あわら市の地域活性化――人が動き、人がつながるまちへ
人が動けば、まちは生きる
地域のにぎわいは、イベントや観光資源だけで生まれるものではありません。
**「また来たい」「ここにいたい」**と思える気持ちを育て、人の流れをつくることが、活性化の原点だと私は考えています。
駅前に人が立ち止まる仕掛け、夜のまちに灯る安心感、
そして、地域の自然や歴史を活かした催し――。
“人の気持ちに寄り添った地域づくり”が、これからのあわら市には求められています。
芦原温泉駅の活性化は「まちの顔づくり」
北陸新幹線の開業に伴い、芦原温泉駅はまちの玄関口として大きく注目されるようになりました。
そして私も多くの方から、「駅前をもっと活性化してほしい」「お店を呼んできてほしい」と言われてきました。
しかし、新幹線が来たからといって駅前が急ににぎわうわけではありません。
あわら市は車社会であり、駅を中心とした都市開発は非常に難しい現実があります。
これはあわら市に限らず、全国の地方都市に共通する構造的な課題です。
つまり、「駅前にお店が自然に集まる」ことは、残念ながら現実的ではありません。
では、どうすればいいのか。
私がたどり着いた一つのキーワードが、**「人の流れ」**です。
人の流れが生まれれば、そこに関心を持つお店も増える。
そう考え、私は「駅前に人が集まる仕組みづくり」に挑戦するようになりました。
その中で出会ったのが、「音楽」という誰もが共感しやすい表現手段です。
音楽を軸に、人が自然と集まり、笑顔が生まれる仕組みを仲間とともにつくっているのが、あわらサンドボックス という活動です。
この取り組みは、月に一度の開催を基本とし、単発ではなく継続的に「駅前ににぎわいを育てる」仕組みを目指しています。
「人の流れ」は簡単には生まれません。しかし、仕組みと仲間があれば育てていくことはできる――その信念で、私はこれからも駅前の未来に挑んでいきます。
夜のまちにも、もう一度人の流れを
活性化とは、昼だけのものではありません。
夜のまちが明るく、安心で、楽しく過ごせる場所であること。
それは、地元に暮らす人にとっても、観光で訪れる人にとっても、大切な地域の魅力の一つです。
私はこれまで、夜のイベントや音楽ライブ、カフェや飲食店との連携企画などを通して、
“夜のまちにもう一度、歩く理由”をつくる取り組みを続けてきました。
これからも、若い世代が足を運びたくなるような仕掛けや空間づくりを進めていきます。
波松で見えた「地域資源」の力
今年からスタートした波松での自転車大会には、多くの方々が関わってくださいました。
観客も選手も、その迫力に息をのみました。
自然にできた丘陵地の地形を活かしたコースは、まさに“自然の恵み”そのものです。
風、地形、海――そのどれもが、地域の宝。
この土地にしかない環境が、人を惹きつけ、心を動かす力を持っていると、改めて実感しました。
地域資源は、使い方次第で無限の可能性を持っています。
私は、こうした場所を舞台に、地元の方とともに新たな物語をつくり、まちの魅力を引き出す取り組みを続けていきます。
まちの空気を、あたためる
人が歩き、声を交わし、笑顔が交わる場所――。
地域の活性化とは、**“まちの空気をあたためること”**だと私は思っています。
数字や経済効果だけでは測れない、
誰かにとっての「またここに来たい」が重なるまちを、私はあわら市で育てていきます。