行政効率化と住民参加の在り方を問う 一般質問

質問

・PDCAサイクルを活用した業務効率化について
・住民ニーズの把握と行政の役割
・EBPM(エビデンスに基づく政策立案)と住民ニーズの関係
・具体的な取り組みと将来への展望

要約

• 行政運営の効率化
市はPDCAサイクルを活用し、業務の効率化を進めている。特に人事異動時の円滑な業務引継ぎが重要と指摘。
• 住民ニーズの把握
市民アンケートや懇談会を通じて意見を収集。若者の声を取り入れるタウンミーティングの導入も検討。
• EBPM(エビデンスに基づく政策立案)
データ活用による政策改善が不可欠。アンケートやワークショップを活用し、市民の生の声を反映。
• ファシリテーターの育成
行政職員が対話を円滑に進めるスキルを持つことで、市民参加の場がより効果的に。
• 人口減少対策
データ分析を基に移住促進や妊産婦支援を推進。今後はデータの収集・活用力を強化。
• 持続可能なまちづくり
総合振興計画は市民の未来のためのもの。市民参加を促し、柔軟に改善を重ねることが重要。
• 今後の展望
行政の透明性を高め、市民と協力しながらより良い町の未来を築いていく。

本分

青柳篤始

 議長のお許しを得ましたので、2番、青柳篤始の一般質問を始めさせていただきたいと思います。一問一答方式にてよろしくお願いいたします。

 今日は、行政運営のさらなる効率化について幾つか質問させていただきたいと思います。

 社会環境が大きく変化する中で、行政は効率でありながら市民のニーズを的確に捉えるというバランスのとれた運営が求められています。こうした中で、PDCAサイクルやEBPMといった考え方が行政改革の重要なポイントになっています。そこで、まず市の現在の取組についてお伺いしたいと思います。

 行政運営の効率化においてよく使われる手法の一つがPDCAサイクルです。これは、計画を立て、実行し、評価をし、改善を図るという流れを繰り返すことで、業務の質を高める考え方です。市役所の業務をより効率的で、より効果的に運営されるべきですが、現在、市では、PDCAサイクルをどのように活用し、業務効率化を進めているのでしょうか。また、これまでの取組によってどのような成果が得られたのかを具体的にお聞かせください。

創造戦略部長(渡邉清宏)

 本市におけるPDCAサイクルを活用した業務効率化及び成果についてお答えいたします。

 本市では、あわら市まちづくり条例第17条に基づき、市政の透明性向上と市民への説明責任を果たすため、毎年度、行政評価を実施しており、その実施に当たっては、業務の効率化に向けた計画、実行、評価、改善のプロセスを継続的に実行する、いわゆるPDCAサイクルの考え方を採用しております。

 まず、総合振興計画において基本理念に基づき各政策や施策が策定され、それらにひもづけられた具体的な数値目標を設定しており、各所管課では日常の事務の執行を通して数値目標の達成を目指しております。事業年度終了後には、各所管課において、各施策の実施状況や数値目標の達成状況を集計した後、内部及び外部の委員による評価を受けることになります。それらの評価を十分に踏まえた上で、各所管課において次年度に向けた取組や改善点などを予算案として編成し、庁内の査定や議会の議決を経て、次年度に事業として執行されます。行政評価のプロセスにおいて、PDCAサイクルを取り込むことで内部や外部委員の皆様の評価に基づき、次年度の事業や施策の継続的な改善や効率化につなげるとともに、予算や人材といった限られた資源を重点的に配分すべき分野を把握することに努めております。

 また、市では、PDCAサイクルを活用した勤務評価を通じて、業務の取組方について評価する能力評価と業務の結果や成果について評価する業績評価を行い、各担当業務に対する遂行能力などの把握を行っております。

 住民ニーズが多様化、複雑化する中、今後も質の高い持続可能な行政サービスを提供し続けるため、職員一人一人の業務に対する適性や能力を把握し、適材適所な職員配置に努めてまいります。

青柳篤始

 PDCAサイクルを適切に使うことで、業務効率化を図っていくということで、恐らく一番効果が発揮されるのはこれからの時期、つまり人事異動のときに、その効果とサイクルの真価が問われるだろうと思います。効率化が図れることで継続中の案件が滞りなく、さらに担当が代わるという新たな発想がサイクル全体の向上につながっていくと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 一方で、行政運営は効率化を進めるだけでは不十分であり、効率的であることだけが全てではございません。市民の皆さんが求めていることにしっかりと耳を傾け、それを行政に反映させていくことこそがまちづくりにおける最も重要な使命の一つです。

 そこで、市は現在住民ニーズをどのように調査し、政策に反映しているのか、具体的な取組についてお聞かせください。また、住民が政策決定により積極的に関与できる仕組みについて、例えば新たな対話の場を設ける考えはあるのかなど、検討されていることがあればお聞かせください。

市長 森 之嗣君

 住民ニーズをどのように調査し政策に反映しているのか、住民が政策決定により積極的に関与する仕組みがあるのかとのご質問にお答えをいたします。

 本市では、現在、毎年実施しております市民アンケートをはじめとした各種調査や市長ふれあいトーク、市政懇談会といった機会を通じ、住民ニーズの把握に努めております。

 まず、毎年度末に実施しております市民アンケートでは、市民の年代別構成比率に基づき、無作為に抽出した市民の皆様にアンケートを実施しています。主な内容としては、本市への定住志向やその理由のほか、本市の子育て支援施策や高齢者福祉などへの評価を問う内容となっております。そのほか、都市計画マスタープランや公共施設再配置計画など個別計画の策定に当たっても市民アンケートを行い、市民の皆様の意見の把握に努めております。アンケートの集計結果については、市のホームページで公表するとともに、全庁でその内容を共有し、各担当業務の改善に役立てております。

 また、市長ふれあいトーク、市政懇談会では、市民の皆様の声を市政に反映することを目的として、市民の皆様と市長がまちづくりや地域の課題について直接対話する機会を設けております。令和5年度で13回、令和6年度で13回、それぞれ実施をしております。さらに次年度に向けては、市内学生や市内企業の若手従業員といった方々の声を聞くための次世代につなぐタウンミーティングについて、今議会で提案をしております。

 引き続き、市民の皆様の声を行政に反映するための取組を継続してまいりたいと考えております。

青柳篤始

 市が行うアンケート調査や市政懇談会は、行政サービスが市民の実際のニーズとずれていないかを確認する貴重な機会です。また、特に制度に関することは、まさにその当事者である市民に直接意見を伺うことが有効な手段でしょう。行政としてよかれと思っている施策でも、市民の実際のニーズと少し違っていることも考えられます。さらに、去年と今年では、市民が求めているものが変わっていることも当然のようにあります。もちろん全ての要望に応えることが難しい場面もありますが、こうした意識のずれを少しずつ改善していくことこそが、漏れなく無駄なく、そして誰も取り残さない行政運営を実現するための鍵ではないでしょうか。

 市民の声をしっかり受け止め、それを行政運営に反映させることは極めて重要です。しかし、それだけではなく、集めた意見やデータをどのように活用し、より効果的に政策へとつなげていくかも行政運営の大きな課題ではないでしょうか。

 こうした背景の中、近年、政府ではEBPM、つまりエビデンスに基づいた政策立案が進められています。これは感覚だけではなく、データと証拠に基づいて、最も効果的な政策を選択するという考え方です。住民ニーズを正しく把握することもまさにこのEBPMの重要な要素だと思います。

 では、あわら市でも、エビデンスに基づいた政策立案を進める考え方はあるのでしょうか。また、こうしたエビデンスを収集し、政策に生かすために、市では具体的にどのような取組を行っているのか。さらに収集したデータをどのように政策の見直しや改善に生かしていくのか。市の方針についてお聞かせください。

創造戦略部長、渡邉清宏

 本市の行政運営に当たり、効果的な政策立案を行うため、これまでの経験や主観的な判断に頼り切りにならず、客観的な証拠であるエビデンスに基づく政策立案、EBPMを行うことは、非常に重要であると考えております。そこで、本市では、現在進めているあわら市総合振興計画の策定において、EBPMを採用しているところでございます。

 具体的には、無作為で抽出いたしました2,000名の市民の方を対象として、総合振興計画策定に向けたアンケートを実施し、市民の皆様のまちづくりへの意向を広く集めております。アンケートによる調査は、多くの市民の方の意見や意識を定量的に把握する有効な手法の一つで、その調査結果は、EBPMに向けた重要なエビデンスの一つであると考えております。

 一方で、アンケートは、市があらかじめ用意した質問に対し定型的に回答を求めることなどから、市民の方がなぜそのように感じるのかという理由などの深掘りが難しい場合があります。そこで、市民の皆様が日頃の生活で感じる問題意識やニーズを聞き出す手法として、総合振興計画の策定過程においてワークショップの実施を予定しております。市民の皆様の意見交換によって、アンケート調査では捉え切れないような生の声を把握することができるワークショップは、定性的なエビデンスを得られる有効な手段であると考えております。

 ワークショップを実施する際には、広報紙や公式LINE、SNSなどを通じて参加者を公募するとともに、オンラインでの参加やユーチューブライブでの配信を行うことで、より多くの幅広い層の方々の参加を呼びかけてまいります。また、アンケートで得た全体的な意見に対し、ワークショップでの具体的な意見による裏づけを行うことで、本市の現状や課題をより深く把握するとともに、具体的な施策の見直しや改善につなげてまいりたいと考えております。

青柳篤始

 市民の皆さんから幅広く情報を集めることができれば、さらによい計画が策定できるという点で、私も強く共感いたします。また、オンラインやユーチューブライブの活用など、こういった手法を取り入れることで、さらに多くの方が参加しやすくなると思います。そして、DXを生かせば、例えばデジタルマインドマップによって内容を整理することで、議論がより分かりやすくまとまりやすくなっていくと思います。

 しかし、どれだけ優れたツールを活用しても、それを円滑に機能させるためには場をつくる力が不可欠です。そこで重要となるのがファシリテーターの役割です。議論を活性化させて、多様な意見を適切に整理しながら結論へと導く存在が必要です。現在、多くの自治体で外部の専門家をこの役割を委ねているのが一般的ですが、職員の皆さん自身がこのスキルを身につけることで、行政の意思決定プロセスそのものがより円滑になり、市民との対話の場も広がると思います。これは、単なる一つの技術ではなく、行政運営そのものの質を高めていくものです。

 私もこうした取組に何でも協力したいと思っています。デジタルツールの活用や情報整理の方法など、私自身の知識や経験を共有しながら、共によりよい議論の場をつくり上げていきたいと思っています。さらに、こうした新たな取組が話題になることで、住民参加型の総合振興計画は、その理解度や進行のスピードが加速度的に増していくと思います。これが本当の意味でのオープンデータ化です。終わったデータを開示する、これは一昔も二昔も前の考え方になります。今起きていることに参加しやすくなることによって、総合振興計画のさらに先も見えてくるのではないでしょうか。

 ここで、改めて問います。総合振興計画は市役所のためのものですか。それともあわら市に住む皆さんの未来のためのものなのでしょうか。そこには、向こう10年ではなく、20年、30年とここに住み続けたい、そんな思いが大きく反映されるべきだと思っています。性別、年齢、立場に関係なく、多くの人がアイデアを出し合い、エビデンスを積み重ねることで、計画はより身近になっていくものではないかと思います。当然、現実的に実現できないアイデアも出てくるでしょう。しかし、なぜできないのかが明確になれば、新たな目標が生まれ、その瞬間、初めて計画は理想から現実へとシフトし、本当に意味のあるものへと進化するのだと思っています。計画とは、策定した時点がゴールではなく、むしろそこからがスタートです。時代の変化や市民の声を常に取り入れながら、よりよいものへとさらに更新し続けることが求められています。

 また、市民の皆さんがこの計画に関わることで、自分たちのまちをつくるという意識が高まり、行政との協力関係もより強固になっていくものと考えています。こうした取組を通じて、この町に住み続けたいと思える持続可能なまちづくりが実現するでしょう。

 総合振興計画は、単なる市役所の政策ではなく、あわら市に住む皆さんの未来の形をつくるものです。そのためには、住民参加をより促し、エビデンスに基づいた意思決定を進めていくことが不可欠だと考えています。しかし、こうした市民の声を反映した計画づくりやデータを生かした政策立案は、総合振興計画に限らず、行政運営全体においても重要な要素ではないでしょうか。実際にEBPMの推進や住民ニーズの把握は単なる理論ではなく、既に具体的な取組が始まっていると聞いています。これは、市政の透明性や信頼性を高めるだけではなく、持続可能な行政運営を実現するための重要な要素だと考えています。

 そこで、現在進行中の具体的な取組について、ぜひご説明をしてください。また、こうした取組をより効果的に進めるための課題や今後強化すべき点についての見解も伺いたいと思います。

創造戦略部長、渡邉清宏

 本市におけるEBPMに向けた取組といたしましては、先ほど申し上げました総合振興計画の策定のほかに、昨年度から組織しました人口減少対策チームでの取組が挙げられます。

 人口減少対策チームでは、昨年から移住者向けポータルサイトの創設や、妊産婦の24時間オンライン相談サービスといった具体的な施策の提案を行いました。令和6年度は、本市における人口減少の現状について、年齢や性別、転出先、それらの複数年の推移について改めて分析することで、客観的な根拠に基づき、より効果的な施策の提案を行うことを目標とし、事業を進めております。

 一方で、現状の分析に際し、本市の住民データのほか、国勢調査や県の人口統計といった様々なデータを参照しており、それらを総合的に分析することは、多くの時間を必要といたしました。また、現在入手できるデータについては限りがあり、十分なエビデンスを形成する上で追加の費用が必要になることや、集計された情報を十分に分析するための経験やノウハウの蓄積には一定の時間を要することなどが今後の課題だと認識をしております。

 限られた予算や人材の中でEBPMを推進するため、まずは優先順位の高い分野から取り組み、庁内でのノウハウを蓄積したいと考えております。その上で費用対効果を勘案し、段階を踏みながら分野を広げ、客観的な根拠に基づいた政策の立案を進めていきたいと考えております。

青柳篤始

 人口減少対策チーム、あるポイントを過ぎると人口が急激に減少するという分析データもあります。早い段階でエビデンスを集めて、それを実行していく、人を育てる。確実に進めていただきたいと思います。

 今日は、行政運営の効率化と住民ニーズの把握の両立について質問させていただきました。行政が効率化ばかりを追求すると、市民の声が置き去りになりかねません。一方で、住民の声を聞くだけではなく、それをエビデンスとして活用し、効率的な施策につなげていくことが求められています。このバランスをどのように取っていくのか。そして、今後の市政運営をどう発展させていくのか。こうした問いに対する考え方が、まちづくりの根幹になるのだと思っています。

 我々議員も同じですが、市民の声をいかに集め、いかに活用するのかは昔も今も変わらず大変重要なことです。しかし、情報の発信や共有がより簡単になった今だからこそ、その根本的な意義や本質がより強く求められているのではないでしょうか。これまでの一般質問の中で、私は皆さんの声を大切にし、合意形成を図りながらエビデンスを見つけてきたつもりです。そして、今回の一般質問を通じて、改めてその大切さを感じています。

 先日、職員の皆さんとEBPMを実現するためのマーケティング講習会やディスカッションに参加しましたが、道の駅やあわら市の観光について話す中で、私自身も新たな発見があり、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。仕事をしていく上で、自分の業務が全体のどの部分を担っているのかを知ることで、業務効率も到達すべきゴールも大きく変わる。これは行政だけではなく、まちづくり全体にも言えるのではないでしょうか。だからこそ私も総合振興計画をつくるためのワークショップを本当に楽しみにしています。しかし、総合振興計画はあくまでも手段であり、目的はもっと大きなものでなければいけません。では、その大きな目的とは何でしょうか。それは、市民一人一人がこの町に住み続けたいと思える未来をつくる、そういうことなのではないでしょうか。まちをつくるのは行政だけではなく、市民の皆さん一人一人です。だからこそ、私も皆さんと一緒にこの場に関わり、未来を築いていきたいと考えています。そして、私自身、できることは何でも協力していきたいと思っています。今日の議論が、これからの一歩となり、この町の未来へとつながることを期待しています。

 今回の一般質問があわら市のより豊かな未来をつくることになることを願い、私の一般質問を終わらせていただきます。

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