ごみ処理と情報行政の最前線へ|清掃センターと電算処理の視察報告(あわら市笹岡)

あわら市笹岡の清掃センターを視察して——地域の「当たり前」を支える現場から

このたび、福井坂井地区広域市町村圏事務組合の議員に就任を機に、あわら市笹岡にある清掃センターの視察を行いました。

地域の暮らしを支えるインフラの中でも、ごみ処理や行政情報の管理は、目に見えにくいけれど非常に重要な仕事です。今回はその最前線の現場を訪ね、さまざまなお話を伺いました。

目次

清掃センターの現場から見えた「支える力」

清掃センターでは、主に以下の3つの業務が行われています。

  • 燃えるごみの焼却処理(1日70トン)
  • 粗大ごみ等の破砕処理
  • 焼却後の灰の処分

どれも、私たちが何気なく出している「ごみ」の背後で、大きな労力と技術を必要とする業務です。とくに焼却施設の運転は、職員の方々による慎重な管理とノウハウが欠かせません。

現場で働く皆さんの努力と工夫が、地域の「当たり前の日常」を支えてくれているのだと、改めて感じました。

電算センターが果たす、もうひとつの役割

福井坂井地区広域市町村圏事務組合では、清掃事業に加えて、もう一つの重要な業務として電算処理センターの運営があります。

こちらでは、次のような住民サービスの基盤となる情報システムの管理を行っています。

  • 住民基本台帳などの個人情報管理
  • マイナンバーに関する処理
  • コンビニ交付サービス(住民票や印鑑証明書などの発行)

これらは普段あまり意識されない業務ですが、正確で安全な行政サービスを提供するうえで欠かせない存在です。

ごみ処理費用の削減に向けて、できることから

視察を通じて、今後自分が取り組んでいきたい方向性も見えてきました。

まずは、ごみの処理費用を1円でも削減するということです。
ごみの量を減らすことが最も効果的ではありますが、リサイクル可能なものはリサイクルへ回し、適切な分別と処理によってコストを下げるという視点が大切です。

さらに、その取り組みを評価に繋げ、最終的に住民の皆さまに利益として還元できるような仕組みを模索してまいります。

たとえば、「ごみの見える化」の導入を検討しています。
これは、単に処理量を把握するだけでなく、家庭ごと・地域ごとにどれだけのごみが出ているかを数値で可視化することで、市民の意識を高め、分別や減量の行動につなげる狙いがあります。

加えて、ごみ処理にかかる費用を分かりやすく公開・共有することによって、行政と市民がともに課題を共有しながら、持続可能な循環型社会を目指していけるのではないかと考えています。

電算処理とマイナンバーの“もったいなさ”

今回の視察では、電算業務のあり方についても考える機会となりました。

住民情報は非常に機密性の高いデータであり、自治体同士は安全な独自ネットワークで結ばれています。
その上で、各自治体はそれぞれソフトを開発・運用しており、マイナンバーカードもその一つの重要な基盤です。

このマイナンバーカードは、実は非常に優れたセキュリティ機能を持っています。
しかし、意外なことに、その利活用があまり進んでいないのが現状です。

今やスマートフォンのアプリは、柔軟で高速、しかもさまざまな仕組みと連携しています。それにも関わらず、国はいまだに紙の「仕様書」を出し、自治体にそれぞれ独自ソフトを開発させるというやり方を続けています。

「競争」と呼ぶにはあまりに非効率であり、共通の基盤は国が整備し、自治体はその上でサービスの工夫を競うべきではないかと感じています。

他自治体に学ぶ、先進事例

他の自治体では、こうした課題に先進的に取り組んでいる例も見られます。

たとえば、神奈川県鎌倉市では、「標準化・共通化」を進める国の方針に沿って、マイナンバーカードを使ったオンライン手続きやAI窓口の試験導入が進められています。

また、京都市では家庭のごみ排出量をWeb上で確認できる「ごみ見える化システム」を一部地域で導入し、住民の行動変容につなげる成果が見られています。

あわら市でも、こうした他地域の知見に学びながら、「地方だからできない」ではなく「地方だからこそできる取り組み」を進めていきたいと考えています。

声を届け、未来をつくる

もちろん、現場の業務を止めることなく、円滑に進めていくことも、私たちの重要な役割です。

しかしその一方で、現場の違和感や課題に気づいたときには、小さな自治体の一議員としての立場からでも、その声を丁寧に国に届けていくこと——それこそが、地方議員としての責務でもあると信じています。

あわら市、そして坂井地区を含む周辺自治体が、今よりもっと暮らしやすくなるように。
この視察を通して得た学びを大切に、これからも一つひとつ、地道に取り組みを進めてまいります。

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