あわら市内の防災倉庫を確認し、担当者から備蓄や設備について話を伺いました。今回確認した倉庫では、物資が整理されている様子を見ることができました。
備蓄は、必要な量を確保したうえで、災害時に届けて使える状態にしておくことが重要です。
この記事でいう「最適化」は、備蓄量を減らすことではありません。配置・保管・運搬・配布・使用・補充・訓練まで含めて考えます。
以下では、今回の現場確認で得た気づき、市・国の公表資料、私自身の考えを分けて整理します。一つの倉庫で見た様子だけで、市全体の備蓄量や災害対応の十分さを判断するものではありません。
あわら市の備蓄はどこにあるのか
2025年12月1日現在の市公表資料では、毛布、間仕切り、段ボールベッド、トイレ関連品、発電機、投光器などを、市内24カ所の指定避難所にある防災資機材格納庫と、旧芦原庁舎の防災資機材倉庫に配置しています。
市の案内ページは、食料や飲料水を旧芦原庁舎に備蓄する理由として、期限管理や被災状況に応じた配給を挙げています。一方、同じ基準日の備蓄一覧PDFには、500mlの保存水を各避難所に24本ずつ配置する記載もあります。品目によって集中備蓄と分散配置の状況が異なるため、配置は一覧とあわせて確認する必要があります。
同資料に掲載された主な数量は次のとおりです。いずれも2025年12月1日現在の公表値で、記事更新時点の在庫を保証するものではありません。
- 食料:アルファー米4,876食などを旧芦原庁舎の倉庫に配置。
- 保存水:500mlは合計4,848本(各避難所24本、旧芦原庁舎4,272本)。2Lは1,773本を旧芦原庁舎に配置。
- トイレ関連:汚物袋49,375袋、凝固剤49,375個、簡易トイレ185。これらは各避難所と旧芦原庁舎に配置。汚物袋・凝固シートセット7,000は旧芦原庁舎に配置。
- 毛布:合計1,671枚、段ボールベッド:合計82。施設別の配置数は一覧に記載。
- 間仕切り:段ボール製H1100は497セット、H1800は29セット、パイプ製H1800・4区画は25セット、ポップアップパーテーションは397。種類ごとの配置は一覧に記載。
- 発電機:合計30(各避難所1、旧芦原庁舎6)。投光機セット:合計49。
- そのほか、工場扇57、災害多人数用救急箱66、折りたたみ担架68、給水用ポリ容器(15L)981などを掲載。
数量だけでは、何人に何日分対応できるかは判断できません。想定する災害、避難者数、物資の用途、更新状況とあわせて確認していきます。
あわら市「災害時の備蓄物資を公開します」で配置・数量・基準日を確認する
支援物資は「3日以内に避難所へ届く」とは限らない
国の「大規模地震・津波災害応急対策対処方針」(2025年6月30日)では、発災後3日間は家庭等と被災自治体の備蓄で対応することを想定しています。国のプッシュ型支援は、必要な物資が遅くとも発災後3日目までに、被災都道府県の広域物資輸送拠点へ届くよう調整する計画です。
これは、3日以内にすべての避難所や避難者へ物資が届くという保証ではありません。
物資を届ける流れには、広域物資輸送拠点から地域内輸送拠点を経て避難所へ運び、避難者へ配布する段階があります。状況によっては避難所へ直接輸送する場合もありますが、道路の寸断、車両や人手の不足、地域の孤立などが支障になる可能性があります。
外部からの支援を受ける準備と、支援が届くまで必要な物資を確保する備えを、あわせて考える必要があります。
国「大規模地震・津波災害応急対策対処方針」(PDF・本文52、55ページ)を読む
災害時に役立つ「使える備蓄」とは
私は、必要量の確保を土台に、次の点まで確認できる備蓄が大切だと考えます。
- 必要量と配置:誰に、何を、どれだけ、どこへ備えるか。
- 保管と取り出し:どこに何があり、すぐ持ち出せるか。
- 運搬と配布:誰が、どの車両・経路で運び、必要な人へどう渡すか。
- 期限管理と補充:使用期限や状態を点検し、使用後や更新時に必要量へ戻せるか。
- 設備操作と訓練:誰が操作でき、停電や断水の中でも安全に使用できるか。
備蓄食品を訓練等で活用し、必要量を維持しながら補充するローリングストックの考え方も、期限管理や使い方の確認に役立ちます。ただし、行政の備蓄でどのように実施しているかは、管理方法や補充の仕組みとあわせて確認する必要があります。
現場で確認した資機材
今回確認した倉庫では、物資が整理されている様子を見ました。この観察と、市全体の在庫・配置・操作訓練の評価は分けて考えています。
現場では担当者から、発電機の燃料方式の変更や、ソーラーパネル・蓄電池の整備について説明を受けました。ただし、対象施設や年度、購入・設置・運用開始の段階は、今回確認できた資料では特定できていません。導入済み・稼働済みとは断定せず、今後確認します。
今後は、設備の種類や容量だけでなく、供給する機器、使用できる時間、操作担当、燃料・充電の確保、点検や操作訓練まで確認したいと考えています。
避難所生活を支えるのは食料と水だけではない
避難所では、食料や飲料水とともに、トイレ、衛生、休息、暑さ・寒さへの対応、プライバシーの確保も重要です。高齢者、乳幼児、障がいのある方など、それぞれの状況に応じた準備が必要になります。
トイレは、設置数だけでなく、断水時の使用方法、便袋や凝固剤、照明、手洗い、使用後の保管・回収まで含めて確認する必要があります。毛布、ベッド、間仕切りなども、必要な人が使えるよう設置・配布する体制が大切です。
私が考える備蓄配置の視点
私は、備蓄の配置を考える際に「ハザード×想定避難者数×孤立リスク」という3つの視点を組み合わせることが大切だと考えます。これは私自身が整理した考え方であり、市の公式な算定式ではありません。
- ハザード:洪水、土砂災害、地震など、その地域で想定される災害。
- 想定避難者数:避難所や周辺地域で支援が必要になる人数。
- 孤立リスク:道路寸断などで支援物資が届きにくくなる可能性。
必要量を確保したうえで、倉庫や避難所の被災リスク、支援を受けるまでの時間、在宅避難者への配布も踏まえ、どこへどう配置するかを考えたいと思います。

今後確認していくこと
- 最新の備蓄量と、想定する避難者数・必要量との関係
- 物資の配置と、倉庫・避難所が被災した場合の代替手段
- 使用期限の管理、更新、使用後の補充
- 搬送・仕分け・配布まで含む訓練
- 発電機や蓄電池等の整備状況と操作訓練
- 孤立地域への輸送手段と、支援が届くまでの備え
- トイレ・衛生用品や、多様な避難者に必要な物資
- 在宅避難者への情報提供と物資配布
備蓄の改善は、必要な量を確保したうえで、必要な人へ届け、実際に使える状態にしておくことです。現場での確認と公表資料の照合を重ね、市民の命と生活を守る備えにつなげていきます。

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