自治力という言葉があります。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、私は、これからのあわら市にとってとても大切な考え方だと思っています。
困りごとがあったとき、すべてを行政任せにするのではなく、まず地域で考え、支え合い、小さく動いてみる。そうした力が地域の中にあるかどうかで、まちの未来は大きく変わっていきます。
今回の一般質問では、公民館の現状を確認しながら、人材育成を中心に据えたコミュニティセンター構想について提案しました。施設をつくることが目的ではなく、人と地域をどう育てていくのか。
その仕組みを、あわら市としてどう考えていくのかを問う内容です。
なぜこの質問をしたのか
今回の一般質問の出発点は、地域の現状に対する危機感でした。
いま、地域は静かに弱っています。産業の担い手は減り、挑戦の場は限られ、行政への依存は強まっている。この流れのままで、本当に地域は持続できるのか。その問いが、今回の質問の原点です。
一方で、現場を見ていく中で、確かに感じたこともあります。例えば福祉分野においては、福祉団体や地域団体による活動、施設の開放など、地域の中に活性化の芽がすでに生まれています。こうした取り組みを続けてこられた皆さまに、心から敬意を表します。
つまり、地域に力がないのではありません。その力がつながりきれていない、仕組みになっていない。そこに課題があると感じました。
だからこそ今回の提案は、単なる施設の話ではありません。地域の中にある力をどうつなぎ、どう育てていくのか。そのための「拠点のあり方」を問うものです。
特に重要だと考えたのが、役割の整理です。コミュニティセンターが担っている二つの役割、福祉サービスと若者支援を明確に分け、それぞれの目的に応じた機能を持たせる必要があると考えました。この整理が曖昧なままでは、すべてが中途半端になり、結果として誰にも届かない仕組みになってしまいます。
行政がすべてを担う時代ではありません。しかし、地域にある力をつなぎ、仕組みとして支えることは、行政にしかできない役割です。それぞれが独立しながらもつながり、まち全体を支える力になっていく。その形をつくることが、これからのあわら市に必要だと考え、今回の一般質問に臨みました。
質問
・現在の公民館の役割、法的位置づけ、利用状況および事業内容について
・公民館における若者支援および地域活動担い手育成の現状と課題について
・人材育成を中心機能としたコミュニティセンター整備の可能性について
・民間活力を活用した運営形態の検討について
・街中の空き家活用を前提としたモデル型拠点整備について
・福祉特化型コミュニティセンターにおける見守り機能の強化について
・第2世代交付金等の国制度活用の可能性について
要約
・テーマは「地域の担い手をどう育てるか」
→ コミュニティセンター構想を通じて議論
・公民館は現在、学びや交流の場として機能
→ 多くの市民に利用され、一定の役割を果たしている
・一方で課題もある
→ 若者(中高生・20代)の参加が少ない
→ 挑戦や活動を支える仕組みが弱い
・これからは「人材育成」が重要
→ 地域で動ける人を増やすことがまちの力になる
→ 企業の人材確保にもつながる
・提案①:若者・地域活動支援型の拠点
→ 中心市街地に設置
→ 企画・挑戦・実行を支える場所
→ 民間の力を活用した運営
・提案②:福祉特化型の拠点
→ 高齢化地域に設置
→ 見守り・相談・予防を一体で支える
・進め方の考え方
→ いきなり全体を変えない
→ まずモデルを1ヶ所つくり検証
・行政と民間の役割分担が必要
→ 行政=制度設計・支援
→ 民間=運営・実行
・今回一番伝えたかったこと
→ 「自治力」がこれからのまちの鍵
→ 地域で考え、動き、支え合う力を育てることが重要

本文
青柳篤始
今、地域は静かに弱っております。担い手は減り、挑戦の場は限られ、行政の依存はますます強まっています。こうした現実の中で、今回の一般質問は、コミュニティセンター構想による人材育成と地域拠点整備について問うものであります。目的は施設整備そのものではありません。人と地域をどう育てるか、その仕組みを拠点という形でどう再設計していくのかを問うものであります。その議論を進める前提として、まず、現在の公民館の位置づけを確認させていただきます。
あわら市には現在九つの公民館が設置されております。公民館は社会教育法に基づく施設として、生涯学習の場を提供し、教室やサークル活動、貸館業務を中心に運営されているものと認識しております。また、行政直営で運営されている施設でもあります。私自身も公式LINE等で活動の様子を拝見しておりますし、市民の皆様からも評価の声を伺っております。地域における学びと交流の場として一定の役割を果たしていると受け止めております。
そこで伺います。現在の公民館の法的位置付けと業務内容、各課の利用状況および利用率、さらに主な事業内容とその成果について現状をお示しいただきたいと思います。
教育部長 山下綱章
まず、公民館が担っている法的位置づけおよび業務内容についてお答えをいたします。
公民館につきましては、社会教育法第20条の規定に基づき、住民のために、生活に即する教育、学術及び文化に関する各種事業を行い、住民の教養の向上、健康の増進など、生活文化の振興および社会福祉の増進に寄与することを目的として設置されております。
この目的のもと、公民館は、年齢・場所・機会を問わず、生涯にわたり行われる学習、いわゆる生涯学習を推進する拠点として位置づけられております。
本市におきましては、市内9か所に設置された各公民館が地域の特性や利用者ニーズを踏まえ、複数回参加型の定期講座に加え、1回で完結する単発講座を実施しております。また、住民の学習成果や活動を発表する機会として、地域と連携した祭り等のイベントも開催し、地域文化の振興に努めているところでございます。
さらに、公民館が社会教育の推進と地域コミュニティの形成に寄与する重要な施設としての役割を十分に果たすべく、貸館業務においては、利用申請手続きの円滑化や共有スペースの環境充実など、利用者の利便性向上に向けた改善に日々取り組んでおるところでございます。
次に、各館の利用状況および利用率についてお答えします。
まず、令和6年度の各館の利用状況でございますが、公民館全体で年間、定期講座を681回、単発講座を108回開催しております。
そのほか、各公民館で公民館まつりなどのイベントや自主クラブなどへの貸館を行っており、多くの方に利用されております。
また、令和6年度の公民館の利用率につきましては、公民館利用者数は87,493人であり、その内、拠点公民館である中央公民館が約30%、湯のまち公民館が約15%と、生涯学習の拠点として多く活用されている状況でございます。
最後に、主な事業内容とその成果についてお答えをさせていただきます。
まず、定期講座につきましては、デッサンやピアノといった技術・知識の習得を目的とした講座のほか、ヨガや健康体操などの健康増進を図る講座を実施しており、令和6年度は42教室に約7千人の参加がございました。
また、単発講座につきましては、歴史、料理、ものづくりなど、多種多様で幅広い世代を対象とした内容を各館において展開しており、同年度は86講座に約1,500人の参加がございました。
さらに、定期講座の受講者が講座終了後も学習活動を継続したいという意欲から、自主的に「自主クラブ」を組織し、公民館を拠点として活動を行う例も見られ、地域における学習文化の広がりにも寄与しているところでございます。
今後とも、公民館が地域住民の学習及び文化活動の拠点として、社会教育の推進と地域コミュニティの形成に一層貢献できるよう、共有スペースの環境整備など、利用者の利便性向上に努めてまいります。
青柳篤始
ありがとうございます。先日、サードプレイスの件で、公民館施設等にご相談に伺う機会がありました。その際、できるだけ施設を活用してほしいという思いが伝わってまいりました。そもそも私がお願いする以前に、柔軟な対応をされている様子も見受けられましたし、現場の前向きな姿勢と意欲を感じ、大変心強く思いました。
一方で、現在の枠組みの中でできることは一定の整理があり、より広い役割が求められているのではないかという印象も受けました。
そこで伺います。少子化や若者流出、企業の人材確保が課題となる中で、地域の担い手育成はこれからのあわら市にとって重要なテーマであると考えます。現在の公民館は、生涯学習の場として機能しておりますが、若者の挑戦や地域活動の担い手育成という観点をどのように位置づけられておられるのか、
また、若者世代を対象とした事業や担い手を育成する取り組みがどの程度行われているのか。
さらに、公民館が将来的に担い手育成の拠点となり得るとお考えかどうか、見解をお示しいただきたいと思います。
教育部長 山下綱章
まず、現在の公民館は、生涯学習の場として機能しておりますが、若者の挑戦や地域活動の担い手育成の観点をどのように位置づけているのかとのご質問にお答えをさせていただきます。
公民館は、これまで市民の学びを支える生涯学習の拠点として重要な役割を果たしてまいりました。一方で、人口減少や地域コミュニティの変化が進む中、地域を支える若い世代の参画や育成は、これまで以上に重要な課題となっております。
こうした状況を踏まえ、公民館では、従来の学習機会の提供に加え、若者世代の利用促進に資する講座の充実を図っております。
具体的には、単発講座において親子を対象とした、細呂木公民館での「たたら製鉄実習」や、湯のまち公民館での「ミニ門松づくり講座」など、若者世代が参加しやすい講座の展開を強化してまいりました。
これらの取り組みにより、将来的な地域活動の担い手を育む場としての役割を、引き続き位置づけてまいりたいと考えているところでございます。
次に、若者世代を対象とした事業や、地域活動の担い手を育成する取り組みがどの程度行われているのかとのご質問にお答えをさせていただきます。
まず、公民館における取組として、中央公民館では金津地区、湯のまち公民館では芦原地区の児童を対象に、放課後子ども教室を実施しております。週末や長期休暇には、多様な参加型イベントを企画し、子どもたちが地域とのつながりを感じられる機会を提供しているところでございます。
また、単発講座におきましても、地域の文化や特色に触れることができる内容を取り入れ、子どもたちが地域への理解を深められるよう努めております。
一方で、中高生や若者世代の公民館利用につきましては、他の世代と比べて少なく、十分な取組が行われているとは言い難い状況にあると認識しているところでございます。
このため、今後は市内各学校とも連携を図りつつ、公民館の役割や魅力を深めていただけるよう取り組みを進め、若者世代の参画促進に努めてまいりたいと考えております。
最後に、公民館が将来的に担い手育成の拠点となり得るかとのご質問にお答えいたします。
公民館は、これまで地域の学習や交流の場として重要な役割を果たしてまいりました。しかしながら、近年、地域社会が抱える課題は多様化しており、また少子高齢化の進行に伴い、地域の担い手をどのように育成していくかは、これまで以上に重要な課題となっております。
こうした状況を踏まえ、公民館には、20代から30代の若者をはじめとする次世代の地域の担い手を育成する機能が、今後さらに求められていくものと認識しております。
また、公民館は、多世代が集い、地域の文化や課題に触れることができる場であり、企画力の向上や協働の経験を積む機会を提供できることから、担い手育成の拠点としての役割を果たせるよう努めてまいりたいと考えております。
青柳篤始
人材育成が本市にとって重要な政策課題であるとのご認識、また20代、30代の活動支援が将来の地域リーダーの育成や企業の人材確保に繋がるとのご見解は、私も強く共有するところであります。
その上で申し上げます。現在、公民館は生涯学習や地域交流の場として重要な役割を果たしております。しかし挑戦を支え、伴走し、地域と企業を繋ぐという機能を本格的に担うためには、既存の枠組みとは異なる整理も必要ではないでしょうか。その実現に当たっては、既存施設の機能拡充にとどまらず、小規模でも段階的に検証できるモデル型の拠点整備という選択肢を含め、整理していく必要があると考えています。
ここで改めて提案申し上げます。私が考える人材育成型の拠点とは、単に場所を提供する施設ではなく、地域活動に挑戦する人、プロジェクトを立ち上げる人、企業と地域を繋ぐ人、そうした担い手を育てる拠点であります。これは若者が企画し、実行し、失敗し、そして次に繋げる経験を積むことを支える場であり、その調整に、行政や民間が伴走する仕組みを備えた拠点であります。
少子化と若者流出が続く中で、地域を支える人材をどう育てるかは、本市の将来に直結する課題であります。あわら市は企業のまちであります。主体的に関わり、企画し、実行する経験を持つ人材は企業にとっても大きな財産となります。そのような挑戦を支え、伴走し、繋ぐ機能を持つ拠点こそが、これから求められる姿ではないでしょうか。もちろん、住民同士の交流促進や文化振興、防災拠点としての機能は大切な基盤であります。しかし、中心に据えるべきは、人を育てるという目的であります。そこで伺います。
人材育成を中心機能としたコミュニティセンターのあり方について、特に地域の将来を担う20代、30代の活動支援を明確に位置づけた拠点整備を含め、本市としてどのような方向を描いておられるのか。また、その検討の中で、段階的なモデル型拠点整備や民間活力を活用した運営形態をどのように位置づけられておられるのかお示ししていただきたいと思います。
創造戦略部長 渡邊清宏
議員ご指摘のとおり、少子化や若者流出、企業における人材確保が課題となっている中で、地域を支える担い手をどのように育成していくかは、本市にとっても重要な政策課題であると認識しています。
現在の公民館は、生涯学習や地域交流の場として一定の役割を果たしておりますが、ご提案いただいたように、挑戦を支え、伴走し、地域と企業をつなぐ拠点としての機能につきましては、今後の施設のあり方を検討する上で一つの重要な視点であると受け止めております。
特に20代、30代への活動支援につきましては、子育て世代や若手社会人が地域活動に参加しやすい環境づくりが不可欠です。これは将来の地域リーダーの育成や企業の人材確保という観点からも検討する価値があるテーマであると考えております。
まずは、ニーズを把握しつつ、若者を中心としたまちづくりの機運醸成や支援制度を確立したうえで、その活動拠点の整備を検討してまいりたいと考えています。
また、民間の活用につきましては、専門性や機動性を活かすことができる可能性がある一方で、公平性や持続可能性なども考慮しながら慎重に検討していく必要がございます。
人材育成を中心に据えた拠点のあり方については、本市の今後のまちづくりや公共施設の再編の議論の中で、方向性を整理してまいりたいと考えております。
青柳篤始
ぜひ議論していただき、その需要を把握していただきたいなというふうに思います。ただ、さらに具体的な提案をさせていただきます。
私は二つの柱による段階的かつエリア特性に応じた拠点整備を提案いたします。まずは中心市街地における若者地域活動支援型の拠点です。そして、次の段階として、高齢化が進む地域における福祉特化型拠点であります。既存公民館を一斉に公民化することが目的ではありません。公民館は社会教育法に基づく施設として重要な役割を担っております。しかし、制度上の位置づけや行政直営という運営形態を踏まえると、人材育成や地域プロジェクトの伴走支援といった攻めの機能を中心に備え据えるのは、一定の制約があるのも事実であります。だからこそ、まず1ヶ所モデルモデルとなる拠点を整備し、その成果を検証しながら、段階的に展開を進めていくことが現実的であると考えています。
まず、第1の柱、若者の地域活動支援型拠点についてです。
中心機能は人材育成であります。地域活動に挑戦する人、企画を立ち上げる人、企業と地域を繋ぐ人材を育てる拠点でもあります。同時に中心市街地に人の流れを生み出し、地域活性化と街中の賑わい創出にも繋がる拠点であります。
単なる貸し館ではなく、コーディネーターが伴走し、企画し、実装まで導く仕組みを持つ拠点でもあります。若者支援や挑戦者支援には柔軟性とスピード企業との接続力が求められています。行政直営では難しい部分を民間ノウハウやネットワークで補うことができるからこそ、民間主体の運営を提案したいと思います。自ら考え、動き、周囲を巻き込む力は、地域の調整の場でこそ育ちます。その経験は若者自身の成長に繋がるだけではなく、企業にとっても重要な資質であります。
視察した東京にある「あやセンター」の事例では、民間主体で若者の挑戦を支え、地域と企業を結びつける仕組みが構築されておりました。こうした先行事例は全国にも広がりつつあります。行政は制度設計と支援を担い、民間が主体的に運営する。官民が役割を分担することで、発展性と持続可能性を両立させることが可能になると考えます。
二つ目は、福祉特化型拠点です。超高齢化社会を迎える中で、歩いて通える福祉拠点は不可欠であります。フレイル予防の場、チームオレンジの活動拠点、福祉相談のサテライト機能を備えた福祉事業者が主体的に関わる形を想定しています。
輪島市の事例では、民間福祉のエキスパートが運営を行い、日常の交流と専門的支援が自然に結びつく拠点が形成されております。重要なのは、日常的な見守り機能であります。顔の見える関係の中で異変に気づき、早期に支援と繋ぐ「交流」「予防」「見守り」が一体となる拠点こそが、これからの地域福祉の支える役割を担うのではないでしょうか。
これらの提案は、理想論ではありません。国において、新しい地方財政「生活環境創生交付金」、いわゆる第2世代交付金が創設され、地方公共団体の自主性と創意工夫を生かした拠点総合整備や、人材育成事業を支援する制度が整えられております。ソフトとハードを一体で支援する制度であり、本市として十分活用の余地があると考えます。攻めの人材育成と支えの見守り機能、この両輪があってこそ持続可能なまちが形成されます。
既存施設をどう変えるかではなく、まずモデルを作り、成功事例を積み上げる。その挑戦を本市として具体的に検討するお考えはあるのか。
また、中心市街地での空き家活用や官民連携、そして第2世代交付金等の活用を視野に入れた拠点整備について、市としてはどのような方向性を持っておられるのか、お示しいただきたいと思います。
創造戦略部長 渡邊清宏
議員ご提案の、「若者・地域活動支援型拠点」および「福祉特化型拠点」という二つの柱による段階的な整備につきましては、本市の将来を見据えた重要なご提案であると受け止めております。
既存の公民館は、生涯学習の拠点として重要な役割を果たしておりますが、人口減少や少子高齢化が進行する中で、地域を担う人材育成や日常的な見守り機能を一層強化していく必要性が高まっていると認識しております。
特に、20代、30代の活動支援を明確に位置づけ、挑戦を後押しする環境を整えることは、本市の企業活動や地域経済の活性化にもつながる重要な視点であります。
また、街中に拠点を設けることは、人々の流れを生み出し、にぎわい創出や中心市街地の活性化にも寄与する可能性があると考えております。
さらに、街中における福祉機能の充実や、顔が見える関係に基づく見守り体制の構築も、今後ますます必要になると認識しております。
しかしながら、議員ご提案の2つの柱をモデルとした拠点整備につきましては、段階的な検証や関係部局との協議、さらに財源や制度の整理が必要であるため、その実現は容易ではないと考えております。
市としては現在の公民館の役割を尊重しつつ、他自治体の情報も収集しながら、地域ニーズに基づいた理想的な拠点の姿について、総合的かつ慎重に検討してまいりたいと考えております。
また、事業の具体化に際しましては、国の第2世代交付金をはじめ各種支援制度も活用していきながら、実現に向けた方策を前向きに検討してまいりたいと考えております。
青柳篤始
ぜひいろんなことを検証しながらですね、このまちに合った形、私の提案はただ一つの提案ではございます。いろんなことを検証していっていただきたいなというふうに思います。ただ、私が申しあげたかったのは、コミュニティセンターという名称だけを公民館に重ね、機能を手探りで追加する事例も各地で見受けられます。しかし、それでは本来の機能を実装するまでに相当な年月を有し、結果として中途半端な形にとどまるおそれがあります。そういったことを防止するためにもしっかりとした検討をしていただきたいなと思います。
ただ、公民館という言葉に馴染みのない世代も増えつつあります。話題性と新たな目標を明確に掲げることで、まずいろんなことをやる上でモデル拠点を整備する。そういった段階を踏むようなことも行っていただきたいなというふうに思います。そしてそのモデルが成功すれば、公民館もまた新たな形へと進化していく可能性も生まれてきます。そこには、先ほどから皆さんがおっしゃられているように、生涯学習とそれから人材育成が両立し、また地域福祉や見守り機能を備えた新しい自治体の時代に即した機能が姿が生まれていくのではないかなというふうに思ってます。
ただ、私が今回申し上げたいのは施設の名称や形の問題では実はありません。私が問いたいのは、あわら市の実力であります。困りごとが自然と話題となり、行政に頼る前に、まず地域で考え、小さく挑戦し、失敗しても次に繋がることができる。その力が地域の中に蓄積されているかどうか、それこそが人口減少を生き抜くための本質ではないでしょうか。
定住率が伸び悩む背景には、移住希望者がいないのではなく、決断できるだけの安心が足りないという現実があると私は考えています。その安心とは制度の数ではありません。人と人とが繋がり、相談できて挑戦できる。そうした力が地域の中に息づいていることであります。
コミュニティセンターとは、サービスを提供する施設ではなく、自治力を育て、蓄積する装置であるべきだと考えています。そして、今、人口減少は確実に進んでおります。若年層のみならず、高齢者人口も既に減少トレンドに入っております。担い手が減るということは、やがて地域福祉そのものが支えきれなくなる可能性を意味しています。その前に、地域福祉を支える仕組みを整えると同時に、既存施設の維持管理についても、持続可能な形へと見直ししていく必要があります。
建物がなくなることは確かに寂しいことであります。しかし、形を変えながら本当に必要な機能が残り、新たな役割を担い、地域を支えていく。その再設計こそが、今私達に求められている決断ではないでしょうか。
そして、同時に、これからの拠点作りにおいては、全てを行政が担うという発想からの転換も必要であると考えています。人口減少が進む中で、行政が新たな施設資産を増やし続けることは、維持管理コストの観点からも現実的ではありません。むしろ既存資産をどう生かし、持続可能な形で運営していくかが重要になります。その意味で、地域の挑戦を支える拠点作りにおいて、行政だけに依存するのではなく、事業者や民間が主体的に関わり、責任を持って事業として成立されていく姿勢が不可欠だと考えています。行政は制度設計や支援を担い、民間は運営や事業展開を担う。それぞれの役割を明確にすることで、初めて持続可能な仕組みが生まれるのではないでしょうか。
これは構想段階の空論ではありません。私自身も関係する民間事業者の皆さんと意見を交換を重ねております。若者向け拠点については、運営形態や設置場所、支援企業の可能性など、実務レベルでの議論が既に進んでおります。福祉特化型の拠点についても、短期集中型事業の拡充や、将来的な福祉基盤への危機を共有する中で、検討に値するとの声を民間事業者から直接伺っております。
もちろん、私が制度設計を行うべきだとは考えておりません。むしろ、こうした現場の対話を契機に、行政の皆さんが前向きに検討し、挑戦に踏み出せる環境を整えることが重要であると考えております。行政が主導するのではなく、行政が背中を押す。その関係性の中でこそ、自治力は本物になるのではないでしょうか。
私は、この自治力こそが、市長の掲げる「つながるあわら」、そして「未来へつながる」という理念を支えるのに不可欠な要素であると考えております。つながるとは、単に人が集うことではありません。困りごとを共有し、考え、挑戦し、支え合える関係が地域に積み重なっていくこと。その積み重ねがあってこそ、繋がりは一過性のものではなく、未来へと続いていくのではないでしょうか。自治力を育てることは、未来へ繋がる基盤を整えることにもあります。その視点を大切にしながら、本市としてのまち作りをさらに前に進めていただきたいと期待しております。
公民館をどうするかではなく、あわら市をどう育てるか、ここで申しあげておきたいのは、特定の場所や施設を決めることを目的としているわけではありません。重要なのは、どこに設置するかという個別の判断ではなく、地域の挑戦や福祉を支える拠点をどのような考えで整備していくのか、その方向性を整理することであります。
場所の選定については、地域の特性や既存施設の活用可能性、民間との連携などを踏まえ、今後丁寧に検討されるべき課題であると考えています。今回の提案は、どこにつくるのかではなく、どのような仕組みで地域を支えるのか、その視点を共有するためのものであります。主役は市民であり、行政はその自主性を引き出す仕組みをつくる存在であります。自治力を育てるまちへ、その挑戦が着実に進んでいくことを期待し、私の一般質問を終わりたいと思います。
