熊本県八代市へ、あわら市職員を派遣|被災地での経験を「次の備え」へ
令和8年8月28日、あわら市役所で、令和8年熊本地震に伴い熊本県八代市へ派遣される職員の激励式が行われました。
県からの要請を受け、あわら市から職員1名が、8月30日から9月4日まで八代市へ派遣されます。
現地で担当するのは、罹災証明書の発行業務です。

【写真:応援派遣職員激励式】
生活再建の第一歩となる「罹災証明書」
激励式では、まず被災された皆様へのお見舞いの言葉が述べられました。
そして、今回派遣される田村主事に対し、あわら市を代表して被災地支援という重要な業務に携わることへの期待が伝えられました。
その中で特に印象に残ったのが、罹災証明書について、
被災された方々が生活再建へ歩み始めるための第一歩となる大切な業務
と話されていたことです。
罹災証明書は、住宅などが災害によってどの程度被害を受けたのかを自治体が証明するものです。
さまざまな被災者支援制度を利用する際にも関わるため、災害後の生活を立て直していくうえで重要な役割を持っています。
大きな災害が起きれば、一つの自治体に多くの申請や業務が集中します。
だからこそ、全国の自治体が職員を派遣し、お互いに支え合う仕組みが必要になります。
被災された方の気持ちに寄り添う
激励の中では、
「被災者の皆様の気持ちに寄り添いながら、誠実かつ丁寧に対応してほしい」
という言葉もありました。
制度を正確に運用することはもちろん大切です。
しかし、その窓口に来られるのは、大切な家や財産を失ったり、大きな不安を抱えたりしている方々です。
災害対応では、制度だけではなく、その向こう側にいる一人ひとりの生活を見ることが大切なのだと思います。
熊本の現場で聞いた、罹災証明の課題
私自身も先日、熊本の被災地を訪れ、現地で活動するとともに、さまざまな立場の方から話を聞かせていただきました。
その中では、罹災証明書についても話を伺っています。
罹災証明は、被災された方が支援制度につながり、生活再建へ進むための大切な入口です。
一方で、災害直後には申請が集中すること、高齢者など自分で手続きすることが難しい方への支援、デジタル申請を災害時にどう機能させるかといった課題もあります。
現地で聞いた内容については、こちらの記事にもまとめています。
関連記事
「熊本の被災地で聞いた現場の声」
https://a-aoyagi.com/inspection/kumamoto-disaster-field-voices
また、宇城市では実際に災害ボランティアとして活動しました。
関連記事
「宇城市で災害ボランティア活動」
https://a-aoyagi.com/activities/uki-disaster-volunteer
今回の職員派遣についても、こうした現地での経験を踏まえ、少しですが職員へお伝えさせていただきました。
経験は、持ち帰るだけでは意味がない
今回の職員派遣について、私が特に大切だと思っていることがあります。
それは、被災地で経験することだけでも、その経験をあわら市へ持ち帰ることだけでもありません。
その経験を、次の備えへつなげることです。
今回派遣される職員には、実際の現場でしか分からないことがたくさんあると思います。
どのような問い合わせが多かったのか。
どこで業務が滞ったのか。
どんな準備があれば、もっと早く対応できたのか。
被災された方は、どのようなことに困っていたのか。
そうした経験を持ち帰り、
「勉強になりました」
で終わらせるのではなく、
では、あわら市ではどうするのか。
ここまでつなげることが大切だと思っています。
激励式でも、現地で得た知見や経験を持ち帰り、今後の行政運営や防災・減災の取り組みに生かしてほしいとの期待が示されました。
被災地を支援することと、自分たちの地域の防災力を高めることは、別々の話ではありません。
「支援する側」と「支援される側」
今回は、あわら市が熊本県八代市を支援する側です。
しかし、災害はいつ、どこで起こるか分かりません。
いつか福井県やあわら市が大きな災害に見舞われれば、全国の自治体から応援を受ける立場になる可能性もあります。
そのとき、
「被災地では何が起きるのか」
「行政にはどのような業務が集中するのか」
「被災された方々は何に困るのか」
を実際に経験した職員がいることは、大きな力になると思います。

【写真:派遣職員と市長ら】
「八代市の一日も早い復旧に貢献したい」
激励を受け、田村主事からも決意が述べられました。
罹災証明書の発行という、被災された方々の生活再建を支える重要な業務に、あわら市を代表して精一杯取り組むこと。
そして、
八代市の一日も早い復旧に貢献できるよう努めたい
との言葉がありました。
慣れない土地、そして災害現場という環境の中での業務になります。
まずは健康管理と安全確保を最優先に、無事に任務を終えて帰ってきていただきたいと思います。
現場へ行き、次へつなぐ
今回の派遣は、被災地を支援するための大切な取り組みです。
同時に、あわら市にとっても学ぶ機会になります。
ただし、私は「経験した」「持ち帰った」で終わらせてはいけないと思っています。
現場へ行く。
経験する。
持ち帰る。
共有する。
仕組みに変える。
そして次へつなぐ。
ここまでやって初めて、職員派遣の経験が、あわら市にとっても大きな財産になるのではないでしょうか。
帰任後には、現地でどのような課題があったのか、どのような対応が求められたのか、そしてあわら市で今から準備できることは何かを伺いたいと思っています。
必要であれば、現在の仕組みも確認しながら、次の備えにつなげていく。
今回の派遣を、被災地支援だけで終わらせず、次の災害に備えるための一歩にもしていきたいと思います。
そして、派遣される職員の無事と、熊本県八代市の一日も早い復旧・復興を願っています。



