子どもの遊び場は、単に遊具を設置するだけの施設ではありません。
子どもたちが安心して遊べることはもちろん、保護者が安心して過ごせること、地域との交流が生まれること、そして子育て世代に「あわら市で暮らしたい」と思ってもらえるきっかけになることも、大切な役割だと考えています。
今回の一般質問では、施設整備だけでなく、その先の「使われ続ける施設づくり」という視点から、市の考えを伺いました。
なぜこの質問をしたのか
令和9年度、あわら市庁舎に新たな子どもの遊び場が誕生します。
今回の一般質問では、この新施設が持つ可能性と、完成後も進化を続けていくために必要な視点について議論しました。
「建てたら終わり、作ったら終わり」ではなく、どうすればこの場所が “育つ” のか。
そのために最も大切なのは、まちの声、そして利用者の声を拾い続けることだと私は考えています。
良いものを大切にしながら、柔軟に進化を続けていくこと。
利用者を増やし、実態を知り、新しいアイディアはすぐに試して、必要な改善を重ねていく。そうした前向きな姿勢こそが、施設を育て、そしてまち全体を動かしていく原動力になるはずです。
さらに、こうした子どもを中心にした施設整備は、これまでになかった新しいニーズを創出し、放課後児童クラブや子育て制度を見直すきっかけにもなります。
制度も施設も生き物です。実態や時代に応じて運用を見直し、継続的に育てていくことで、かかわる人や地域に価値を与え続けることができます。
実際に、あわら市に引っ越してきたご家族から、他市との違いや、この地を選んだ理由を伺う機会がありました。
「迷いもあったけれど、親のすすめでこの地に決めた」というその言葉には、地域への期待と、ほんの少しの不安がにじんでいました。
こうした “生の声” に耳を傾けながら、制度や施設を柔軟に育てていくこと。
それが、「選ばれるまち・育てられるまち・愛されるまち」につながると、私は信じています。
質問
・子どもの遊び場に計画されている子どもの遊び場および子育て支援センターの整備に関し、施設の概要
・北潟湖や農業体験など周辺資源と組み合わせた地域連携の可能性や、広報・集客に関する展望を問う。
・保護者や地域住民が関わりやすい空間設計や機能づくり
・図書館との連携などを含めた複合的な施設展開の可能性、スクラップアンドビルド的視点に基づく柔軟な制度・運用の見直しの必要性について
概要
令和9年度に整備予定の「子どもの遊び場・子育て支援拠点」について一般質問を行いました。
施設の概要や運営方法に加え、地域資源との連携、保護者が利用しやすい環境づくり、図書館との連携、そして利用者の声を反映しながら施設や制度を柔軟に見直していく考え方について質問・提案しました。

本文
青柳篤始
議長のお許しを得ましたので、2番、青柳篤始の一般質問を行います。一問一答方式にてお願いいたします。今回からディスプレイを用いてプレゼン的な方式をとって、一般質問を務めさせていただきたいと思っています。
まず、最初に子どもの遊び場について質問させていただきます。
令和9年、芦原庁舎の3階に新たな子どもの遊び場が計画されています。この施設には子育て支援センターも併設されることで、未就学児から小学生までを対象とした、一貫性のある支援体制が期待されるところです。
子どもたちが安全に伸び伸びと遊び、保護者にとって安心できる環境。そして、市民にとって日常的に利用したくなる場所となるためには、整備の段階から多角的な視点が必要だと考えています。
この点を踏まえて質問させていただきます。
まず、この計画の現時点での全体像について、改めて確認させていただきたいと思います。
施設の広さや構造、屋内外のゾーニングの考え方、そして年齢別の利用区分、例えば、未就学児向けのスペース、小学生以上のスペースがどのように分けられているのか。また、想定している対象の年齢層や利用者の見込み、年間または月間の目標来場者数についても、現時点での試算があればお示しください。
施設の運営主体はどこになるのか、さらに利用料金の有無、あるいは設定がある場合の考え方についてもお聞かせいただけますでしょうか。
健康福祉部長、中道佐和子
本市における全天候型の子どもの遊び場ですが、3階建ての複合福祉施設の3階部分、約960平方メートルを利用するという方針のもと、整備に対する基本計画を策定しております。
おおむね3歳から小学校中学年程度を想定し、ゾーニングや遊びの利用区分を設定しております。3歳程度までの子どもに対しましては、2階の子育て支援センターに遊びの要素を強化することで、異なる年齢の子どもがいる家庭でも利用しやすい場所とする計画です。また、天気の良い日は、これまで利用していない平屋部分の屋上も利活用を考えております。
本施設の利用者見込みにつきましては、基本設計に基づく最大収容人数を259人と想定し、曜日や時間帯ごとの利用傾向を踏まえまして5万人程度を目標としております。
具体的な積み上げとしましては、開設時間を仮に午前9時から午後5時までとした上で、休日においては利用者が多いと想定される時間帯午前11時から午後3時までにつきましては、利用率を40%、一日2回転と仮定し、年間104日で約2万2,000人の利用を見込んでおります。
また、午前9時から11時及び午後3時から5時の時間帯につきましては、利用率を20%とし、同様に年間約1万1,000人の利用を想定しております。
一方、平日につきましては利用率を5%、一日1回転と仮定し、年間156日で約4,000人の利用を見込んでおります。
なお、支援センターにおける令和6年度の年間利用者数は約1万2,000人となっており、それらを合わせた数値となっております。
運営形態につきましては、指定管理もしくは業務委託を想定しておりますが、どういった事業者が受託可能なのか、どの程度まで委託することができるかなど精査し、検討してまいります。
施設の利用料金につきましては、災害部分は有料とした上で、市民は無料とすることを検討しておりますが、近隣の類似施設を参考にし、ランニングコスト等を加味し決定したいと考えております。
青柳篤始
利用者数のこと計算されているということで、可視化も進んでるんだなと。ただ、評価する仕組みっていうのも早い段階のうちから整えていただきたいなというふうに思います。こうした計画の核となる部分を明確にすることで、次の議論につなげていきたいと思っています。
施設の整備そのものに加えて、私がもう一つ重視したいのは、実際に足を運んでいただける仕組み、つまり利用促進の視点です。市内の子育て世代にとって行ってみたい場所になることはもちろんのことですが、将来的には市外からの来訪も視野に入れた展開が重要になってくると考えています。
本市には北潟湖という自然環境もあり、足湯、また農業体験や季節の収穫体験といった地域資源も存在しています。こうした要素と子どもの遊び場を組み合わせることで、例えば自然と触れ合う一日体験や、親子で楽しむ複合イベントなど、より滞在型、交流型の魅力を高められるのではないでしょうか。
また、遠足や利用団体を取り込むための予約体制や、雨天でも安心して過ごせる全天候型の構造はPRの強みとして打ち出せるはずです。
さらに、広報戦略としてLINEやインスタグラムなどのSNS活用、また、市外向けの子育て応援クーポン制度などを組み合わせていくことも考えられます。
こうした人の流れを作る仕掛けについて、現時点での取組や今後の展望をお聞かせください。
市長、森 之嗣
実際に足を運んでもらう人の流れをどう作り出すかというご質問にお答えをいたします。施設の整備にあたっては、ここにしかない選ばれる遊び場を目指し、年齢に応じたゾーニングやフォトスポットなどを楽しめる仕掛けを多数取り入れる予定であり、完成後も継続的なブラッシュアップを図っていきたいと思います。
しかしながら、先ほど申し上げた目標人数を達成し、さらに多くの人に訪れてもらうためには、市内の観光施設や農業体験施設など、既存の魅力あるコンテンツとの相乗効果が不可欠であると考えているため、事業を展開している方々が、この施設をどのように活用できるといいかなど、さまざまな意見を聞きながら、多くの事業者に利用を検討してもらえるような仕組みや周知方法を考えていきたいと思います。
例えば、観光の際の隙間時間を満喫できるような街歩きと遊びをテーマにしたモデルコースや、道の駅やアフレアやあそぼっさといった、さまざまな施設との連携、農産物の収穫体験を展開する農家やスイーツ店などが調理を要するような企画の際は、キッチンスペースを利用していただくといったことも可能だと考えております。
ぜひ民間の方々の専門的なアイデアや、魅力ある連携方法などを提案していただき、活力ある施設にしていきたいと考えておりますので、この場を借りてではございますが、皆様のお力添えをお願いしたいと思います。
広報面では、SNSの活用や地域活性化企業人の力を借りるとともに、子どもが自ら行ってみたいと感じられるような、好奇心を引き出す周知を図ってまいりたいと考えております。
青柳篤始
協力をお願いするということですが、私の方からもぜひ周辺、色んな施設、お店、そういったところの協力をお願いしたいと思っています。実は、できるまでのワクワク感というのが新しいアイデアを生むっていうこともありますので、こういったものはなるべく早く周辺の施設、お店なんかに情報を提供してですね、一緒になって考えていっていただけたらいいんじゃないかなというふうに思います。
子どもの遊び場を訪れるのは、当然ながら子どもだけではありません。その多くは保護者やご家族と一緒に訪れることになります。したがって、この施設が子どもにとって楽しい場所であると同時に、保護者にとっても行きたくなる場所であることが、継続的な利用の鍵になると考えます。
例えば、気軽に休めるカフェスペースや読み聞かせができる図書コーナー、あるいは親子で簡単な軽食を取れるキッチンカーの活用など、保護者がリラックスして過ごせる空間づくりも重要なのではないでしょうか。
また、支援センターが併設されるということで、子育てに関する悩みや疑問をちょっとしたタイミングで相談できるような身近な相談の場として、機能を期待されています。こうした保護者目線での価値観向上について、主としてどのように捉えているのか。そして、地域の人やボランティアやイベントを通じて関われるような地域参加型の仕組みを含め、どのような設計をしていくのかお考えをお聞かせください。
市長、森 之嗣
本施設の整備におきましては、単なる遊び場の整備ではなく、子育て支援拠点のリニューアルと考えております。すでに実施している子育て支援センターでの子育て講座などとも連携し、子どもたちが自由に楽しく遊べる施設を目指してまいりたいと思っております。
さらに、保護者にとって頼りがいがあり、日々の子育ての慌ただしさから解放され、リラックスできる場所になることを目指しております。そのため、読み聞かせできる図書コーナーや子どもを見守りながら、くつろげる休憩スペースなども設置する予定です。
また、敷地南東側交差点付近には、約2,800平方メートルの広場部分がございますので、地域の方やひいては温泉利用客などが散策ポイントとして、来てみたくなるような、例えば、地元のキッチンカーの乗り入れ等ができるような、スペースの造成など敷地全体を活用した魅力的な場所となるよう、外構整備ができないかを検討しているところでございます。
子育て支援拠点の横にこういった場所を設けることで、子育てが終わった方々などにおきましても子育て真っただなかの世代と交流が生まれ、地域と子育てをするという機運が醸成されていけばと願っているところでございます。
ここで過ごす時間が、保護者にとって明日への活力となり、また明日からの子育てを頑張ろうと思えるような、そんな素敵な時間を提供できる施設となるように、検討してまいりたいと思っております。
青柳篤始
ぜひ素敵な施設を作っていただきたいなというふうに思います。
ただ、こうした子どもを中心とした施設は完成して終わりではなく、使われて育てられて地域に根付いていくものだと考えています。子どもの遊び場も、保護者のニーズも、そして地域全体の価値観も時代とともに変わっていきます。
その変化を前向きに受け止め、必要に応じてゾーニングや機能を柔軟に見直し、いわばスクラップアンドビルドの考え方で、計画的かつ創造的に進化させていくことが、真に市民に必要とされる施設づくりにつながるのだと信じています。
その一例として、老朽化した図書館があります。今年度、空調設備の更新が予定されていますが、もし今後こうした既存施設を新たな子ども施設と一体化させるような形で再構築できれば、本という資産を生かしながら、子どもから大人まで、幅広い世代が利用できる拠点づくりにもつながります。
最近ではおしゃべりオッケー、飲食オーケーなど、従来の図書館の常識を覆すような進化型の図書館が各地で注目を集めています。新しい建物を作ることが理想かもしれませんが、実は新しいアイデアを加えることはいつでもできます。
例えば、入りきれない蔵書を波松図書館の屋上に移動して、夕日が見える図書館にしてみる。そこに海に関する書籍を集めて展示すれば、あわら市に海があるという新たなPRにもつながります。そうした柔軟な発想が次のまちの可能性を磨く鍵になるのではないでしょうか。
そして、こうした発想は単なる施設整備にとどまらず、放課後児童クラブや子育て支援制度など、子どもに関わる仕組み全体を見直すきっかけにもなります。建てて終わりではなく、使って育てて、また見直していく、その循環こそが進み続けたいまちの原動力だと思います。
条例や制度は守るためにだけにあるのではなく、実態に応じて見直すことによって生きた制度となり、まちの進化を支えるはずです。
先日、あわら市に小学校入学を機に引っ越してきたご家族とお話しする機会がありました。
迷いはあったが、親の勧めでこの地を選んだと話してくれました。そして、他市との違いについて貴重なご意見も伺いました。こうした声に敏感であり続けること。利用者の声に丁寧に耳を傾け、制度や施設を柔軟に進化させていくこと。それが選ばれるまち、育てるまち、愛されるまちを作る鍵になると信じています。
今はまだ足りない部分があるかもしれません。それでも前向きに、そして柔軟に仕掛けていくあわら市であり続けてほしいとそう願っております。
