「今日、食べるものがない」に応えるために あわら市のフードバンクを地域で支える
先日の例会では、あわら市社会福祉協議会の皆さんから、**「フードドライブについて―現状とあわら市社協の取り組み」**をテーマにお話を伺いました。
フードバンクと聞くと、家庭や企業で余った食品を集め、必要な方へ届ける活動を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、今回のお話を伺って感じたのは、フードバンクは単に食品を配る活動ではないということです。
「今日、食べるものがない」
そのような切実な相談にすぐに応え、その後の生活を立て直すための支援へつなげる。フードバンクは、地域の暮らしを支える大切な入り口になっています。

フードドライブとフードバンク
フードドライブとは、家庭や企業などで食べる予定のない食品を持ち寄り、必要としている方のために役立てる活動です。
一方、フードバンクは、寄付された食品を一定期間保管し、相談に来られた方の状況に応じて届ける仕組みです。
あわら市社会福祉協議会では以前から、生活に困っている方へ食料を渡す支援を行っていました。
平成28年の社会福祉大会をきっかけにフードドライブを正式に開始し、現在では食品を継続的に集め、保管し、必要な方へ提供する仕組みが整えられています。
約10年間で295世帯を支援
平成28年8月から令和8年7月までに寄付された食品は、
お米が4,072キログラム、その他の食品が1万2,140点です。
そのうち、これまでに、
お米3,787キログラム、その他の食品1万1,831点が提供されました。
支援を受けた世帯は、延べ295世帯に上ります。
支援世帯の約6割は一人暮らしですが、高齢者だけとは限りません。
病気や失業、収入の減少などによって、30代や40代を含む働く世代が支援を必要とすることもあります。
そのほかにも、ひとり親家庭や、80代の親と50代の子どもが生活上の課題を抱える、いわゆる「8050家庭」など、さまざまな事情を抱えた世帯があります。
生活の困りごとは、外から見ただけでは分からないことがあります。
誰にでも起こり得ることとして、地域全体で理解する必要があると感じました。
特に必要とされている食品
フードバンクでは、お米、乾麺、レトルト食品、缶詰、飲料、お菓子、調味料など、さまざまな食品を受け入れています。
中でも特に必要とされているのは、調理の負担が少なく、すぐに食べられる食品です。
例えば、
- お米
- レトルトカレー
- 丼物などのレトルト食品
- パックご飯
- カップ麺
- 缶詰
などです。
夏休みに一人で留守番をしている子どもでも準備しやすく、ガスや水道が十分に使えない状況でも食べられる食品には、多くの要望があります。
米の価格が高騰した時期には希望が急増し、一人当たりに提供する量を制限しなければならないほど、在庫が少なくなったこともあったそうです。
そのような中、農家の方が販売できるお米を、
「困っている方に使ってほしい」
と届けてくださったことも紹介されました。
一人ひとりの協力が、地域の誰かの暮らしを支えています。
食品を寄付するときに確認したいこと
どのような食品でも、同じように活用できるわけではありません。
食品を提供する際には、
- 未開封であること
- 常温で保存できること
- 賞味期限がおおむね1か月以上残っていること
- 多くの方が利用しやすい食品であること
が大切です。
珍しい食品や好みが大きく分かれるものは、届ける相手がなかなか見つからない場合もあります。
せっかくの善意を確実に役立てるためにも、食品を持ち込む前に、現在どのような食品が必要とされているかを確認していただくとよいと思います。
食料の先にある生活の立て直し
今回の講演で特に印象に残ったのは、食品を渡すことは支援の終わりではなく、生活を立て直すための始まりだということです。
相談に来られる方の中には、食料だけでなく、
「電気や水道、ガスが止まりそう」
「病院へ行くための交通費がない」
「就職活動や行政への連絡に必要な電話が使えなくなる」
といった問題を抱えている方もいます。
そこで、あわら市社会福祉協議会では、ライフラインが止まりそうな場合や、通院などの交通費が必要な場合に支援する**「緊急生活援助事業」**も行っています。
また、児童扶養手当を受給している世帯の子どもを対象に、学校生活に必要な体操服などの購入費を支援する**「体操服購入費助成事業」**も実施しています。
食品の寄付だけでなく、寄付金による支援も重要です。
寄付金があれば、不足している食品を購入したり、一人ひとりの事情に応じた支援につなげたりすることができます。
支援を受けることを恥ずかしいことにしない
病気や失業、家庭環境の変化などによって、生活が苦しくなることは誰にでも起こり得ます。
困ったときに助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。
支援する側と支援される側に分けるのではなく、一時的に支えが必要な方を地域全体で支え、その方が再び自分らしい生活を取り戻せるように後押しする。
そうした理解を広げていくことも大切だと思います。
できる範囲の協力から
家庭にある一つのレトルト食品や、一袋のお米が、誰かの生活を支えることがあります。
農家や企業、団体による食品の提供や寄付金は、さらに多くの方への継続的な支援につながります。
家庭で食べる予定のない食品を提供すること。
企業や団体でフードドライブを行うこと。
活動を周囲の方に伝えること。
協力の方法は一つではありません。
フードバンクは、余った食品を処分するための活動ではなく、食べ物を通して、人が再び生活を立て直すことを支える活動です。
今回の講演で学んだことを多くの方に知っていただき、それぞれが無理のない範囲で地域の支え合いに参加していただければと思います。
フードバンクへのお問い合わせ
食品の寄付やフードドライブへの協力、寄付金などについては、あわら市社会福祉協議会へお問い合わせください。
社会福祉法人 あわら市社会福祉協議会
電話:0776-73-2253
メール:ホームページから問い合わせ
受付時間:平日 午前9時~午後5時
住所:〒919-0621 福井県あわら市市姫二丁目31番6号
公式ホームページのメールフォームからも問い合わせができます。
寄付できる食品や、現在特に必要とされているものは、時期によって変わる場合があります。食品を持ち込む前に、電話やメールなどで確認していただくと、必要な方へより確実に届けることができます。



