市政報告会 5月19日 イコッサ3階 詳細はこちらから

あわら市の教育について

質問

・教育環境の変化への対応と今後取り組むべき課題
・子どもの未来を予測したリサーチ
・学童保育について
・デジタルデバイド(情報格差)への対応

要約

  • 1月1日の地震による被害への哀悼の意と支援への感謝を表明。
  • 「がんばろう北陸」ののぼり旗とロゴを用いて、あわら市の復興と感謝の意を示す取り組みを紹介。
  • コロナウイルス流行後の教育環境の変化、GIGAスクール構想の推進、臨時休校、部活動の地域移行、給食費の半額負担などについて質問。
  • 教育現場の改革と子どもたちの変化、今後の教育委員会の取り組むべき課題について質問。
  • 教育長からの回答には、コロナ禍での教育環境の変化、オンライン授業の導入、国際交流の減少、児童・生徒の精神的健康への配慮、デジタルデバイスの活用の推進が含まれる。
  • 子どもたちの適応能力の高さと、学校・家庭・地域の連携の重要性を強調。
  • 課題解決型学習の導入とインターナショナルスクール等への関心の高まりについて触れる。
  • 不登校の増加と教育システムの変化、デジタルデバイドへの対策の必要性に言及。
  • 放課後子どもクラブの体制や運営、地域全体での子どもたちを見守る伝統の重要性について言及。
  • 将来の教育環境の構築に向けた期待と、地域社会との協力の呼びかけ。

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本文

青柳篤始

 まず最初に、1月1日に起きました地震におきまして、犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表すとともに、被災されました多くの皆様に対しお見舞い申し上げます。また、全国からこのあわら市に対しまして、ご支援くださった方々に心より御礼申し上げたいと思います。

 現在、あわら市では商工会を中心に「がんばろう北陸」ののぼり旗を作りまして、ここに住む人への勇気と元気、北陸全体の一日も早い復興、さらにはご支援くださる全国の皆様への感謝の気持ちを表しまして、300本近いのぼり旗が立っております。また、職員も同様に、名刺に「がんばろう北陸」のロゴを貼り頑張っておりますので、引き続き全国の皆様には頑張れよとご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 さて、一般質問に入らさせていただきます。一問一答方式にて、教育に関する質問を行います。

 コロナウイルスの流行以降、GIGAスクール構想の推進、学校の臨時休校、部活動の段階的地域移行、給食費半額負担など、教育環境は大きく変化しました。このような変化の中で、適用すべき点と維持すべき伝統が存在すると考えますが、教育現場の改革はこれらの変化に迅速に対応しているのでしょうか。また、現在の子どもたちの様子はどのように変わってきていると感じていますか。教育委員会として、今後取り組むべき課題は何だと考えていますか。

教育長 甲斐和浩

教育環境の変化への対応と今後の取り組むべき課題は何かとのご質問にお答えいたします。

 長期にわたるコロナ禍において、学校の教育環境は大きく変化しました。当時、学校では多くの場面でオンライン授業やハイブリッド形式の会議などが導入されました。また、様々な体験活動の中止や縮小を余儀なくされ、国際交流などグローバルな人的交流も激減しました。学校では感染症対策を強化し、手指の消毒やマスクの着用、教室の換気など、児童・生徒の身体的、精神的な健康を支える学校保健の重要性を再認識いたしました。コロナ禍により、児童・生徒は友達や先生などと実際に触れ合う機会が大きくそがれ、その成長に多大な影響ももたらしたものと考えられます。

 新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられた現在、ようやく日常の学校生活を取り戻しました。中止や縮小を余儀なくされた学校行事や地域と連携した体験活動、そして国際交流も再開いたしました。これからは、人と人との触れ合いを実感できる環境をしっかり取り戻していきたいと思います。

 今後は、コロナ禍において学びに新たな可能性をもたらしたタブレット端末の活用を促進しつつ、児童・生徒の情報モラル意識をさらに高めていくことが必要であると考えております。将来の予測困難な時代を見据え、児童・生徒一人一人が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を尊重し多様な人々と協働しながら社会の変化に柔軟に対応できる力を育成するための教育を推進していかなければならないと考えています。

青柳篤始

 子どもたちの適応能力は非常に高いです。我々親世代も子どもたちの成長からよい刺激をもらって学ぶ部分も非常に多いのも事実です。また、学校と家庭、地域が一体となる取組は、子どもたちにとって多くの学びの場や発見の場にもつながりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 あらゆる事業においてリサーチを行うことは重要であり、課題解決に向けた第一歩だとも言えます。教育の現場においても重要な要素だと考えています。特に、子どもたちと保護者の不安を軽減することは、子育て支援の中で特に重要な要素です。教育委員会は、個別ケース会議などを通じ、現場の状況を把握し、スクールケアを含む各種ケアの提供に大変熱心に取り組んでいらっしゃると思います。しかし、現状の把握だけではなく、未来を予測し、対策を事前に準備することも大切です。

 今後さらに変革していく社会の中においても、子どもたちがしっかりと歩んでいけるようにするために、教育委員会や学校は未来予測に基づき、取組をどのように行っているのでしょうか。また、リサーチの方法についても教えてください。

教育長 甲斐和浩

 子どもたちがこれからの未来に対応できるための取組、またはリサーチですけれども、将来子どもたちが大人になり予測困難な社会を生き抜くために、単なる知識の習得だけではなく、変化に柔軟に対応できる創造力、問題解決能力、コミュニケーション力など、幅広い能力を身につけることが重要であると考えております。

 このような能力を育成するために、例えば中学校では、生徒が日常生活や周りの社会環境の中から疑問や課題を見いだし、多様な人と協働しながら課題を解決する探究学習が積極的に行われております。そのテーマは様々でありまして、例えば、あわら市の人口を増やすにはとか、地元の水質をより効果的にPRするには、または、信号のない横断歩道で自動車が止まるにはなど、生徒が日頃感じている解決したいテーマを設定し、1年間継続して研究を行っております。生徒はその課題を自ら地域に出向いてリサーチし、グループで考えを出し合いながら分析と試行錯誤を繰り返し課題解決に向けて研究しております。

 今後も生徒が地域に積極的に出向き、社会や地域の課題を研究する探究活動を進めていきますので、ぜひ地域の皆様のご協力をお願いいたします。また、教育委員会といたしましても、探究学習をはじめ、子どもたちが将来を生き抜く力を育てるための教育の在り方を研究してまいりたいと思います。先進的な教育施策を行っている他の自治体を視察するなど積極的にリサーチを行いながら、新たな教育課題に取り組んでいきたいと考えております。

青柳篤始

 課題を探究する取組を進めていくということで、それがまさに今求められている教育の姿だと思います。単なる知識の取得、習得だけではなく、学んだことを生かし、課題解決の教育を望む声が非常に多いのが現状です。

 実際に、課題解決型の学習を行っているインターナショナルスクールの開校がラッシュを迎えています。昨年、インターナショナルスクールやボウリングスクール、2020年の教育指導要領の改訂で開校ラッシュとなったフリースクール等の教育内容を見学してきました。その中で、生徒は自ら考え、分析し、仮説を立てて実証し改善する探究学習型に従事しているのを目の当たりにしました。これは、現代の大人が取り組むべき課題解決型思考そのものであり、国際バカロレア教育というものです。

 このIBは日本でも2022年から高校の新科目で取り入れられています。このIBの中で、私も好きなプログラムがあります。振り返りができること。小学校でも宿題とは言わずに課題という言い方をしております。自ら進んで行う。課題の内容までは分かりませんが、生涯の学習においても重要なワードが入ってきたことはさらに進化が加わってきたように感じています。そのうちイマージョン教育などの当たり前のように取り入れられてくるのではないでしょうか。

 先日、1歳のお子さんをお持ちになるお父さんから、インターナショナルスクール等で行われている課題解決型の学習スタイルに興味があるというお話を伺いました。やはりお子さんが社会に出たときの日本の状況などに危機感があるというのは我々以上なのかもしれません。最近話題のインターやボウリングスクールですけれども、実際あわら市からも入学できるところがあります。そして、そのうち施設ができる可能性もあるのではないかと考えています。

 昨年、不登校の数は過去最高を記録しましたが、同時に一条校以外、インターナショナルスクール等への入学者も過去最高を更新しました。これは、不登校の数が単純な増加ではなく、一条校以外の場所でも学習できる時代への移行を示唆している可能性があります。現在、インターなどに通っていても公立の学校に籍を置かなくてはいけないので、今後不登校者数はさらに増えることが予想されます。また、不登校者数が50%を超えると、現在の教育システムは自然崩壊するでしょう。

 テクノロジーの進化により個別レベルの高度な学習が可能になっており、暗記型から課題解決型への教育が必要とされ、実際、社会では後者の能力が求められています。私たち親世代ですが、30年、40年前の時代に基づいた考えをしています。インターナショナルスクールは英語教育だと思っている人も多いと思いますが、実際は全然違います。古い考え方に固執することはリスクを伴いますので、未来志向の行動が必要になります。

 教育委員会には、子どもたちの状況に細心の注意を払い、未来に向けた教育方針を策定することを強く求めていきたいと思います。想像力、問題解決能力、コミュニケーション力。教育の先進地あわら市らしい答弁にさらに可能性を感じる教育をよろしくお願いしたいと思います。

 ここで視点を変えて、親の目線から質問をします。

 保護者が最も望むのは、放課後の教育や学童の充実です。現在の学童、放課後子どもクラブの体制、つまり、運営時間や条件など、子どもたちがどのように過ごしているのかを教えてください。

健康福祉部長 山田佳子

 ただいまのご質問にお答えいたします。

 放課後子どもクラブ体制についてですが、現在、全ての7小学校区で8つの子どもクラブを設置しております。

 開所時間につきましては、平日は放課後おおむね午後2時から午後6時30分まで。休日においては午前7時半から午後6時30分までとしております。

 次に、入会できる条件につきましては、保護者や同居親族が就労などにより当該児童を保育することができない場合としております。

 なお、1人当たりの負担金は、年間を通して入会する場合は月4,000円ですが、7月は6,000円、8月は8,000円となっています。また、休業日の期間に限って入会する場合は、その利用期間に応じた負担金の設定となっております。

 次に、クラブでの過ごし方につきましては、平日は各学年により下校時間が異なりますが、おおむねクラブに到着したら体操服などに着替え、おやつを食べてから宿題時間を1時間程度設け、順次自由時間としております。また、休業日においては午前中に宿題時間を1時間程度設け以後は自由時間とし、昼食後も午後3時頃のおやつ時間以外は自由時間としています。

 自由時間には、各クラブにより事情が異なりますが、備付けのおもちゃで遊んだり、読書や工作、DVDの映画鑑賞を行ったりするほか、開所施設のホール等で体を動かす。小学校の体育館が利用できるクラブでは、空き時間に体育館を利用し遊ぶなど、支援員の目が行き届く範囲で多様な時間を過ごしております。

青柳篤始

 小学校6年生までと、それから18時30分までということで、課題に苦しんでいるほかの市町に比べたら、非常に充実していると言えるんじゃないでしょうか。働く親にとっては強い味方だと思います。

 他府県の市町の事例ですけれども、ベビーシッター制度が充実しているようなところも見受けられますが、あわら市ではどのようになっていますか。

健康福祉部長 山田佳子

 ただいまのご質問にお答えいたします。

 福井県は、ご自宅に伺いお子様をお預かりするサービス「ふく育さん」、いわゆるベビーシッターサービスを昨年11月からスタートさせております。現状ではあわら市の利用者はなく、家庭に出向いて保育するベビーシッターを希望する声も届いておりません。市の子育て家庭では、ベビーシッターより放課後子どもクラブの利用や一時的に子どもを預けられるサービスの利用が多くなっております。

 今後は、第3期あわら市子ども・子育て支援事業計画策定に向けてのニーズ調査において、子どもの放課後の過ごし方などニーズを把握し、よりよい子育て支援施策を推進したいと考えております。

青柳篤始

 しっかりと調査をしているということで、今後も調査をして充実すべきものはさらに充実していっていただきたいなというふうに思います。

 皆さんご存じのように、あわら市は製造業のまちです。保護者が安心して働ける環境の構築は、あわら市の発展に大きく寄与します。あわら市の子育て支援が進んでいると評価されるよう、攻めの姿勢で教育環境を整えていただきたいというふうに思っております。

 教育の環境整備として、今後、遠隔教育のさらなる進展が予想されます。この過程で、教育の公平性を特に重視する必要があると考えています。遠隔教育が普及することで、デジタルデバイドの問題がより明確になってきています。全ての子どもたちが平等に教育を受けられるような環境を整えるための政策は、今後の教育政策の中で重要な要素となります。

 具体的には、必要なデバイスやインターネットアクセスの提供、低所得家庭への支援、学校間での環境の違いの解消などが考えられますが、現在あわら市ではこれらの時代に備えてどのような準備をしていますか。

教育長 甲斐和浩

 情報格差に対する対応ですけれども、学校に新たな学びをもたらしたデジタルデバイスを活用した教育は、今後ますます重要になってくると考えられます。さらに、近い将来には対面授業や遠隔授業を効果的に組み合わせたハイブリッド型の教育や、AIやVRなどの最先端のデジタルデバイスを活用した教育が推進されることも考えられます。

 現在、タブレット端末の利活用の日常化を促進しておりますが、新たな学びに必要なICT環境の整備については、国の整備方針に基づきまして、家庭の経済状況にかかわらず公平に質の高い教育が受けられるように整備をしていきたいと考えております。

 例えば、1人1台のタブレット端末を導入した当初は、アクセスの集中により学校によってはインターネットがつながりにくい環境がありました。そこで、全ての学校の回線を光回線に変更して、ストレスなく学習できるインターネット環境を整備いたしました。また、タブレット端末導入当初、各学校でICT機器の活用が、温度差が見られましたので、令和4年度からICT専門指導員を教育委員会に配置しまして、学校を巡回しながら活用を推進してまいりました。

 また、不登校の児童・生徒への支援として、別室でのオンライン授業が受けられる環境を整備しましたり、タブレット端末の持ち帰り学習を進めていく中では、自宅のインターネット環境が整わない家庭への定額でのポケットWi-Fiの貸出しなど、幅広い支援を行っているところでございます。

 今後とも、学校や家庭で情報格差が生じないよう、ハード、ソフト両面で環境を整えていきたいと考えております。

青柳篤始

 デジタルデバイド、特に今後いろんな可能性を秘めている部分でもありますが、同時にいろんな格差を生む場面でもあります。特に注意して整備をお願いしたいと思います。

 来年度も新しい取組が入っています。私にも協力できるところがあれば、得意分野の一つでもございますので、可能な限り協力させていただきたいというふうに思っています。

 これら私が質問したのは、教育のごく一面からの見方です。実際にあわら市では、子育て環境や教育環境に関して、様々なアプローチで多面的な取組が行われています。少しでも悩みや不安を感じている方は相談していただけたらというふうに思います。

 また、子どもたちの未来をつくる環境整備ということで、室内の子どもの遊び場を計画しています。来年度に計画をまとめるということですが、この計画においても、現在の子どもたちに何が必要か。10年後、その施設がどのように活用されているかをリサーチした上で計画を進めることが求められます。10年後の未来を予測することは誰にも確実ではありませんが、徹底したリサーチにより最善の策を講じることが重要です。その際には連携が必要になるかと思います。しっかりとした連携をお願いしたいと思います。

 最初にも触れましたが、適用すべき点と維持すべき伝統について、子どもたちは現代を生きており、過去の常識や考え方にとらわれずに彼らを見るべきだと考えています。子どもたちは日々新しいことを学び、その考え方は私たちの想像をはるかに超えています。保護者も例外ではなく、子どもたちに比べ30年、40年の時代遅れです。私自身も子どもがおり、子どもを1人の人間として尊重し、多くのことを学んでいます。子ども力は本当にすばらしいです。夏に予定されている子ども議会を非常に楽しみにしており、これが子どもたちにとって特別な体験になることと期待をしています。市長、教育長をはじめとし、議員の皆様にはこの取組への最大限のご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

 また、あわら市において、地域全体で子どもたちを見守るすばらしい伝統があります。地域の皆様には心から感謝しており、このよき伝統を継承し、さらに豊かな地域社会を築くために全員で協力していく必要があります。

 未来予測は日々の積み重ねによって導かれていきます。市長、教育長、地域の皆様には、いま一度お願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。どうぞ皆さん、よろしくお願いいたします。

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