の見直しと更新については、令和2年4月に職員への新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念されたため、必要な見直しを行ったところです。
今年度は、11月に実施予定の市総合防災訓練時の職員初動対応訓練において、その実効性を確認し、見直しを行い、各課で情報共有を図り、発災時には迅速な対応が取れるよう努めてまいります。
質問者 青柳篤始
事例は年々増えています。評価と分析、対応の見直しをしっかりお願いしたいと思います。
その中で、リスク評価の際、私たちの手の届かない事象もあると考えられます。実際に、企業がBCPを策定する過程で、対応が難しい状態があります。そうした場合に、総務課への相談が適切だと思いますが、あわら市では、このような相談窓口や民間との連携について、どのような方針を持っていますか。
総務部長、江守耕一
令和元年9月に、福井県が県内の事業所を対象に実施した防災対策への取組に関する調査の結果では、県内の中小企業のBCP策定率は7.5%、一方で大企業は67.1%が策定していることが示されています。規模の大きな事業所ほど、BCPの策定が進んでいる状況がうかがえます。
BCPを策定しない理由については、策定に必要なノウハウやスキルがないためが最も多く挙げられており、次いで、自社に必要性を感じないため、BCPを策定する人的余裕がないためとなっています。
県では、BCP策定無料セミナーの開催のほか、BCPを策定した事業所に対しての融資制度などを行っています。
市といたしましては、総務課防災安全対策室にご相談いただければ、県やあわら市商工会などの関係機関と連携し、市内事業所のBCP策定を支援してまいりたいと思います。
質問者 青柳篤始
適切な支援、そして窓口をどこかということでどんどんどんどんそういった、備えあれば憂いなしなんて言葉もありますけれども、そんなことでは済まされない状況がありますので、ただ、備えだけは重要になりますので、どんどん発信をしていただいて、仲間を増やしていただきたいなというふうに思います。
現代社会では、突如として発生するリスクや災害への備えが不可欠です。コロナ感染症パンデミックはその最たる例であり、事業所は予測や準備の重要性を痛感したことだと思います。我々の想定を超える災害がいつ発生してもおかしくない世の中でもあります。備えだけは、何度も言いますが、お願いしたいと思います。
また、解決できない問題は、これまで様々な事情により、共有できなかった内容でも、他との連携で解決することも多く存在します。たとえ解決に至らなくても、ヒントとなる場合もあります。自然災害が我々の想定を超えてくるのなら、我々も、また、今までの想定を超えるような連携や協力で乗り越えていく。そうすれば、これまで不可能だったことも可能になるかもしれません。
弱点は、至らない点ではない。協力して解決すべき点であると私は思っています。行政、民間事業者、各種団体など、住民全体で、防災意識といったものを高めていけたらと思っています。
BCPの策定における核となるのは、リスク評価とその管理です。実際、BCPやISO、ISMSなどの枠組みにおいて、リスク管理とその適切な更新が行われていれば、内容の大部分は達成されると言われています。
しかし、分厚いマニュアルを全関係者に理解させるのは非現実的であることが多いです。そのため、リスク、取るべき対策、そして対策後の残存リスクをシンプルな表形式でまとめる手法が推奨されています。この視覚的に分かりやすい形式は、実際のマニュアルの基盤となり、さらに具体的な手順や対応を明記して文書として発展していきます。このアプローチは、各関係者がリスクを共有し、問題発生を予防する上で非常に効果的です。
リスク対策分析法は他の業務や部署でも適用可能であり、様々な局面でその有効性が証明されています。例えば、子育て支援課での運用例を聞いています。
様々なリスクへの対策や将来への方針決定にこの手法が役立つため、リスク分析やその更新を継続的に行い、住民サービスと住民自体の安全を守り続けることをお願いしたいと思います。
今回の一般質問では、日々の積み上げによる成果に焦点を当て、異なるアプローチでの質問を試みました。私の好きな言葉はイノベーションです。この言葉は革新的という意味を持ちますが、私はイノベーションが日々の小さな積み重ねから生まれるものだと信じています。同様に、アイデアもこの日常の努力から生まれるものです。
最近、私は、AI関連の講習会を頻繁に実施しております。市役所の方々も勤務時間外に参加していただいていることに心から感謝しています。講習会を行う背景には、日々の努力の結果として、生成AIを活用することで新しい視点や結果がもたらされるのではないかという期待があります。
今年に入り、DX(デジタルトランスフォーメーション)の考え方がトランスフォーメーションウィズデジタルへと進化しています。
私は、行財政改革やBCPが日々の積み上げを基盤にして進化するものと考えています。生成AIの活用を通じ、どのような変化や成果がもたらされるのかを楽しみにしています。そして、私自身もそのようなアプローチを続けていきたいと思っています。
最後に、市長を中心として、さらなる豊かなあわら市を目指し邁進していただくことをお願いして、私の一般質問を終わります。