バッテリーを、ごみに混ぜないでください|清掃センターの現場から考える、ごみ処理を止めないために
先日、あわら市笹岡にある清掃センターを視察しました。
以前にもこの施設を訪れ、ごみ処理の仕組みや施設の役割について紹介しています。
今回、改めて現場を見て、どうしても市民の皆さんにお伝えしておきたいことがあります。
それは、
モバイルバッテリーや充電式電池などを、燃えるごみなどに絶対に混ぜないでください。
ということです。
小さなバッテリー一つでも、処理の途中で発火すれば、大きな火災や設備の故障につながる可能性があります。
今回の視察では、普段ごみを出しているだけではなかなか見えない「その先」を、改めて見ることができました。

私たちが出したごみの、その先
家庭などから運び込まれた燃えるごみは、すぐに焼却炉へ入るわけではありません。
まず「ごみピット」と呼ばれる大きな場所に一時的に貯められます。
実際に上から見ると、その量に圧倒されます。
一つひとつの家庭から出るごみはそれほど多く感じなくても、地域全体から集まれば、これだけの量になります。
そして、このごみをそのまま焼却するわけでもありません。
ピット内では、大きなクレーンでごみを持ち上げ、混ぜる作業が行われています。
これは「攪拌(かくはん)」と呼ばれる作業で、ごみの状態をできるだけ均一にし、燃焼効率を高めるために行われています。
私たちがごみ袋を出した後にも、こうした工程があります。

ピットの中で煙が上がることもある
今回、現場で話を伺う中で、特に気になったことがありました。
このごみピットの中で、煙が上がることがあるそうです。
その都度、異変を確認し、必要な消火対応が行われています。
焼却施設は24時間稼働しており、職員の皆さんが施設の状態を監視しています。そのため、こうした異変にも気付き、対応することができます。
しかし、一歩間違えば大きな火災につながりかねません。
特に注意しなければならないのが、リチウムイオン電池などの充電式バッテリーです。
モバイルバッテリーだけではありません。現在では、さまざまな製品に充電式電池が使われています。
こうしたバッテリーが通常のごみに混ざり、収集や処理、そしてピット内での攪拌などの過程で強い衝撃や圧力が加われば、発熱や発火につながる危険があります。
笹岡の施設でも、過去にバッテリーが原因とみられる火災が発生しています。
「小さいものだから大丈夫だろう」では済まない問題です。
大量のごみの中から、一つのバッテリーを見つけるのは難しい
家庭では、小さなバッテリー一つです。
しかし、その一つが大量のごみの中に入ってしまえば、職員の方が見つけることは簡単ではありません。
今回、実際にごみピットを見て、そのことを強く感じました。
これだけの量のごみの中から、一つのバッテリーを探し出すことは現実的ではありません。
だから、清掃センターに届いてからではなく、私たちがごみを出す段階で正しく分別することが大切です。
ごみを安全に処理するための最初の工程は、それぞれの家庭から始まっています。

ごみ処理施設が止まるということ
今回の視察では、施設を安定して動かし続けることの重要性についても考えさせられました。
清掃センターでは過去に、設備の故障によってごみ処理に影響が出た時期があります。
その際には、処理できない不燃ごみや粗大ごみなどを一時的に仮置きする対応が取られ、大量のごみが積み上がる状況となりました。
現在、この状況は改善されています。
なお、この設備故障と、バッテリーによる発火や火災は別の問題です。
ただ、現場を見ていると一つ共通して感じることがあります。
ごみ処理施設が安定して動き続けることは、決して当たり前ではないということです。
設備にトラブルが起きれば、処理できなくなったごみをどこに置くのか、どのように処理を続けるのかという問題も出てきます。
普段はあまり意識することがありませんが、ごみ処理も道路や水道などと同じように、私たちの生活を支えている大切なインフラです。
少し気を付けることで、減らせる費用がある
もし、誤って混入したバッテリーなどによって火災や設備の損傷が起きれば、消火や復旧、場合によっては設備の修理が必要になります。
当然、そこには費用がかかります。
みなさんが少し気を付けることで、本来必要のなかった修理や対応を減らすことができます。
そうした小さな積み重ねが、限られたお金を、より必要なところへ使うことにもつながります。
一つのバッテリーを正しく分別する。
本当に小さなことです。
でも、それを多くの人が続ければ、大きな違いになります。
ごみの分別は、単なる「ごみ出しのルール」ではありません。
現場を見ると、その意味がよく分かります。

すでに、皆さんの協力が施設を支えています
そして今回、もう一つ知っていただきたいことがあります。
笹岡のごみ焼却施設では、現在、燃焼を補助するために重油を追加して燃やす運転を行っていないとのことでした。
これも、市民の皆さんが日頃からごみの分別に協力し、適切な状態でごみを出していることが、安定した焼却につながっているからだと伺いました。
つまり、私たちが普段何気なく行っている分別は、すでに清掃センターの運転を支えています。
「もっと分別してください」とお願いするだけではなく、これまで続けてきた皆さんの協力が、現場で結果につながっていることも知っていただきたいと思います。
その上で、もう一つだけお願いします。
バッテリーは、ごみに混ぜないでください
今回の記事で一番お伝えしたいことは、これです。
モバイルバッテリーや充電式電池などを、燃えるごみなどに絶対に混ぜないでください。
「これくらいなら大丈夫だろう」
その一つが、大量のごみの中に入ります。
そして、そのごみはクレーンで攪拌され、さまざまな設備を通って処理されていきます。
その過程でバッテリーに強い力が加われば、発火する危険があります。
以前の記事では、あわら市でのバッテリーや電池の処分方法について詳しく紹介しています。
処分方法が分からない場合は、通常のごみに入れてしまう前に、ぜひ一度確認してください。
関連記事:バッテリーの適切な処分方法について
あわら市でのバッテリーの適切な処分方法

※処分方法は変更される場合がありますので、実際に処分される際には、あわら市の最新の案内もご確認ください。
ごみを出した後にも、人がいる
私たちは、ごみ袋を決められた場所に出したところで、ごみ処理が終わったように感じてしまいます。
でも、その先があります。
ごみを収集する人がいて、清掃センターへ運ばれ、大きな設備を動かし、24時間その状態を見守っている人がいます。
今回、実際にごみピットを見て、改めて感じました。
ごみ処理は、行政や清掃センターだけで行っているものではありません。
ごみを出す私たちも、その仕組みの一部です。
正しく分別する。
バッテリーを混ぜない。
ほんの少し気を付ける。
それが、火災を防ぎ、設備を守り、余計な支出を減らし、安定したごみ処理を続けていくことにつながります。
これからも、普段はなかなか見ることのできない現場を実際に見ながら、そこで何が起きているのか、そして私たちの暮らしとどうつながっているのかを、市民の皆さんにできるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
適正なごみの分別に、引き続きご協力をお願いします。



