熊本県宇城市で災害ボランティア|家具を運ぶだけじゃない、会話も支援になる

家具を運ぶだけじゃない|熊本県宇城市で災害ボランティアに参加して感じたこと

熊本県宇城市で、災害ボランティア活動に参加しました。

活動時間は2時間余り。

37度を超える暑さの中、被災したお宅から倒れた家具や壊れたものを運び出す作業です。

短い時間ではありましたが、大粒の汗が流れ続け、作業を終える頃には服も汗でびっしょりになっていました。

でも、今回一番心に残ったのは、暑さでも、運び出した家具の量でもありません。

一人のお母さんとの時間でした。

目次

「おばちゃん、大丈夫やった?」

今回お手伝いしたのは、70代の女性がお一人で暮らしているお宅でした。

昨年、ご主人を亡くされたそうです。

家そのものは原形をとどめていました。

しかし、中へ入ると大きなタンスなどの家具が倒れ、家の中には地震の爪痕が残っていました。

その光景を見た瞬間、思わず、

「おばちゃん、大丈夫やった?」

と声をかけました。

すると、

「ありがとね。私は違う部屋にいた。10年前の経験からね。」

と答えてくださいました。

この言葉が、強く心に残りました。

10年前の熊本地震を経験したからこそ、今回、どう行動するかを考えていた。

過去の経験が、今回の行動につながっていました。

熊本に来てから、「災害の記憶を次につなぐこと」の意味を何度も考えてきました。

ここでは、その記憶が実際の暮らしの中に生きていました。

できるところまでは、自分で片付けられていた

家の中を見ると、小さな物などはかなり整理されていました。

きっと、ご自身でできるところまでは少しずつ片付けてこられたのだと思います。

でも、大きなタンスや家具はどうにもならない。

70代の女性が一人で動かせるようなものではありません。

これは本人の頑張りだけでは解決できません。

何人かいれば、持ち上げられる。

何人かいれば、外へ運び出せる。

何人かいれば、短い時間で部屋を少し広くすることができる。

一人ではできないところを、みんなで少しだけ手伝う。

そこに災害ボランティアの大きな役割があるのだと思いました。

手は止めない。でも、会話も止めない

作業を始めてから、私が意識していたことがあります。

できるだけ、会話を途切れさせないことです。

知らない人たちが何人も自分の家へ入ってくる。

ボランティアだと分かっていても、不安だと思います。

そこは、その方が長年暮らしてきた家です。

大切なものがあります。

思い出もあります。

こちらは、

「何かお役に立ちたい」

と思って訪れています。

でも、相手からすれば初めて会う人です。

だからこそ、力仕事だけではなく、まず会話が必要なのだと思います。

「これは出していい?」

「こっちは残しておく?」

という確認だけではありません。

「暑いね」

「大丈夫?」

そんな何気ない話もする。

そして、できれば少し笑う。

もちろん、話をしていて作業が進まなければ意味がありません。

会話は止めない。でも、手も止めない。

てきぱきと家具を運びながら、なるべく明るく。

少しでも人の声がある方がいい。

少しでも賑やかな方が、不安な時間を和らげられるかもしれない。

そんなことを考えながら作業していました。

「それ、涼しいの?」

この日の気温は37度を超えていました。

家具を持って外へ出る。

また家の中へ戻る。

次のものを運ぶ。

その繰り返しです。

自然と、

「毎日暑いね」

という話になりました。

私がたまたま空調服を着ていたので、

「それ、涼しいの?」

という話に。

「着てみる?」

と試してもらいました。

そして一言。

「涼しいね。」

私の空調服なので、もちろんサイズはぶかぶか。

それでも着てみて、

「涼しいね」

と笑ってくださった姿に、こちらも少しほっとしました。

使い方を説明して、そのまま置いてきました。

プレゼントなんて大げさな話ではありません。

いろいろ忘れ物もありますので、

空調服も忘れてきたことにしておきます(笑)。

ただ、あとで気づきました。

充電ケーブルがない。

それでは使い続けられないので、運転手さんに相談すると、ケーブルを一本用意してくださいました。

本当にありがとうございます。

まだまだ暑い日が続きます。

あの空調服が、少しでも涼しく過ごす助けになってくれればと思います。

ボランティアは、力仕事だけではない

今回の活動を通して、改めて思いました。

災害ボランティアというと、

家具を運ぶ。

がれきを片付ける。

泥を出す。

壊れたものを搬出する。

そんな力仕事を想像することが多いと思います。

もちろん、それは大切です。

でも、私はそれだけではないと思いました。

被災した方には、いろいろな不安があります。

これからどうなるのだろう。

家はどうなるのだろう。

また地震が来たらどうしよう。

一人で片付けられるのだろうか。

そんな時に誰かが来る。

一緒に片付ける。

話をする。

時には笑う。

それだけでも、少し気持ちが変わることがあるのではないでしょうか。

知らない人だからこそ、最初に会話をする。

相手の話を聞く。

相手のペースを大切にする。

そして少しずつ距離を縮める。

私は今回、

会話もまた、ボランティアなのだ

と感じました。

ある意味、

「心のボランティア」

なのかもしれません。

家具を運ぶことも支援。話をすることも支援。

私たちがしたことは、一つ一つを見れば小さなことです。

家具を運ぶ。

壊れたものを外へ出す。

話をする。

少し笑う。

空調服を置いてくる。

でも、それが重なって、

「少し片付いた」

「少し楽になった」

「今日は誰かと話せた」

そんな一日になればいい。

家具を運ぶことも支援。

話をすることも支援。

そこにいることも支援。

復興支援には、いろいろな形があるのだと思います。

本当にいいメンバーでした

今回、一緒に活動したメンバーにも恵まれました。

誰かに言われるまで待つのではなく、それぞれが周りを見ながら動く。

重いものには自然と人が集まる。

声を掛け合う。

危ない場所があれば知らせる。

そして、家の方との会話も大切にする。

会話をしながらも、手は止めない。

このチーム、本当によく動きました。

2時間余りの活動で、倒れた家具や壊れたものなど、軽トラック3台分を搬出しました。

37度を超える暑さの中でしたが、誰か一人が頑張るのではなく、それぞれが自分にできることを見つけて動く。

だからこそ、短い時間でもこれだけの作業を進めることができたのだと思います。

何より、ただ早く片付ければいいという雰囲気ではありませんでした。

家の方に確認する。

声を掛ける。

会話をする。

そのうえで、てきぱきと動く。

力仕事と、相手への気遣い。

その両方がある、本当にいいチームでした。

今回、同じ班で活動したのは

  • 高見康裕先生|衆議院議員
  • 米内紘正先生|衆議院議員
  • 工藤悠平先生|青森県議会議員
  • 武田翔先生|神奈川県議会議員
  • 高橋美奈先生|五所川原市議会議員
  • 下山大樹さん|自民党青森県連

です。

私もこのメンバーと一緒に、同じ現場で汗を流しました。

そして、現地で私たちを受け入れ、活動を支えてくださった自民党熊本県連の皆さん、学生部員の皆さんにも、本当にお世話になりました。

現地との調整。

車両の準備。

活動場所への移動。

さまざまな準備をしてくださる方がいるからこそ、私たちは現場で活動することができます。

一緒に汗を流した皆さん、支えてくださった皆さんに、心から感謝します。

これからボランティアへ行く方へ

今回、実際に活動してみて、これから災害ボランティアに参加しようと思っている方にも、ぜひ伝えておきたいことがあります。

まず、

いきなり現地へ行かないでください。

被災地では、必要な作業や人数が日々変わります。

必ず現地の災害ボランティアセンターや社会福祉協議会などの情報を確認し、決められた方法で受付・登録をしてください。

そして、

ボランティア活動保険にも必ず加入してください。

善意で参加しても、作業中に自分がけがをすることがあります。

何かを壊してしまう可能性もあります。

特に地震災害では、地震による事故まで補償される内容なのかも含めて、事前に確認することが大切です。

服装や装備も重要です。

長袖、長ズボン。

作業用手袋。

丈夫な靴。

帽子。

飲み物。

タオル。

そして夏場は、何より熱中症対策です。

今回のように37度を超える環境では、無理は禁物です。

自分が倒れてしまえば、今度は自分が支援を受ける側になってしまいます。

無理をしない。

単独で行動しない。

現地の指示に従う。

きちんと登録する。

保険に加入する。

こうしたことも含めて、災害ボランティアだと思います。

「してあげる」ではなく、一緒に少し前へ

活動を終えて、強く感じたことがあります。

ボランティアは、

「何かをしてあげる」

というものではないと思います。

今回のお母さんも、ご自身でできるところまでは片付けていました。

できることは、自分でやっている。

ただ、

「ここだけは一人ではできない」

というところがある。

そこへ少しだけ力を貸す。

今日、一つ家具がなくなる。

少し部屋が広くなる。

少し片付く。

少し笑える。

それでいいのだと思います。

災害によって変わってしまった暮らしを、一日ですべて元に戻すことはできません。

でも、

一緒に少しだけ前へ進むことはできます。

ボランティアは、何かをしてあげることではなく、

一緒に少し前へ進むことなのかもしれない。

今回出会ったお母さんが、少しでも安心して暮らせる日が早く戻ることを願っています。

そして、一緒に活動してくださった皆さん。

現地で受け入れ、支えてくださった皆さん。

本当にありがとうございました。

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