質問
・あわら市中小企業振興基本条例の中に、市は、工事の請負、物品その他のものの調達に当たっては、予算の適切な執行及び透明かつ公正な競争に留意しつつ、中小企業者の受注機会の確保に努めるものとする。とありますが、昨年度実績で、あわら市内の事業者が受注契約に至った割合は、どれくらいですか?
・市は、中小企業の振興を推進するため、積極的に情報を収集し、その提供に努めるものとする。とありますが、積極的な情報収集は何を行っていますか?
全文(議事録より)
質問者 青柳篤始
あわら市中小企業振興基本条例は、中小企業の振興に関する基本的事項を定めたものであり、あわら市の責務と、あわら市内に事業所または事業所を有する中小企業の努力を明らかにすることにより、中小企業の成長、発展を図るとともに、本市経済及び地域社会の活性化、並びに市民生活の安定と向上に寄与することを目的に平成28年に施行された条例です。
市の責務に関して、二つに分けて運用状況を伺います。
まず最初に、条例第4条第4項、「市は、工事の請負――物品その他のものの調達に当たっては、予算の適正な執行及び透明かつ公正な競争に留意しつつ、中小企業者の受注機会の確保に努めるものとする」とありますが、昨年度実績であわら市内の事業者が受注契約に至った割合はどれぐらいですか。
総務部長 後藤重樹
昨年度実績であわら市内の事業者が受注契約に至った割合はどれくらいかとのご質問にお答えいたします。
工事の受注及び物品の購入につきましては、市内業者が受注あるいは納入が可能なものについては、市内業者を優先して選定しております。
令和2年度の実績で申し上げますと、まず最終契約額が10万円以上の工事では、約8億8,000万円の実績に対し、市内業者への発注金額は約6億7,000万円で、その比率は76.4%となっています。また、工事の総発注件数は206件で、うち市内業者の発注件数は175件、比率は85%を占めております。
一方、物品におきましては、特殊要因である教育委員会の小中学校用タブレット端末や建設課の大型除雪機械、生活環境課のごみ袋購入を除いて申し上げますと、約1億800万円の実績に対しまして、市内業者の発注金額は約6,000万円で、その比率は55.8%となっています。また、物品の総発注件数は3,779件で、うち市内業者の発注件数は2,372件、比率は62.8%となっています。
市では、市内経済において担う役割の重要性に鑑み、市内事業者を積極的に選定するとともに、予算の適正な執行及び透明性かつ公平な競争に留意しつつ、引き続き市内業者に対する受注機会の確保に努めてまいります。
質問者 青柳篤始
市内業者で調達不能なものもあると考えれば、高い受注率じゃないかなと思います。引き続き、適切な管理をもって運用していただきたいなと思います。
次に、第4条第5項、「市は、中小企業の振興を推進するため、積極的に情報を収集し、その提供に努めるものとする」とありますが、積極的な情報収集は何を行っていますか。
経済産業部長 武田正彦君
情報収集につきましては、大きく分けて三つございます。一つ目が市内事業者の現状を把握するための情報収集、二つ目が施策立案のための情報収集、三つ目が市内事業者に提供するための国や県の支援策などに関する情報収集でございます。
情報の収集先としまして、あわら市商工会とは市内事業者の現状につきまして、事業者の個人情報などにも留意しながら随時情報交換を行っています。現状に即した施策の提案を受けることも多くございます。例えば、令和2年度における新型コロナウイルス感染拡大の際には、市商工会から、市内経済に強い影響力を持つ観光関連業種である飲食、宿泊、旅行業への影響が大きいということから、緊急の支援策が必要であるという的確な要望をいただきました。市としまして、いち早く事業者応援給付金を立案、実施をしたところでございます。
また、三国公共職業安定所、いわゆるハローワーク三国でございますが、こちらとは、市内の求人状況や離職状況など、雇用情勢につきまして情報交換を定期的に開催しております。
官公庁関係では、コロナ禍ということもあり、国や県で実施される様々な支援制度や消費喚起策などの動向には特に注視をしております。支援制度の更新や新しく支援策が策定された場合につきましては、迅速に情報を公開、共有するよう努めております。
近隣市町とも、お互いの事業者支援施策につきまして情報交換を行っております。特に、コロナウイルス感染症が流行しました令和2年度及び3年度につきましては、頻繁に効果検証などの情報共有を行うなど、施策立案に当たっての参考としております。
これら公的機関からの情報収集に加えまして、市内事業者からも陳情や要望をいただき、貴重な情報源としてございます。令和2年度と3年度に実施しました交通事業者応援給付金では、市内交通事業者からコロナ禍における経営悪化の現状と売上げなど、詳細なデータの提供をいただきまして、この支援を基に施策立案をしております。
また、施策の効果検証の分析や経営状況などの把握のための独自アンケートを市内事業者に対して実施をしております。令和2年度におきましては、キャッシュレス決済の導入状況調査ですとか事業者応援給付金、交通事業者支援金の効果検証を目的としましたアンケートを延べ1,254の事業者に対し実施をしております。
現在、市では、収集した情報を基に商工会と連携しまして、新型コロナウイルス感染症拡大により、影響を受けた市内事業者の事業継続と雇用維持に対する支援を第一に行っているところです。
質問者 青柳篤始
情報の共有という部分、最新の情報を手に入れているということで、その努力をこれからも続けていっていただきたいんですけれども、ちょっとお伺いしますが、今、経済産業部のほうではそれをやっていると。そこで得た情報の各部署での共有という形はどのようになっているんでしょうか。
総務部長 後藤重樹
今ほどの各部署における情報の共有ということでございますが、経済産業部で集めた情報収集につきましては、若干お答えになっていないかも分かりませんが、管理課所管について申し上げますと、市が工事を発注し、また物品を購入する際には入札参加資格審査申請書、いわゆる指名願というものを市のほうに業者のほうから提出していただいて、市が登録した事業者の中から指名業者または発注業者を選ぶことになってございます。入札参加資格審査申請につきましては、各事業者に2年ごとに提出をしていただいているところです。
このうち、建設工事におきましては、土木ですとか舗装、建築、管、電気など29業種の中から、事業者が希望する工事の種類を第1希望から第5希望までご記入をいただいているところです。また、物品購入等につきましては、希望する営業種目3種目、それから主な取扱商品なんかもご記入をいただいております。
なお、物品購入等におきましては、市内業者の50万円未満の小規模取引といたしまして、簡単な書類で申請できるように配慮を行っているところでもございます。
市では、事業者が施工できる工種ですとか取り扱える物品の種類等につきまして、一覧表にまとめまして、全職員が見ることができるように情報の共有を図っているところでございます。
質問者 青柳篤始
それぞれの業者の特徴をつかんで、俗に、よく言われるのは、例えば定食屋でよく表現されますけれども、同じ定食屋でも、うどんが得意か、そばが得意か、それぞれ会社によって特徴があって、その特徴をまずつかむことが一番大切になってきて、逆に言うと、業者の皆様にもお願いがあるのですが、うちの会社はこれが得意だ、これなら負けない、そういうアピールを市の職員のほうも、私もよく見ております、市内業者にと。まずは優先して、市内業者にどこかないかということをよく目にしますが、育てるというわけではないんですが、市内の経済に貢献できるよう、そういうふうに奔走している姿を見ておりますので、ぜひとも積極的に情報を持ってきて、アピールしていただいて、より多く、あわら市の予算があわら市内業者に流れる、そしてよりよいものができるといったことをぜひ実現していただきたいなと思います。
積極的な情報交換というのは、既存の枠を超えた中で、職員にとってより多くの引き出しを開けるきっかけにもなります。今まで土木、建設関係でいえば、発注できなかったところでも、知恵を使って何とか、本当は駄目なんでしょうけれども、そういったことも考えられますので、ぜひとも、職員の皆さんもそうですが、あわら市、先ほどの入札資格を持っている業者さん、ぜひともそういったPRをどんどんしていただいて、一緒にあわら市の経済が盛り上がっていくことを願います。