防災減災特別委員会・委員長就任報告|あわら市の防災力を前へ進めるために

目次

◆ はじめに──委員長就任の裏側

今期、あわら市議会では「人口減少対策特別委員会」と「防災減災特別委員会」の二つが設置されました。
通常、特別委員会は明確な課題があって立ち上がるものですが、今回は議長の意向で設置された委員会でした。

どちらも極めて重要なテーマです。

しかし私は迷わず 防災減災特別委員会 を選びました。

人口減少対策は1期目から取り組んできたテーマであり、学び方の型もある程度は確立しています。一方、防災減災は常に変化し、更新が必要な分野で、何より政治家の本分である

「市民の生命と財産を守る」

その使命と最も直結しています。

この委員会は本来“結果を残さなければならない委員会”であると感じ、委員長を引き受けました。

◆ 経験が背中を押した──現場で感じた“命の重さ”

これまで全国の自治体で防災拠点や危機管理の仕組みを視察し、
多くの現場の声を聞いてきました。

どこに行っても共通していたのは、

「知っていれば守れる命がある」

という重い事実です。

被災地で聞いた言葉、担当者の苦悩、災害後の混乱の経験談。
それらすべてが胸に残っていました。

防災減災に向き合うという今回の決断は、こうした“現場で受け取った教訓”が支えになっています。

◆ 市民の声が教えてくれたこと

市民の皆さんからも、近年防災に関する相談や不安の声が増えていました。

・「夜の避難は本当に怖い」
・「高齢の家族をどう守ればいいのか」
・「豪雪の時、移動ができなかった」
・「避難所の環境をもっと良くしてほしい」

こうした“生の声”は、行政の資料には現れにくいものです。

市民の不安に正面から向き合うこと。
その重要性をあらためて感じ、この委員会を前へ進める覚悟が固まりました。

◆ 最初の壁──“本質から遠い議論”を変える

正直に言えば、これまでの委員会は「本質に届いていない」と感じる場面もありました。
課題があって立ち上がった委員会ではなかったため、方向性が曖昧だったのです。

今回は違います。

委員長就任の際、私は
「結果を残す委員会にする」
と明言しました。

とはいえ、防災減災はあまりにも広い。

・何から手をつけるのか
・情報をどう整理するか
・最終的にどんな結論に導くのか

委員長としての最初の壁は“議論の軸づくり”でした。

悩んだ末に立ち返った原点は、

「知っていれば助かることがある」

という、とてもシンプルで、本質的な言葉でした。

委員会全体の方向性を、この“備えの更新”という視点で決めました。

◆ 委員会の流れを変える“地図”──マインドマップづくり

方針が決まった次に必要だったのは、
委員一人ひとりの経験や知識を引き出すための“共通の地図”でした。

そこで作ったのが、

■ 「防災減災マインドマップ(共通フレーム)」

膨大な要素をすべて洗い出し、構造化し、
しかし あえて完成させない 形にしました。

理由はシンプルです。

これは議論を深めるための素材の宝庫でなければいけない。
完成資料ではなく、“委員の能力を引き出すための地図”であるべきだ。

防災減災の全体像を視覚化し、委員それぞれが
「自分の得意分野はここだ」
と見つけられるようにしたのです。

深夜まで何度も並べ替えながら作り上げたこの地図が、委員会の根幹となりました。

◆ 7名の得意分野を最大限に活かす仕組み

委員会には7名の議員がいます。
誰ひとり同じ得意分野ではありません。

だから私は、

■ 全員が同じことを調べる方式をやめ、得意分野ごとに深掘りする“分野別アプローチ”に変更しました。

この方式は、委員一人ひとりが主役になれる仕組みです。
提案が受け入れられるか不安でしたが、
委員の皆さんは本当に真剣に向き合ってくださり、議論が格段に深まりました。

そして今回、委員会に新たな仕組みを加えました。

■ 年4回の定例会ごとに、研究成果を発表することを制度化

年4回の定例会に合わせて、各委員が担当分野の調査成果を発表する流れをつくりました。

これにより、

・議論が継続的に深まる
・市民にも行政にもアウトプットを届けられる
・委員が成長し、委員会の学びが蓄積される
・防災意識が定例会ごとに更新される

“動き続ける委員会”が実現しました。

◆ 危機管理課を“対等な委員”に──連携の裏側

もう一つ大切にしたのは 危機管理課との連携 です。

通常はオブザーバーとして参加しますが、私はあえて“委員と対等の立場”で関わっていただくようお願いしました。

理由は明確で、専門家の知見なしに防災減災は前に進まないからです。

しかし裏側には心配もありました。

・答えられない質問が出たら職員に負担がかかるのでは
・心理的なプレッシャーにならないか

だからこそ、私は繰り返し伝えました。

「これは追及の場ではありません。
学び、共有し、次につなげる場です。」

危機管理課の参加により、委員会はより現実的な議論ができるチームになりました。

◆ 委員長として見えた景色──感謝と覚悟

委員会がスタートすると、委員それぞれの強みが生き、研究成果が年4回の定例会で発表され、議論が立体的に広がっていくのを実感しています。

私は委員長として、
「まとめる」「つなぐ」「形にする」
という役割を担っています。

重圧はあります。
しかし同時に、この委員会を前に進められる喜びも感じています。

そして何より、
委員一人ひとりの姿勢と努力に、心から感謝しています。

◆ 1年後に目指す姿

防災減災は“終わりのない取り組み”です。
しかし、1年後にはこう言える委員会にしたいと思っています。

「あわら市の防災力を、一歩確実に前へ進めた」

派手な成果でなくていい。
小さくても確実な前進を積み重ねる。
その積み重ねが、市民の命と暮らしを守る力になります。

◆ 市民の皆さまへ

防災は
知ることで強くなり、
学び続けることで進化し、
備えを更新することで命を守るもの。

我々防災減災特別委員会は、委員、行政、市民の皆さまと共に、“災害後も行政と地域が動き続けるまち” を目指して取り組みを進めていきます。

年4回の定例会の中で、研究成果を発表し続け、あわら市の防災力を着実にアップデートしてまいります。

これからも誠実に、丁寧に前へ進んでいきます。

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