北陸技術交流テクノフェア2025|福祉と防災をつなぐテクノロジーの力

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北陸技術交流テクノフェア2025を訪れて

今年も北陸技術交流テクノフェアを訪れ、さまざまな分野の技術展示を拝見しました。
福祉、環境、ものづくり、情報通信など、多様な企業や団体が新しい取り組みを紹介しており、地域の産業力と研究力を感じる貴重な機会となりました。

その中でも、特に印象に残ったのが「ウェルビーイングテクノロジー展」と「カーボンニュートラルテック展」です。
どちらも、これからのまちづくりに欠かせないテーマであり、あわら市の未来を考える上でも多くのヒントを得ることができました。

ウェルビーイングテクノロジー展

「ウェルビーイング」とは、身体的・精神的・社会的に満たされた幸福な状態を意味します。
この展示では、誰もが安心して暮らせる社会を支える最新の技術が紹介されており、福祉や地域医療、防災など、“人の生活”に寄り添った内容が印象的でした。

高齢者や障がいのある方の生活を支えるスマートケア、災害時の安全を確保する減災技術、日常の健康を見守る次世代医療など、現場の課題に直結する技術が多く展示されていました。
福祉の未来像を体験できる場として、非常に意義深いものでした。

中でも目を引いたのが、DIC株式会社による「全方位マルチコプター」です。
球体の形状をしており、そもそも転倒しない構造になっています。
全方向に自在に移動でき、地面を転がりながらも安定して活動を続けられるという、これまでにない発想の防災技術でした。

担当の方とも名刺交換をさせていただき、「あわら市でも連携できないか」とお話しをしました。
「中央省庁でのデモは行ったが、自治体との取り組みはこれから」とのことで、地域での活用にも関心を示しておられました。

さらにこの機体に防水機能を加えることで、下水道の点検などにも活用が可能とのこと。
事故を未然に防ぎ、市民の皆さんが安心して生活できる環境づくりにつながると感じました。

技術は確実に進化しています。
まさに、“福祉と防災がテクノロジーでつながる未来”を感じる時間でした。

カーボンニュートラルテック展

続いて印象に残ったのは、カーボンニュートラルテック展です。
地球環境と産業の両立を目指す多くの展示が並ぶ中で、特に関心を持ったのは福井大学のブースでした。

太陽光パネルで稼働する無人観測装置を紹介しており、気温や湿度を自動で測定し、リアルタイムでデータを送信する仕組みを実演していました。
すでにカンボジアにも設置され、現地のデータが画面に映し出されていました。
センサーを交換するだけで、二酸化炭素濃度や風速など、さまざまな項目を計測できるとのことです。

この仕組みを活かせば、北潟湖の自然環境データを継続的に観測したり、道路脇に設置して交通量や排出ガスのリアルタイム分析を行うこともできます。
地域の環境変化を「見える化」する、まさに未来のまちづくりの基盤技術です。

そして何より心を打たれたのは、これらの研究に取り組んでいるのが大学院生であったこと。
「データを集めて何が変わるのか」と思われる方もいるかもしれませんが、“見えなかったものが見えるようになる”ことこそ、次の一歩を生み出す原動力だと感じました。
福井の若い研究者たちが挑戦する姿に、地域の未来の可能性を見ました。

あわら市へのヒント

展示会というのは、ただ新しい技術を知るだけの場ではありません。
自分たちのまちに何が足りていて、何が足りないのか。
それを静かに見つめ直す時間でもあります。

今回も多くの気づきをいただきました。
今後もこうした機会を通じて学びを深め、あわら市の福祉や環境政策に活かせる技術提案を続けていきたいと思います。

技術は進化し、人の暮らしも変わっていきます。
その変化をまちの力に変えていく——
そんな取り組みを、これからも一歩ずつ進めていきたいと思います。

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