教育現場における心のケアについて

                                 

質問

・多様性を尊重する時代に入り、「心のケア」が重要とされていますが、あわら市でのサポート体制はどのようになっていますか?また、課題の見つけ方、解決策はどのような体制になっていますか?

全文

質問者 青柳篤始

学校の現場は、多様性を尊重する時代に入り、子どもたちの感性や感覚がますます成長しています。そんな中、学校の問題はいじめだと単純化してきた時代から、複雑化の一途をたどり、心のケアが何より大切な時代に変わってきています。
 これは、いじめはないと主張していた時代に比べて、あらゆる可能性の元に対応する、心のケアが何より大事だという教育の進化でもあります。その対応に、保護者として大変心強く、大きな感謝の気持ちを持っています。特に、スクールソーシャルワーカーの存在は、保護者のみならず、学校の先生にとっても心強く大変助かっていると感謝の声が大きいのも事実だと思います。
 また、たんぽぽ委員会などをはじめとした、考えられる可能な限りの対応をしていただけていると思いますが、ここで改めて伺います。

 あわら市での教育における心のケアについて、この春、入学を控えた保護者の皆さんを安心させる意味を込めて、説明を求めます。

教育長 甲斐和浩

 多様性を尊重する時代に入り、心のケアが重要とされているが、サポート体制はどのようになっているかとのご質問にお答えいたします。
 教育委員会では、児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう各小学校に支援員を配置しております。本年度は合わせて25名の支援員が主に低学年の児童に寄り添い、きめ細やかな対応をしています。
 また、そのほかにもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを学校に派遣し、いじめや不登校などに関する教育相談に応じております。
 スクールカウンセラーは現在3名おり、市内小中学校を巡回し、児童・生徒の不安や悩み事の相談に応じたり、教職員や保護者に対する助言などを行っております。
 一方、スクールソーシャルワーカーは2名おり、学校だけでは支援が難しい問題に対し、家庭訪問や面談を行い対応しております。スクールソーシャルワーカーは福祉や医療など関係機関と連携、調整を行い、保護者に寄り添いながら問題解決に努めております。
 そのほか、教育委員会では、学校に行きづらくなった児童・生徒の居場所として適応指導教室を運営しております。ここでは指導員が常駐し、学習のサポートや様々な活動を通して、少しでも社会とのつながりを保ち続けることができるよう対応しております。さらに、保護者との面談や学校との連絡調整を重ね、少しでも早く安心して学校に戻れるよう支援しています。 
 また、市内小中学校の教育相談担当教員や教育委員会の担当者、スクールソーシャルワーカーなどをメンバーとする不登校対策委員会、通称たんぽぽ委員会を定期的に開催し、事例研究や研修などを行い、関係者のスキルアップを図っています。そして、不登校対策の基本である未然防止、初期対応、自立支援という三つの取組を大切に、児童・生徒の心のケアに努めています。
 このように教育委員会では、様々なアプローチで、児童・生徒が安心して学校で過ごせるようサポートしております。

質問者 青柳篤始

あわら市が採用しているスクールソーシャルワーカーの方は、本当にレベルが高いというふうにお話を伺っています。また、教育委員会、それから教職員も含めて本当に頑張っていると思いますので、今後とも今おっしゃった三つの柱を中心に十分お願いしたいなというふうに思います。

 ただ、手放しに褒めたたえているばかりではさらなる進化や発展はありません。やはり人員不足や諸事情により行き届いていない、改善してほしいという声もあるのも事実です。この声は教育に対する期待の表れだとも思っていますので、この先も有効性の検証をしっかり行い、予算の再配分、再配置、サステーナブルな教育につなげてほしいと思いますが、この改善、課題の解決について、何か具体策、今後、どのような課題を見つけていく、そういった形のプランはありますか。

教育長 甲斐和浩

 サポート体制の課題を見つけるプラン、解決策はあるのかとのご質問ですが、教育委員会では、先ほどご説明しました体制で学校のサポートを行っていますが、その中で問題や課題があれば、その改善に努めております。
 例えば、教育委員会の担当者が学校を訪問し、児童・生徒の生活の様子を観察したり、学校長や支援員と面談をしたりして、学校の現状や問題点を把握しております。
 その上で、改善が必要であれば、支援員の配置の変更や勤務時間の調整を行うなど、より効果的な支援が行えるよう対応しております。
 今後とも児童・生徒に寄り添った支援ができるよう、学校や関係機関との協議を重ねてまいりたいと思っております。

質問者 青柳篤始

 課題の発見や解決をしっかりお願いしたいと思います。
 また、教職員の心のケア、これもまた例外ではありません。教職員から始まる学校崩壊、過去に他県でも実際起こっていますので、教育の現場と教育委員会の緊密な連携と心遣いをぜひお願いしたいと思います。
 教育といえば、小学校や中学校だけが教育ではありません。心のケアという点では、幼児教育や子育て支援も関わりが深いと思われます。
 市役所でいえば、福祉課が所管しています。あわら市も4月から重層的支援体制整備事業が始まります。この制度は、人々の生活そのものや生活を送る中で直面する困難、生きづらさの多様性、複雑性に応えるものとして創設されたものです。まさに心のケアを含めた全ての人々のための仕組みです。

 特に若年教育では、お父さん、お母さんの不安はさらに大きくいろいろと悩みを抱えているものと思われます。心のケアを中心に、困ったらどこに相談すればいいのか、アウトリーチ型支援、これまで手の届かなかったところにどう手を伸ばすのか説明を願いますが、地域共生社会は、子ども、高齢者、障がい者など全ての人々を指すことになり、広範囲に及びます。今回は子ども、教育に絞って説明を願います。

健康福祉部長 武田正彦

 心のケアを中心に、特に子ども、教育分野のアウトリーチ型支援をどのように行うかについてお答えをいたします。
 幼児教育及び子育て支援につきましては、子育て支援課を中心に対応しているところでございます。中でも、悩みを抱える若いお父さんやお母さんからの相談につきましては、子育て世代包括支援センター「こあらっこ」を中心に、各こども園や子育て支援センターなどで幅広く対応をしているところでございます。
 また、重層的支援体制整備事業が本年4月から本格的に始まります。どこに相談してよいか分からないとか、どう言葉にしてよいか分からないけれども苦しいといった相談先に困る、あるいは分からない場合は、福祉課内に設置をいたします(仮称)福祉まるごと相談室を窓口に、相談をお受けしたいと思います。
 相談では、まずはじっくりお話をお聞きします。困り事を整理した上で、解決の方法を一緒に考えていきます。解決に向けた支援では、関係機関と連携して当たりますが、その中には、教育委員会や学校、スクールソーシャルワーカーなども含まれます。
 この支援に当たりましては、どこの支援機関がアウトリーチを担当するのかにつきましては、ケースにより異なると思われます。まずは本人、それから家族の思いを第一に、関係機関の間で調整をしてまいります。
 今後、複雑化、複合化した困り事が増えるということに伴いまして、教育機関やスクールソーシャルワーカーが子ども・教育以外の分野と連携するケースも増えると予想しています。
 庁内の各課をはじめ、多様な関係機関との連携をさらに密にしながら、アウトリーチ型を含めた各種支援を行ってまいりたいと考えています。

 とにもかくにも、まずはご相談を、お気軽にご相談をしていただきたいというふうに考えています。

青柳篤始

 ぜひ、相談窓口、相手が最も利用されるところ、その場所になるべく相談窓口を置いていただきたいなというふうに思います。ほかの支援も同じですが、相談窓口というのは、相手に一番近いところに我々が持っていかなければいけない。それが本当のアウトリーチだと思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思いますし、二つの課が協力合わせて、また、全ての課が協力し合うことで、あわら市の取組が福井県の高い教育レベルを牽引する、また、日本を先導していく、そんなふうになっていただきたいなというふうに期待をしています。
 杉本知事も、「ふく育県」などということで、先日、岸田総理も福井県のほうにお見えになりましたが、そういったことで福井県を挙げて力を入れています。あわら市もぜひとも負けないように、勝ち負けはないんでしょうけれども、充実した体制をぜひつくっていただきたいなというふうに思います。
 ちょっと民間の話をしますと、民間では、安いから文句を言うなという言葉は、終わりを意味する時代になっています。不可能を可能に変えていくサービスが必要であり、努力が必要です。まさにアウトリーチも同じですけれども、パーソナライズされたアウトリーチを目指す。あわら市には、心に刻み、取り組んでいただきたいと思っています。
 また、正しく聞くは正しく伝えるの訓練でもあります。ぜひとも福祉、教育をさらなる高みへと向かうことをお願いいたします。
 少し意地悪な質問をします。
 福井県は、学力、体力ともに、ランキングは全国トップレベルであることは皆さんご存じだと思います。あわら市も優秀な成績を収めています。優秀な成績を収めるには、環境って物すごく大切なんだろうなと思いますが、教育委員会ではどのようなことが、この成績に影響を与えているとお考えでしょうか。

教育長 甲斐和浩

 子どもたちの学力向上に教育環境がどのように影響しているかとのご質問ですけれども、議員のお話にもありましたように、毎年実施されています全国学力・学習状況調査では、常に福井県が上位の成績を収めておりますが、本市はその中でも優秀な成績を収めております。
 本年度、福井県の紹介を受けまして、県外から六つの市町が本市の視察に訪れております。
 視察された方々は一様に、学校に対する保護者や地域の協力体制が整っていることに驚かれておりました。これは、ふるさと学習や体験学習を通して地域と触れ合う機会が多いことや、学校と地域や保護者との良好な関係が築かれていることが要因だと考えられております。
 また、授業の様子では、児童・生徒が生き生きと授業に参加しているとか、まだ幼い低学年の児童でも落ち着いて学習しているなどの感想が聞かれました。これは、教員の指導がしっかりと行き届いていることや、支援員が丁寧にサポートしていることによるものと考えられます。
 本市では、学習支援員や生活支援員など多くの支援員を学校に配置しまして、一人一人の児童・生徒へ目が行き届くように配慮しております。
 また、教育委員会には、英語教育や特別支援教育、ICT教育の指導員を配置しまして、各学校を巡回しながら教員への指導、助言を行い、授業力の向上につなげております。
 さらには、学校の施設や設備の修繕を計画的に実施して、学びやすい環境を整えております。本年度は、中学校の机、椅子を全て更新し、より広い机で学習しやすい環境を整えました。また、両中学校にはいち早く電子黒板を導入し、ICT教育の先進的な環境を整備しております。
 このように、家庭と地域、学校が連携し、そして落ち着いた学びやすい環境の中で児童・生徒が安心して学習に取り組んでいることが、学力向上につながっていると考えております。

青柳篤始

 結果が全てを物語っているんだと思います。取組の全てが正解。つまり、明らかな失策を除けば、すばらしい結果となって全てが返ってくる。これほど恵まれた教育環境、教育環境というか、これほど恵まれた状況はほかにはないです。教育に携わる方全てにお願いをします。教育について、時に繊細に、時には大胆に、積極的に課題を見つけ、解決に努めていただきたいと。そして何より、解決できた課題よりも、解決できない課題を大切に継続をして頑張っていただきたいなというふうに思います。

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