企業等拠点拡充事業補助金について

質問

・企業等拠点拡充補助金の概略と利用状況
・JR芦原温泉駅、湯のまち駅周辺の新規出店者の状況

全文

質問者 青柳篤始

今回の質問は、未来をつくる投資をテーマに二つの質問と新しい提案をさせていただきます。
 確実に迎えている人口減少は避けられないのが現実です。福井県でも2045年までに25%の人口減少が予想されています。人口減少による財政上の課題は、市民が減少することによる収入が減ることで、支出を抑制せざるを得なくなり、その結果として、行政サービスの質を維持することが困難になることにあります。
 この人口減少に伴う財政上の課題に対処し、将来の財政状況を少しでも改善するためには、あわら市の最も大きな収入源を守る必要があります。それは法人からの収入です。あわら市は製造業のまちです。恐らく収入の4割以上が法人からの収入であることが予測されます。
 この法人からの法人市民税や固定資産税といった収入は、人口減少の直接的な影響を受けにくい収入であり、これは人口減少に対するあわら市の強みであるとも考えられます。
 市の収入の内訳については、別の機会に詳しく検討する予定ですが、このあわら市の強みをさらに伸ばす投資が地域色を生かした最も効果的な人口減少対策だと信じ、一般質問を行わせていただきます。
 それでは、企業等拠点拡充事業補助金について質問をさせていただきます。
 今年度より、従来の企業立地助成金では対象とならない業種や施設を助成することにより、市内事業者の事業拡大、市外企業の進出促進を狙って、企業等拠点拡充事業補助金を創設したと思いますが、その概略と利用状況をご説明ください。

経済産業部長、中嶋英一

市内企業等拠点拡充事業補助金の概略と利用状況についてお答えします。
 本事業は、全国的に企業の地方移転の動きが進む中、市外企業の新たな立地を促すとともに、市内企業の事業拡充に向けた設備投資を促進することを目的とするものです。
 補助内容としましては、市内全域において、市外から市内へ事務棟や研究所、研修所などの本社機能の移転を行う市外事業者に対して、補助率20%、上限1億円を補助するもの、それと、工場や物流施設、旅館や飲食サービス業の施設の新設または増設を行う市内事業者に対して、補助率10%、上限2,000万円を補助する内容となっております。
 従来の企業誘致補助金では、進出先を工業団地等に限定し、かつ業種も製造業など六つの業種に限定しているのに対し、今回のこの補助金は、進出先と対象業種の制限をなくすことで、既存の補助制度では対象外となっていた工業団地等以外への進出や小売業や飲食サービス業といった様々な業種の事業拡大を補助対象とできることが最大の特徴となっています。
 利用状況といたしましては、現在、この補助金に対し2件の問合せがございます。そのうち1件は市外企業からのものでございます。

質問者 青柳篤始

2件の問合せ、ぜひ、事業拡大をこのあわらの地で行ってくださいますよう私からもお願い申し上げます。やはり制限を撤廃した、この部分が一番大きい部分だろうと思います。
 再質問なんですけれども、さらなる利用拡大、進出促進に向けて、広報が必要になると思われますが、今現在の広報の方法と、さらなる利用拡大に向けた策は何か持っていますか。

経済産業部長、中嶋英一

補助金の広報についてお答えをいたします。
 従来の市の広報誌、ホームページ、SNS、メールサービスへの掲載に加えまして、市外企業への働きとしては、金融機関への情報提供に加え、新聞等のメディアの積極的な活用を考えております。
 また、市内企業に対しては、令和元年以来発行している企業等魅力紹介ガイドブック「BRIDGE」掲載企業へのメール等による直接広報を考えております。BRIDGE」掲載企業は、市内企業の中でも継続的に一定の雇用がある企業であり、設備投資も期待できることから、ここへの直接的な働きかけは効果的であると考えております。

質問者 青柳篤始

 あわら市内の企業にはメール等を使って直接広報を行うということで、1件でも多くこの補助金を活用していただいて事業拡大をお願いしていただきたいと思います。
 私も何件か話を伺っています。ぜひ分かりやすい資料等で説明をしていただきますようお願い申し上げます。
 また、頭にあると思いますが、商工会は企業と密接な関係、窓口業務を行っております。利用者の中では、あわら市商工会は非常に評価が高いということもありますので、窓口としての役割、さらなる努力をお願いしていただきますようお願い申し上げます。
 本社移転等は、私も県内外の企業を訪問する機会が多いですので、積極的な営業、靴底を減らす営業を私も試みたいと思います。
 ぜひ新しく発足した副市長を中心とした情報戦略チームでは、相手が何を求めているのか、相手に何を届けたら次の扉を開いてくれるのかをしっかり検討していただいて、助けとなるような情報発信を行っていただきますようお願い申し上げます。
 この助成金に対する説明を私も3月の議会のときに受けたのですが、条件面の部分で少し質問させていただきます。


 現状で労働者不足が深刻な状況にあります。
 新規雇用の規定が条件だと考えられますが、労働者不足のため、あわら市内だけでは新規雇用者を確保するのは現実的に厳しい状況があります。実際に新規募集を行った業者にヒアリングを行った結果、市内での応募がゼロという企業もあり、採用したくても採用できないのが現状です。また、労働基準法やその他の法令でも、居住地を限定した採用は認められていないという現実もあります。
 このような状況からも分かるように、せっかく拡充したのに採用の障壁を設けるのは得策ではないと考えられますが、市内企業の採用状況を把握し、新規雇用の条件について教えていただけると幸いです。
 また、労働者不足の問題を解決するには、市外からの応募者や移住者への対応など、柔軟な採用方針が必要となりますが、市では、この課題に対してどのような支援策や取組を行っているのか、具体的に教えてください。

経済産業部長、中嶋英一

 市内企業の採用状況と本補助制度の新規雇用の条件についてお答えをさせていただきます。
 市内企業の採用状況につきましては、複数の市内企業にヒアリングを行ったところ、今年度10人以上の新規雇用をしているあわら市内企業においては、新規雇用者の中であわら市民が最も少ないという結果となったと聞いております。
 そこで新規雇用者の要件について、当初予算説明時には市外から市内への本社機能の移転に対しては市内在住の新規雇用者5名、市内事業者の新設や増設に対しては市内在住の新規雇用者3名という条件でございましたが、補助金の雇用要件の緩和を再検討し、できるだけ早く施行したいと考えております。
 検討の方針といたしましては、必要な新規雇用人数を減らし、市内在住者だけでなく市外在住者の雇用でも要件を満たすようにしたいと考えております。
 また、新規雇用の条件についての考え方ですが、フルタイムの従業員でなくても対象としたいと考えております。
 続きまして、市外からの移住者や応募者を企業が雇用する上での支援策についてお答えをします。
 市では、市外から転入した社員に借家やアパートを貸し付けて雇用する市内企業を支援することを目的とした勤労者定住促進事業補助金を平成19年から実施をしております。
 本補助制度は、企業が借家、アパートを賃借し、社員に有償または無償で貸し付けた場合、社員1人につき月額1万円を企業に対して交付するものです。交付限度は交付対象社員1人につき36月分までとなっています。利用状況につきましては、令和4年度の実績では2社、7人という状況であります。
 今後とも企業へのヒアリングや経済懇談会を通して企業とも協議をしながら、市に一人でも多く住んでもらえるような施策を検討していきたいと考えているところです。

質問者 青柳篤始

 状況を把握することは制度の柔軟さや利用のしやすさにつながります。企業訪問、市内も当然ですが、市外にも出かけて行き、いち早く実態、状況をキャッチできるよう努めていただきたいと思います。
 また、改善すべき部分はなるべく早くではなく、一刻も早くお願いします。
 また、空き家対策にも確率の高い有効策になりますので、積極的な情報提供ができる仕組みを構築していただきますようお願いします。


 次の質問に移ります。
 この助成金は、駅前の商店進出にも有効だと考えますが、JR芦原温泉駅、湯のまち駅周辺の新規出店者の状況をお聞かせ

経済産業部長、中嶋英一

 JR芦原温泉駅及び湯のまち駅周辺の新規出店者の状況についてお答えいたします。
 まず、JR芦原温泉駅周辺においては、令和3年から令和4年にかけて、洋食店やおにぎり専門店など飲食店が3店舗開店しております。そのうち1店舗は自己資金で、2店舗が県の補助制度を活用して、空き店舗を改修したものでございます。
 続いて、湯のまち駅周辺においては、今年度に入って市の補助制度を活用し焼き鳥店が開店をしております。また、パン屋3店舗の出店が予定されています。いずれも空き旅館や空き店舗を利用した開業となります。
 また、令和5年度において、市の商業エリア空き店舗・空き家改修事業補助金を募集したところ、芦原温泉駅周辺で1件、湯のまち駅周辺でも1件の応募がある状況でございます。
 今後、新幹線県内延伸に向けて、1店舗でも多く開業店舗を増やし、まちの活性化を図りたいと考えております。

質問者 青柳篤始

 新しい店舗、非常にわくわくするような店舗ができますことを心から私も願っています。
 ただ、新規出店は困難な状況であることも同時に理解しています。駅前周辺に商業施設が増えることでマーケットの拡大や、複数店舗によるシナジーが生まれ、新たな出店機会が増えることも予想されますので、ぜひとも頑張っていただきたいなと、私も含めて頑張っていきたいなというふうに思います。
 この新規出店、私の印象ではスタートアップが多いような感じがします。スタートアップの初期段階での主な課題は、資金、信用、不安の三つです。自治体が支援する場合、資金支援に関しては、各自治体が似たような対応をしていると思います。
 信用については、公共施設内に事務所を置くことで、行政の支援を受けているという社会的信用にもつながります。
 また、不安面では、市には中小企業診断士や会計士などの専門家との連携チャンネルがあり、幕開けなど提供可能なコンテンツもつくりやすい環境にあります。このようなチャンネルやコンテンツをいつでも利用できる状態にすることで、雑談やミーティング、セミナーなどを通じて、不安を解消できる可能性は高まります。また、若い職員もスタートアップ支援には興味を持っており、有効活用できるのではないかなというふうに思っています。
 飲食店や一般の店舗だけではなく、製造業のまちという強みを生かした独自の創業支援も可能です。既存の企業ネットワークを活用しながら、スタートアップにファンドを提供するなどの取組を行うことで、企業の強みをさらに伸ばし、強力な産業基盤を構築することができれば、これによりあわら市の財政基盤も向上することが期待できます。
 以上のようなアプローチにより、三つの不安を解消する創業支援を提案して、私の一つ目の質問を終わらせていただきたいと思います。

YouTube

YouTube
第116回あわら市議会定例会(2日目/一般質問) 00:02 開議の宣告00:28 日程第 1 会議録署名議員の指名00:51 日程第 2 一般質問└01:52 木下議員   └01:19 中学校部活動の地域移行について   └23:35 不登校対策...

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次