質問
・Aキューブ活用の方向性について
・Aキューブ活用の提案
全文
質問者 青柳篤始
3月定例会において、aキューブの耐震調査費用が計上されました。そのとき、産業建設教育常任委員会において、様々な話が上がったと思います。その際、私は、改築に限定するのではなく、あらゆる可能性を検討する意味で方向性を限定せずに、改築、新築、民間売却を含めて検討するよう発言しましたが、どのような検討がされていますか。
市長、森 之嗣
aキューブの活用に係る検討状況についてお答えをいたします。
まず、令和5年度当初予算で計上させていただいた耐震診断業務について、状況を報告させていただきます。
aキューブの活用を検討するに当たり、既存の建物を改修する場合は、耐震や基礎の安全性を確認する必要があることから、当初予算で業務委託料200万円を計上させていただきました。
新年度に入り、耐震診断業務委託の発注の準備に取りかかったところ、aキューブの前身であった倉庫の基礎の強度を確認するためには、基礎を割り、鉄筋の太さやスパンを調べるなど構造を調査した上で、基礎の図面を一から作成する必要があることが判明いたしました。
この基礎の調査は、軀体に負担をかける調査手法で、しかも多大な調査・設計費を要するものであります。
このような状況から、aキューブは耐震診断そのものが容易でない建物であり、耐震診断が不可欠である既存の軀体や基礎を利用した改修に明らかに適さない建物であると判断いたしました。よって、費用対効果の観点から耐震診断は現在実施していないところであります。
一方、aキューブの活用策について、議会から抜本的に活用方法を見直し、もっと思い切った投資するべきとの意見を受けたことに加え、アフレア内にカフェレストランの出店も決定するなど、状況も変化しております。
そこで、3月定例会のときにお示しさせていただきました、市が費用をかけてキューブ1と2をつなげレストラン機能を拡充する計画は中止させていただき、改めて検討しようという結論に至りました。
検討の方向性としては、令和6年3月に新幹線芦原温泉駅が開業し、今後の駅前にさらなるにぎわい創出が求められている中、現在のaキューブを活用した、今以上のにぎわい創出には限界があります。
そこで、周辺商店街等の状況を適切に把握した上で、aキューブ部分に真に必要な機能は何かを検討したいと考えております。
計画検討の際には、建物の解体も視野に入れながら、民間活力の導入も検討したいと考えております。
また、様々な切り口で検討を行いたいため、サウンディング型市場調査やアドバイザーの活用など、民間の専門家等の知見を取り入れさせていただきたいと考えております。
スケジュールとしましては、今年度中に構想を考え、議会にご相談させていただき、令和6年度に設計に入り、令和7年度のできるだけ早い時期に形にしたいと考えております。
つきましては、今後、常任委員会でもご相談させていただき、お認めいただけるなら、耐震診断業務の予算200万円を計画検討の費用とさせていただきたいので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
質問者 青柳篤始
ぜひ様々な角度から検討していただきたいというふうに思います。
私もaキューブについて一つ提案をさせていただきます。
それは、中学生や高校生が集まる交流スペースをつくることを提案いたします。
最近特に、家や学校以外での居場所づくりが話題になっています。4月に発足したこども家庭庁でも重要な政策の一つとなり、こども基本法の中にも明記されています。
子どもたちをめぐる問題が複雑化する中、学校や家庭以外で、いつでも安心して過ごせる場所をつくる必要があり、こども家庭庁は有識者による検討会で議論を進めています。年内にも、居場所づくりについて指針を策定する方針です。
このような現状を把握するため、私は複数の施設や自治体を視察しました。実際そこで目にしたのは、学校や家庭にない独自のコミュニティが存在していることでした。大学生のボランティアや地域の人々の協力、そして中学生や高校生たちが自主的に参加し、実際にリアルな交流を楽しんでいる様子が印象的でした。まるで毎日や学校祭の準備をしているような雰囲気でした。
視察した施設では、実際に利用登録されている生徒さんの数も対象学生の5分の1を上回るそうで、施設は朝9時から夜9時まで開放されているため、放課後に利用するだけではなく、昼の時間帯には本来対象外の不登校の学生さんたちも利用しているとのことでした。
このような子どもの居場所づくりについて、市ではどのように考えていますか。
市長、森 之嗣
市内の中高生に関しましては、生徒の多くが学校の部活動に加入しており、中学生については、9割以上の生徒が加入し、放課後の受皿になっております。
しかし、中高生が、部活動以外に自主的で自由な交流を楽しむコミュニティの場は十分でないかもしれません。
今年4月に設置されましたこども家庭庁は、子どもの居場所づくりを新しい政策課題と捉え、年内には子どもの居場所づくりに関する指針を策定する計画です。
引き続き、国の動向を注視しながら、aキューブにつきましても、さきに答弁申し上げたとおり、その整備の在り方を民間の方々と一緒に検討したいと考えております。
議員ご提案の中高生の交流スペースとしての機能についても、その中でしっかり考えてまいりたいと考えております。
質問者 青柳篤始
ぜひそれを検討して、検討の一つの材料として話を前に進めていただけたらなというふうに思います。
じゃ、なぜこういうスペースが駅前に必要だと私が言うかというと、それは学校と家庭との間に位置する場所だからです。つまり、子どもたちが自ら通える場所でなければ、何の意味も持たない施設になってしまいます。
実際に近くのアフレアを見ていると、中学生や高校生の数が多く、友達同士で勉強したり、お弁当を食べたり、楽しそうに話している姿があふれています。これは本当の意味でのにぎわいであり、ふだんここに住んでいる人々が集まる様子にほほ笑ましく感じています。
また、学生が多く集まるスペースを駅前につくることによって、にぎわいだけではなく、新たな市場を生み出します。通常、学割といえば定価より割引をして販売するイメージがありますが、学生は情報発信が非常に上手であり、学生向けの商品開発にもつながります。
また、新たな市場を創造することができます。例えば、学生が飲食店やカフェを利用する際、学生向けの特典や割引を提供することで、学生の利用を促進することができます。さらに、学生たちが自らアイデアを出し、学生向けの商品やサービスを開発する場を提供することで、新しい市場が形成される可能性があります。
学生たちはトレンドに敏感であり、新しい商品や体験に興味を持ちますので、駅前の居場所がそのような創造的な活動の場となることが期待されます。
また、駅前に居場所をつくることで、子どもたちの安心や安全も考慮されます。駅周辺には人通りが多く、交通の利便も高いため、子どもたちが1人で行き来することも比較的安全です。
また、駅前には警察や駅員などの安全確保のための施設や設備も整っているため、緊急時にも迅速な対応が期待できます。
総じて駅前に居場所をつくることは、子どもたちの成長や交流の場を提供することだけではなく、新たな市場の創出や地域の活性化にもつながると考えられます。
私は、子どもたちが安心して過ごせる駅前の居場所づくりに積極的に取り組むことで、地域全体の魅力向上や子育て環境の充実に寄与できるのだと考え、1階はカフェ、2階、3階は交流スペースのような複合施設を提案いたします。国や県の力を借りながら新しいモデルケースにすることで、財政の助けともなることでしょう。
今をつくる投資も必要ですが、未来をつくる投資はもっと重要です。新幹線開業までに何かを行うことよりも、新幹線をきっかけに、この先の未来を前進させることのほうが重要だと私は主張して、私の一般質問をこれで終わります。