【一般質問全文公開】地域福祉と地域機能の維持について

人口減少や高齢化が進む中、地域を支えてきた人や、地域のつながりが少しずつ減っています。

区長や民生委員、自治会役員など、限られた方に多くの役割が集中し、「次の担い手が見つからない」「地域の活動をいつまで続けられるだろうか」という声も聞かれるようになりました。

今回の一般質問では、地域福祉を単なる福祉サービスの問題としてではなく、地域で安心して暮らし続けるための土台として取り上げました。

昔からあわら市に残るご近所付き合いや支え合いの文化を大切にしながら、地域、福祉事業所、行政がどのようにつながり、地域を支えていくのかを問う内容です。

目次

なぜこの質問をしたのか

私自身、これまで地域を支えてこられた先輩方が体調を崩されたり、入院されたりする姿を見る機会が増えてきました。また、区長や役員の担い手不足や、草刈りや雪かきなど共同作業の負担増加も各地で課題となっています。

地域は突然なくなるものではありません。少しずつ役が回らなくなり、人とのつながりが薄れながら静かに弱っていきます。

だからこそ今、福祉の視点から地域を支える仕組みが必要ではないか。

今回はそのような思いから、地域のサロン活動や見守り活動と福祉事業所が連携し、高齢者が元気を取り戻した後に地域へ戻りやすくする仕組みづくりについて提案しました。また、介護予防や通所支援によって元気になった方が、再び地域で役割や生きがいを持てる環境づくりについても提案しました。

あわら市には昔から「ご近所付き合い」の文化があります。姿が見えなければ声をかける。困っていれば手を差し伸べる。そんな少しのお節介が、高齢者の安心や地域の安全を支えてきました。

さらに、地域で活躍してきた先輩方は、多くの経験や知恵を持っています。それを次の世代へつなぐこと、そして地域の中で活躍し続けていただくことは、地域にとってとても大きな力になります。

これらの地域の支え合いの力に、福祉事業所などが持つ専門的な知識や経験を結びつけていくことが、「地域福祉と地域機能の維持」に大切だと考えています。

これからの福祉は、行政サービスを増やすことで支えていく構図から脱却し、持続的に人と人とのつながりを守り、地域そのものを守っていくことが求められます。

地域で活躍してきた先輩方の経験や知恵を次の世代へつなぎながら、誰もが役割と生きがいを持って暮らせる地域づくりに、これからも取り組んでまいります。

質問

・人口減少、高齢化に伴う地域機能低下への認識と今後の課題について
・地域に残る支え合い文化やご近所付き合いを活かした地域福祉の考え方について
・民生委員、自治会、地域ボランティア等による地域福祉活動の現状と担い手不足への対応について
・福祉事業所との情報共有および地域課題への連携強化について
・通所支援や介護予防後の地域参加・地域活動への移行支援について
・事業所が持つ知識や経験を活用した地域サロン支援等の可能性について
・小規模で使いやすい地域支え合い支援制度の考え方について

概要

人口減少や高齢化が進む中、あわら市では地域を支えてきた区長や民生委員、自治会役員などの担い手不足が深刻になっています。

私は今回の一般質問で、「地域福祉」は福祉サービスだけの問題ではなく、地域そのものを維持するための重要な基盤であるという視点から質問を行いました。

主な内容は次のとおりです。

  • 地域の支え合いや集落機能が弱まりつつある現状を、市はどのように認識しているのか。
  • 昔から受け継がれてきた「ご近所付き合い」や「お互いさま」の文化を、これからの地域福祉にどう生かしていくのか。
  • 地域福祉を支えている民生委員や自治会役員などの負担軽減と、担い手不足への対応。
  • 介護事業所や地域包括支援センターなど、現場をよく知る福祉事業者との連携強化。
  • 介護予防などで元気を取り戻した方が、地域活動やサロンなどへ自然につながる仕組みづくり。
  • 福祉事業所が持つ知識や経験を地域へ還元し、地域サロンや介護予防活動を支援する仕組み。
  • 地域の小さな活動を後押しする、使いやすい支援制度の充実。

質問を通じて私が伝えたかったのは、「支えられる人」を支えるだけでなく、「支えている人」を支える仕組みがこれからは必要だということです。

また、地域福祉は福祉分野だけの話ではありません。防災、防犯、子育て、多世代交流など、地域のあらゆる活動につながるものです。

行政だけでは地域を支えることはできません。地域、福祉事業所、企業、行政がそれぞれの力を持ち寄り、「地域で暮らし続けられる仕組み」をつくっていくことが大切だと考えています。

私は、あわら市に昔から残る「ご近所付き合い」や「少しのおせっかい」といった温かい文化こそ、これからの時代の地域福祉の原点であり、未来へつないでいくべき大切な財産であると考えています。

全文

青柳篤始

 今回、私が取り上げますテーマは、地域福祉と集落機能の維持についてであります。この質問は単に、福祉政策を問うものではありません。これからのあわら市において、地域で暮らし続けることができるのか、農村部だけではなく、市街地を含め、地域のつながりがこの先も機能していけるのか、その土台を問う質問であります。今あわら市でも、人口減少と高齢化が進んでおります。地域によっては、その影響が、日々の暮らしの中に見え始めています。地域によっては、高齢者のみの世帯が増え、一人暮らしの高齢者が増え、若い世代は都市部へ流出し、空き家は少しずつ増えています。それだけではありません。これまで地域を支えてきてくれた区長、班長、消防団、行政の世話役、草刈りや共同作業の担い手、こうした存在も減りつつあります。私も、地域を回らせていただく中で、次の区長を頼める人がいない。同じ人が何役も担っている、そうした声を実際耳にします。また、頼みたいけど、お願いできる人がおらんのや、そんな切実な声も聞こえてきます。草刈りや雪かきについてもあと何年できるだろうか。そうした不安の声も地域にはあります。地域を支えてくださっている方々の努力によって、なんとか成り立っている。しかし、その負担は年々重くなっております。私はこの現実を非常に重く受け止めています。地域はある日、突然なくなるわけではありません。少しずつ役が回らなくなる。行事ができなくなる。助け合いが薄くなる。顔を合わせる機会が減る。そうやって静かに弱っていくものであります。そこでまず伺います。市として、地域の支え合いや、地域機能が弱まりつつある現状について、どのような危機感を持っておられるのか、また、今後、特に支援が必要となる地域の把握や分析が進められているのか、お聞かせください。

健康福祉部長 渡邉清宏

人口減少、高齢化に伴う地域機能低下への認識と今後の課題についてお答えします。

地域の支え合いや集落機能が弱まりつつある現状については、人口減少や高齢化の進行とあわせ、非常に強い危機感を持って認識しております。

まず、地域運営の中核を担っていただいている区長の状況は、この10年間で担い手の高齢化が明確に進行しております。

70歳以上の区長は、平成29年度には22人でありましたが、令和8年度には44人となり、倍増しております。

次に、自治会の加入世帯数について同様に10年前と比較して減少数の多い地区から申し上げますと、温泉地区では1,336世帯から1,251世帯へ、北潟地区では453世帯から411世帯へと減少しております。

小規模な自治会では、世帯数の減少がそのまま役員の固定化や複数役職の兼務など運営負担の増大につながり、地域活動そのものの継続が難しくなりつつあります。

加えまして、令和7年9月に福井大学の学生が本市の協力を受けて、市内全区長を対象に実施した「あわら市全区対象アンケート調査」において、回答のあった92区を分析しますと、担い手の高齢化、人口減少、地域のつながりの希薄化が同時に進行していることが確認されました。

例えば、過去と比べた住民同士の交流については、71.5%の区長が交流は減少していると回答しており、地域活動の維持に課題が生じていることがうかがえます。

また、今後特に支援が必要となる地域の把握や分析については、既に維持が困難となりつつある区が2割強、その直前の段階で担い手が疲弊している区が5割強と、約8割が担い手不足に陥る又は陥る予備軍となっている状況が確認されました。

今後の課題は、こうした地域ごとの実態を踏まえ、地域の支え合い活動や既存制度の活用状況も含め、自治会や関係部局、関係機関と情報共有しながら、地域の実情に応じた支援を実施していくことだと考えております。

青柳篤始

 ぜひ続けて見守っていていただきたいなというふうに思っています。地域には昔から素晴らしい福祉がありました。一方で、この町には、昔から制度でない優れた福祉もありました。それがご近所付き合いであります。姿が見えれば声をかける。雨樋が開かなければ気にかける。重い荷物を持っていれば手伝う。困っていれば世話を焼く。今風に言えば、見守りであり、生活を支える助け合いであります。しかし、昔の人は、そんな言葉を使わず、当たり前のようにやっておりました。大丈夫かのと声をかけたり、これ持ってきねのとか、ちょっと見てくるわという言葉がよく聞かれたと思います。そんな何気ない行動が、地域の安心を支えてきたものでもあります。私はこの文化こそ、この町に残された大きな財産だと考えています。少し踏み込んだ関係、少しのお節介、少し気にかける心、これが高齢者の安心を支え、地域の安全を支えてきました。ところが、今この仕組みが少しずつ弱まっています。人が減り、付き合いが減り、忙しさも増えました。人とのつながりが薄くなる中で、孤立や閉じこもりを防ぐ意味でも、ご近所付き合いの価値は、これからさらに大きくなるのではないでしょうか。高齢化が進むこれからの時代だからこそ、私はこの支え合いをもう一度、見直す必要があると考えています。行政サービスは必要です。しかし、行政サービスでは、この空白を埋めることはできません。制度では守れないものがあります。最後に地域を支えるのは、人と人とのつながりであります。そこでお伺いします。本市は、地域に残るご近所付き合いや、支え合い文化をこれからの地域福祉にどう生かしていくのか、お考えをお聞かせください。

健康福祉部長 中道佐和子

 ただいまの質問にお答えします。地域の中でこれまで自然に育まれてきた、ご近所同士の声かけや見守り、助け合いの文化は、高齢者をはじめ、支援を必要とする方の孤立を防ぎ、安心して暮らしていくうえで、大変重要な地域福祉の基盤であると認識しております。

こうした日常の支え合いは、制度だけでは補いきれない重要な役割を果たしており、本市にとっても大きな財産でございます。

本市では、第4期地域福祉計画において人と地域でともに支え合うつながりのあるまちづくりを基本理念に掲げ、地域のあらゆる人が役割を持ちながらともに支え合う地域づくりを進めているところです。

しかしながら、先程答弁したように、地域の人口減少や高齢化、若年層の価値観の変化など、地域のつながりの希薄化に市としても危機感を抱いております。

そのうえで、地域に残るご近所付き合いや支え合い文化を活かしていくためには、地域の中で育まれてきた気にかける心を大切にしながら、日常の支え合いの中での気づきを、福祉推進員や民生委員、児童委員といった地域の支援員、さらには行政や専門の支援につなぐ体制として活かしていくことが重要であると考えております。

今後は、地域に根づく支え合いの文化を大切にしながら、地域の力と専門的な支援が一体となって支え合う体制を充実させ、企業や団体の地域貢献の力も借りながら、地域のつながりが持続できるまちづくりを進めてまいります。

青柳篤始

 現在の福祉には多くの方々の善意によって支えられています。現在も地域では民生委員、児童委員の皆様、区長会、自治会の皆様、老人クラブ、ボランティアの皆様、多くの方々が地域福祉を支えてくださっております。サロン活動、見守り活動、声かけ活動、こうした積み重ねによって、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができております。特に、民生委員、児童委員の皆様については、地域によっては、複数地区を共同でお願いしている場所もあり、定年延長や、長年にわたり務めてくださっている方もおられます。本当に、頭の下がる思いであります。また、先日も新しく引き受けてくださった方が見つかったというお話を伺いました。地域を支えようとしてくださる方がおられることは、大変心強いことであります。しかし、その一方で、いつまで続けられるんだろうか。次の人がおらん、そうした声も聞こえてきます。支える側も高齢化しております。地域は頑張ってくださっている方々の努力によって、なんとか支えられております。しかし、善意だけに頼るのは限界があります。支える人が疲れてしまえば、仕組みそのものが続かなくなってしまいます。私は、地域福祉を守るためには、支えられる人を支えるだけではなく、支えている人を支えるこの視点が必要だと考えています。そこで、お伺いします。本市では、現在行われている地域福祉活動の実態と課題を、どのように把握しているのか、また、継続が困難となっている事例や、担い手不足への対応について、どのように考えておられるのか、お聞かせください。

健康福祉部長 中道佐和子

 本市の地域福祉は、民生委員・児童委員をはじめ、区長会、自治会、老人クラブなどのさまざまな団体や、地域ボランティアの皆さまのご尽力により支えられています。

また、こうした地域福祉活動の実態や課題につきましては、各担当課における関係機関との連携や、社会福祉協議会が福祉委員会などの場を通じて、把握に努めているところです。

その中で、地域の担い手について、高齢化や固定化により、負担が増し活動の継続が難しくなっていることや、次の担い手が見つかりにくい状況に加え、地域課題の多様化により対応の負担が増していることを認識しております。

このような状況から、地域福祉を支える担い手の不足や負担の増加が課題となっており、議員ご指摘のとおり、これからは支えている人を支えるという視点が重要であると考えております。

こうした視点を踏まえまして、市では令和2年の社会福祉法の改正を機に、民生委員や自治会など地域の担い手と、行政や専門職による支援をつなぎ、地域と専門的な支援が連携して支え合う包括的な支援体制づくりを進めているところです。この取組の中で、令和5年には福祉まるごと相談室を設置し、その体制の強化を図っております。

また、担い手不足への対応としては、フレイルサポーターや生活介護支援サポーターなどの養成を進め、地域福祉を支える人材の裾野すそのを広げる取組を行っております。

今後も、地域の支え合いの力を大切にしながら、担い手を支える取組を進め、支える人と支えられる人がともに支え合う地域づくりを進めてまいります。

青柳篤始

 地域だけで抱え込まない仕組みが必要です。地域の支え合いは大変重要です。しかし、高齢化や担い手不足が進む中で、地域だけで抱え込むには限界も見え始めています。以前は、地域の中で自然に役割分担ができていました。区長さん、民生委員さん、近所の助け合い、家族の支え、こうした形で、地域が成り立っていた部分もあります。しかし、今は、限られた方々に、多くの役割が集中し始めています。家族がいるから安心という時代でもなくなってきています。老老介護や、離れて暮らす家族の負担も大きくなっております。また、車も運転できなくなったとき、買い物や通院はどうするのか、こうした不安も、地域では大きくなっております。地域のつながりが弱くなることは、災害時の助け合いにも大きく影響します。私は、地域福祉を守ることは、地域そのものを守ることにつながると考えております。そこで、私はもう1つ、重要な視点があると考えております。高齢者福祉の現場を最も近くで見ているのは誰か、それは、日々利用者と接している福祉事業所の皆様であります。通常介護、デイサービス、訪問介護、ケアマネジャー、地域包括支援センター、現場では最近、元気がなくなった。外出が減った。会話が少なくなった。逆に、通所によって元気を取り戻した。笑顔が増えた。会話が増えた。表情が明るくなった。こうした小さな変化を、現場の皆様は日々感じ取っておられます。行政は制度全体を見る立場です。それは大変重要です。しかし、生活の変化を最初に感じ取るのは現場です。私はこの現場の内容をもっと行政へと共有すべきだと考えています。私は福祉事業者の皆様も大変厳しい状況の中で、地域を支えてくださっていると感じております。全国では、2024年、介護事業者の倒産が過去最多となり、休廃業を含めると、700件を超える事業者が、市場から撤退しております。特に、小規模な事業者ほど、厳しい状況に置かれています。しかし、地方において、こうした小規模事業者こそ、地域に密着し高齢者の暮らしを支えている現場でもあります。特に、事業所との連携は、事業者支援ではないかとみられることもありますが、しかし、それは違います。これは、民間支援ではなく、地域にすでにある力を生かすという考え方であります。すでに、地域に存在する人材、知識、経験、ノウハウを地域全体のために生かす。私は、その視点がこれからさらに重要になると考えています。そこでお伺いいたします。行政と福祉事業所との情報共有、課題共有、地域課題への共同対応について、今後、さらに連携を深めていく考えはあるのか、お聞かせください。

健康福祉部長 中道佐和子

 ただ今の質問の、行政と福祉事業所との連携についてお答えさせていただきます。高齢者福祉の現場におきましては、通所介護や訪問介護、ケアマネジャーなど、日々利用者と接している事業所の皆様が、高齢者の生活機能や心身の変化、家族介護の状況、社会的孤立の兆しなどを、最も早く把握しやすい立場にあります。

そのため、事業所が現場で把握する個別の高齢者の課題を行政とつなぐことは、高齢者に係る地域課題の早期把握と適切な支援につなげる重要な取組であると考えております。

本市におきましては、地域の困りごとについて地域お助け支援会議で個別に検討し、それらを医療、保健、福祉など多職種が連携する会議で、地域の実情や現場の課題を共有し、それぞれの立場でできることの方向性を協議しております。

引き続き福祉事業所や関係機関との連携を一層強化するとともに、地域ケア会議等の各種会議を活用し、現場で把握された生活課題や支援ニーズの共有に努めてまいります。

また、個別支援から明らかになった課題を地域課題として整理し、民生委員や社会福祉協議会等と連携を図りながら、早期に対応できる取り組み、相談支援体制の充実を進めてまいります。

青柳篤始

 はい、ぜひお願いいたします。施設で終わる福祉から、地域へ戻る福祉へ。私はこの視点がこれからさらに重要になると考えています。通所介護や介護予防事業によって、外出習慣が戻った。表情が明るくなった。身体機能が改善した。社会参加意欲が戻った。こうした方は多くおられます。これは、本当に素晴らしい成果であります。しかし、その後どうなるのか。せっかく元気を取り戻しても地域に戻る場所がなければ、また家に閉じこもってしまうかもしれません。それでは、非常にもったいない。例えば、地元サロン、お茶、飲み会、健康体操会、地域行事、見守り活動。こうした地域の場へ自然とつながっていく仕組みがあれば、福祉効果はさらに高まるのではないでしょうか。また、人と話すこと、役割を持つこと、顔を合わせること、そうした日常そのものが、介護予防や孤立防止にもつながっていくのではないかと感じています。私は、地域福祉とか、地域支援を受け続ける仕組みではなく元気を取り戻した方が、再び地域の中で役割や居場所を持てる仕組みであるべきだと考えています。そこで、お伺いいたします。通所支援や介護予防で元気を取り戻した方々が、地域活動へ移行しやすくなる仕組みづくりについて、市のお考えをお聞かせください。

健康福祉部長 中道佐和子

 ただいまの質問にお答えします。介護予防や通所支援の利用により、身体機能や意欲が改善した方が、その後も地域の中で役割や居場所を持ち、外出や交流を継続できることは、再び閉じこもり状態となることを防ぎ、介護予防の効果を維持するうえで重要であります。

本市においては、これまでも介護予防教室や地区サロン、公民館での各種活動など、地域において継続的に参加できる場の充実に努めてまいりました。

しかしながら、このような各種活動も知ってもらわなければ参加していただけません。地域のサロンや自主活動、通いの場等へ円滑につながるような仕組みづくりを意識して取り組む必要があると考えております。

具体的には、地域住民にわかりやすいチラシの配布や職員、民生委員等による声かけ、また地域で継続しているサロン等の活動状況を発信するなどを検討したいと思います。

今後も、本人の意向や生活環境を十分に踏まえ、支援終了後の生活を見据えた目標設定を行い、関係機関と連携しながら、元気を取り戻した方が無理なく地域活動へ参加できるよう支援してまいります。

青柳篤始

 民間との連携もぜひお願いしたいと思います。事業所の力をもっと地域へ生かせないでしょうか。私は、元気を取り戻した方が地域に戻り、役割を持てることをもっと制度として評価していく視点が必要だと考えています。

しかし、現状では介護度が改善すると、事業所の報酬が下がる側面もあり、現場からさまざまな声が聞こえております。もちろん、制度全体には、さまざまな考え方があります。しかし、私は元気になってよかった。地域へ戻ることができた。こうした成果を地域全体で喜び合える仕組みこそ大切ではないかと感じております。

そして、その積み重ねが将来的には、制度そのものを見直していく流れにつながっていく可能性もあるのではないでしょうか。地域で成功事例を積み重ねていくことは、結果として、国の制度を動かす力にもなり得る。私はその可能性を感じております。また、先進的な自治体では、自立支援や地域参加を重視した取り組みも始まっております。そうした中で、私はもう1つ重要なことがあると考えております。それは、事業所の持つ力をもっと地域に生かしていくという視点であります。地域にはサロンを始めたいけど、やり方がわからない。進行役がいない。介護予防の知識がない。継続できるか不安。そうした理由で始めたくても、始められない地区もあります。一方で事業所には、健康体操の知識、レクレーションの経験、高齢者との接し方、居場所づくりのノウハウ、こうした力があります。私は、この力を地域へ届けることができれば、大きな地域意欲になると考えております。例えば、市が橋渡し役となり、事業所職員や経験者が地域へ出向くサロンを立ち上げる支援をする。地域活動をサポートする。そうした仕組みができれば、地域の支えはさらに広がっていくのではないでしょうか。これは、新たな大型事業をつくる話ではありません。すでに、地域にある力を地域のためにつないでいくという発想であります。私はこのつなぐという視点が、これからの地域福祉に重要になると考えています。そこで、お伺い致します。事業所の持つ知識や経験を地域へ生かしていく取り組みについて、本市はどのように考えておられるのか、お聞かせください。

健康福祉部長 中道佐和子

 ただいまの質問にお答えします。

福祉事業所には、高齢者の身体状況に応じた運動やレクリエーション、口腔栄養に関する知識、居場所づくりの工夫など、地域福祉に生かすことのできる多くの専門性や経験が蓄積されております。本市では現在、約93箇所の通いの場が市内各地区に立ち上げられ、地域の人により運営されています。

一方、地域によっては、活動を始めたい気持ちはあっても、進め方が分からない、介護予防の知識が十分でないといった理由や、継続できるか不安である、地域の理解がえられるか心配といったことから、取組に踏み出せないケースもあると聞いています。

集落などの小さな単位でサロンを始めやすくするためには、地域づくりに対する地域の理解や機運醸成が必要であり、活動に取り組むハードルが下がるような働きかけを行っていきたいと考えております。

こうした地域と事業所をつなぐことができれば、地域における通いの場やサロン活動の立ち上げ、介護予防の充実、見守り体制の強化などにつながる可能性があるものと考えております。

そのため、本市としても、関係機関と連携しながら、事業所が持つ知識や経験を地域へ還元しやすい方策について研究し、地域の実情に応じた橋渡しのあり方を検討してまいります。

青柳篤始

 小さな支援が大きな地域力につながります。私はこれまで地域福祉について、さまざまな視点から申し上げてまいりました。しかし、最後にもう1つ、大切なことはあります。それは、地域が動き出すためには、ほんの少しの後押しが必要だということであります。地域では、やりたい気持ちがある。集まる場所もある。協力してくれる人もいる。しかし、その一方で、会場費が少し足りない。備品が買えない。送迎の燃料代が負担になる。お茶の持ち出しが続いている。こうした小さな理由で活動が続けられなくなることもあります。私は、地域づくりというのは、必ずしも大きな事業だけで成り立つものではないと考えております。むしろ、地域の茶の間。小さなサロン。月一度の集まり。顔を合わせる場所。こうした小さな積み重ねこそが孤立防止や予防介護につながり、結果として、地域を支える大きな力になっていくのではないでしょうか。また、こうした活動は、高齢者だけのためのものでもありません。地域で顔を合わせる関係があることは、防災、防犯、子育て、見守りなど、さまざまな地域力にもつながっていきます。私は地域福祉とは、福祉分野だけの話ではなく、地域そのものが維持していく土台だと考えております。だからこそ、小さな活動を小さいまま終わらせない視点が必要ではないでしょうか。大きな補助金でなくてもいい。地域がまずやってみようと思える、そんな小さく、使いやすい支援こそ、これから重要になるのではないかと感じております。そこでお伺いいたします。地域サロン、見守り活動、多世帯交流などを支える小規模で使いやすい地域の支え合い支援制度について、本市はどのように考えておられるのか、お聞かせください。

市長 森之嗣

 ただ今の質問にお答えしたいと思います。地域の支え合い活動においては、地区内の小さなサロンや月に一度の集まり、見守りや声かけといった身近な取組の積み重ねが孤立防止や介護予防、防災・防犯にもつながる大切な基盤であると考えています。

また、それらの活動を続けるうえでは、会場使用料や備品代、消耗品費、送迎に係る負担など、比較的小さな負担が継続の支障となる場合もあるものと認識しています。

現在、社会福祉協議会などでは、支え合い活動に係る立ち上げ経費と運営経費に対する補助制度を設けております。これらの制度について、必要とする地域にしっかり周知してまいります。そのうえで、現場の声を丁寧に伺いながら、地域の実情に合った小規模で使いやすい支援のあり方について検討してまいりますと思います。

地域福祉は、議員ご指摘のとおり、福祉分野だけではなく、防災・防犯・見守り・多世代交流・子育て等、多面的な課題を有します。

市としてこの重要課題について、部局間連携を強化しながらしっかり対応してまいりたいと考えております。

青柳篤始

 ぜひ使いやすく、しかも何の手続きという話ではないですけど、手続きが簡素化されたそんな支援を行っていただきたいなというふうに思います。

 私はこの議論は5年後では遅いと考えております。今なら、まだ地域を知る人がいる。世話役がいる。行事が残っている。助け合いの記憶がある。顔を合わせる場所がある。しかし、それらが失われてから、再び作り直すことは、簡単ではありません。地域のつながりは、建物のようにお金で作られるものではないからです。私は今ある地域力を、今のうちに次の世代へつなぐことが必要だと考えています。

最後に申し上げます。地域福祉とは、単にサービスを増やすことだけではありません。地域が、人が、地域で安心して暮らし続けられること、地域の中で役割や居場所を持てること、そして地域そのものが続いていくこと。それもまた、福祉であります。

この町には、昔から受け継がられてきた財産があります。ご近所付き合い、声かけ、少しのおせっかい。私はこの温かい力こそ、これからの時代に必要な地域福祉の原点だと考えています。最近、私は、学校施設の利活用事例などを見て回っております。都市部では、学校跡地に店舗やオフィスを組み合わせた新たな価値を生み出している成功事例も多くあります。そこには、クリエイティブという言葉がよく聞こえてまいります。もちろん、それも1つの答えであります。しかし、私は地方には地方の答えがあるのではないかと感じております。新しいものを外から求める前に、この街にこれから本当に必要とされるものは何か。その需要を見つめ直すことこそ、大切なのではないでしょうか。これからの時代、確実に必要となっていくものの1つが、高齢者福祉であり、地域で支え合いながら暮らし続ける仕組みであります。私は、未来の地図を描くときは、遠くの成功事例をそのまま真似することではなく、足元の現実を見つめ、その先を考えることだと思っております。もしかすると、私は少し未来が見えるメガネをかけているのかもしれません。

そして最後に、この質問を取り上げた理由について少しだけお話しさせていただきます。私には地域活動や、さまざまな活動を通じて、お世話になった先輩方がおられます。私を育ててくださった大切な方々です。ここ数年、その先輩方が体を悪くされたり、入院されたりする時期を迎えています。もちろん、昔のように夜遅くまで飲みに行ったり、現場を走り回ったり、そうした付き合い方は難しくなってきているのかもしれません。しかし、私はその方々に引退してほしいとは思っておりません。むしろ、次のステージで、その経験や知識を生かしながら、まだまだ活躍していただきたい。そして、正直に申し上げれば、私自身、まだまだ先輩方に連れて行ってほしい景色があります。私には想像もできない場所へまだ導いていただける、そんな期待を持っております。そしてまた、先輩方が次の役割に進むことで、若い世代にも新しい挑戦の機会が生まれていく。先輩が若者を育て、若者がまた次の世代へつないでいく。私はそうした循環こそが、本当の意味で、地域が続いていく姿なのではないかと考えております。行政だけの福祉から、地域とともにつくる福祉へ、施設だけで終わる福祉から、地域へ戻る福祉へ、そして、支えられる人を支えるだけではなく支えている人を支える地域へ、あわら市らしい地域福祉モデルの構築を期待して私の一般質問とさせていただきます。

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