嶺北あわら消防署を視察|「知っている」と「経験している」は違う。防災訓練で学んだこと

地域を守る人たちから学んだこと

目次

― 「知っている」と「経験している」は違う ―

減災・防災対策特別委員会で、嶺北あわら消防署を訪問し、施設見学や救助訓練の見学、そして屋内消火栓を使った初期消火訓練を体験してきました。

消防署へ到着すると、消防車や救急車が整然と並び、消防職員の皆さんが笑顔で迎えてくださいました。

普段は火災や救急、災害現場でお会いすることが多い消防職員の皆さんですが、この日は施設を案内しながら、一つひとつ丁寧に説明してくださいました。

私も消防署を見学する機会はこれまでに何度かありました。

それでも今回ほど、「消防の仕事」を身近に感じたことはありませんでした。

施設を見学している時は、

「なるほど。」

「こういう仕組みになっているのか。」

そんなふうに理解したつもりでいました。

しかし、その後の体験訓練で、その考えは大きく変わることになります。

まず最初に消防署長からご挨拶をいただきました。

「市民の尊い命と貴重な財産を火災から守るため、消防署職員全員が一丸となって取り組んでいきます。」

そして最後には、

「消防だけでは地域の安全は守れません。地域の皆さんの協力が何よりの力になります。」

という言葉がありました。

視察を終えた今、この言葉の意味を以前より深く感じています。

24時間365日、市民を守る消防署

最初に庁舎内を案内していただきました。

現在の消防署は平成25年から運用されている建物で、太陽光発電や雨水利用など、環境にも配慮された施設です。

しかし、私が印象に残ったのは建物ではありませんでした。

そこにある「備え」です。

消防署では24時間勤務する隊員が交代で署内に待機し、火災や救急、救助要請に備えています。

仮眠室や食堂、シャワー室も、その勤務を支えるための設備です。

シャワーも一人ずつ交代で利用し、いつ出動命令が出ても対応できるよう工夫されているそうです。

出動準備室では、防火服や装備が一瞬で身に着けられるよう整理され、ズボンと長靴が一体となった状態で準備されていました。

災害モニターには、現場の位置や消火栓、防火水槽、出動車両などの情報が瞬時に表示されます。

私たちは普段、「数十秒」を意識して生活することはありません。

しかし、災害現場では、その数十秒が命を左右することもあります。

設備の一つひとつは、その数十秒を縮めるための工夫でした。

消防車や救急車は確かに格好いい。

でも、本当にすごいと思ったのは、その車を扱う人たちと、その人たちを支える日々の準備でした。

〈写真キャプション例〉

  • ▲ 出動準備室。一秒でも早く現場へ向かうための工夫が随所にありました。
  • ▲ 災害情報モニター。現場の状況を瞬時に把握し、出動につなげます。
  • ▲ 仮眠室や食堂も、24時間勤務を支える大切な設備です。

日々の訓練が地域の安全を支える

施設見学の後は、消防団や救助隊の訓練について説明を受けました。

あわら市消防団第3分団は、福井県消防操法大会で優勝し、10月31日に開催される全国消防操法大会へ出場されます。

その裏には、週5日にも及ぶ練習があったと伺いました。

また、この日は救助隊が翌日に京都で開催される東近畿地区救助技術指導会へ向けた訓練を行っていました。

建物と建物の間に張られたロープを使い、要救助者を救出する訓練です。

隊員同士が大きな声で確認し合い、一つひとつの動作を丁寧に合わせながら進めていきます。

見学している私たちにも、その緊張感が伝わってきました。

本番では失敗が許されません。

だからこそ、同じ動きを何度も繰り返し、体が自然に動くまで訓練を積み重ねているのだと思います。

結果だけを見ると「県大会優勝」「全国大会出場」という言葉だけで終わってしまいます。

しかし、その裏側には、毎日の積み重ねがあります。

その積み重ねが、私たちの安心につながっていることを改めて実感しました。

実際に体験して初めて分かったこと

そして今回、私自身も屋内消火栓を使った初期消火訓練を体験しました。

説明を聞くだけでは、

「こうやるのか。」

で終わります。

しかし、実際にホースを持ち、放水してみると、その印象は大きく変わりました。

訓練なので落ち着いて行うことができました。

でも、終わった後に思ったのです。

「本当の火災でも、同じように動けるだろうか。」

煙が立ち込め、炎が上がり、周囲が慌ただしくなっている状況。

そんな中で冷静にホースを伸ばし、放水できるだろうか。

正直に言えば、私は消火よりも先に避難する判断をすると思います。

だからこそ、消防署の方が何度も繰り返し話されていた、

「まず周囲へ知らせること。」

という言葉が強く心に残りました。

大きな声で知らせる。

安全が確保できる場合は初期消火を行う。

そして危険を感じたら、ためらわず避難する。

頭では知っていたことでした。

でも、実際に体験したことで、その意味を以前より深く理解できた気がします。

「知っている」と「経験している」は違う

今回の視察で、一番心に残ったことがあります。

それは、

「知っていること」と「経験していること」は、大きく違う。

ということです。

防災訓練は、上手に消火できるようになるためだけのものではありません。

いざという時、自分がどう動くのか。

何を優先するのか。

そのことを、一度でも経験しておくことに意味があります。

説明を聞くだけでは分からなかったことが、体験することで初めて見えてきました。

そして、その経験は、いざという時の行動を変えてくれるのだと思います。

地域の安全は、みんなで守るもの

見学の最後に担当者の方が、

「地域の安全・安心を守るためには、消防だけではなく、地域の皆さんの協力が必要です。」

と話されていました。

消防職員の皆さんは24時間体制で備え、消防団の皆さんは仕事をしながら訓練を重ねています。

その努力の上に、私たちの日常があります。

そして今回、もう一つ印象に残ったことがあります。

それは、消防職員の皆さんの人柄です。

訓練では真剣そのものですが、施設見学や説明では終始笑顔で迎えてくださり、私たちの質問にも一つひとつ丁寧に答えてくださいました。

私は委員会活動や地域の防災訓練などで消防職員の皆さんとお会いする機会がありますが、いつも礼儀正しく、それでいて気さくに声を掛けてくださいます。

現場では厳しく、普段は親しみやすい。

そのメリハリが、地域の皆さんから信頼される理由なのだろうと感じました。

防災は消防だけに任せるものではありません。

家庭で備蓄を確認すること。

避難場所を知っておくこと。

地域の防災訓練に参加してみること。

その一つひとつが、地域全体の力になります。

今回の体験を通して私自身が感じたのは、

「経験は、自分の行動を変える。」

ということでした。

知識は本やインターネットから学ぶことができます。

しかし、自分で体験したことは、いざという時の判断や行動につながります。

だからこそ、防災訓練には大きな意味があるのだと改めて感じました。

まずは、地域の防災訓練を見に来ませんか

早速ですが、8月2日午前6時30分から北潟湖で消防総合訓練が開催されます。

消防職員や消防団、自主防災組織など、多くの関係者が参加する実践的な訓練です。

朝早い時間ではありますが、地域を守る皆さんが日頃どのような訓練を重ねているのかを知ることができる貴重な機会です。

ぜひ多くの市民の皆さんに足を運んでいただき、防災を「知る」だけでなく、「感じる」きっかけにしていただければと思います。

半日にわたり、丁寧に案内し、多くのことを教えてくださった嶺北あわら消防署の皆さん、本当にありがとうございました。

皆さんの真剣な姿勢と温かい人柄に触れ、多くの学びをいただきました。

これからも学び続け、その学びを少しでも市民の皆さんへ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

▲ 視察を終えて。嶺北あわら消防署の皆さん、貴重なお時間と多くの学びを、本当にありがとうございました。

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