議員定数削減を、私はどう判断したのか
前回は反対、今回は賛成
あわら市議会では、現在16名となっている議員定数を14名へ削減する議案が議論されています。
私は今回、この議員定数削減について賛成の立場です。
一方で、前回、同じく議員定数削減が議論された際には反対しました。
「前回は反対していたのに、今回はなぜ賛成なのか」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、私の中で議員定数に対する基本的な考え方が変わったわけではありません。
私が判断しているのは、
定数削減そのものに賛成か反対かではなく、その議案に賛成できるだけの根拠と議論が整っているのか
という点です。
前回と今回で変わったのは、議員定数に対する考え方ではありません。
議案を判断するための状況が変わったということです。
前回「今じゃない」と反対した理由
私は、議員定数について考えるとき、単純に「人数が多いから減らす」「人口が減ったから減らす」という考え方だけでは不十分だと思っています。
議会には、市民の声を届ける役割があります。
行政を監視し、議案や予算を審査し、地域課題を調査し、政策や条例として提案する役割があります。
そのため、議員定数を減らすのであれば、「人数を減らしても、本当に議会の機能を維持できるのか」という視点から判断しなければなりません。
改選前、議会活性化特別委員会では、「議員とは何をする仕事なのか」というところから議論を始めました。
議員の役割を整理し、議会活動に関するアンケートも実施しました。
その結果を踏まえ、私自身は14名でも議会機能を維持することは可能ではないかという考えに至っていました。
しかし、それでも前回の議案には反対しました。
理由は、議員定数削減そのものに反対だったからではありません。
私が納得できなかったのは、
- なぜ14名なのか。
- 削減後も議会機能をどのように維持するのか。
- 何を基準に、その後の議会を検証していくのか。
こうした議論が十分に積み重ねられていなかったことです。
そして、もう一つ大きな理由がありました。
それは、市民の皆さんへの説明が十分に行き届いていないのではないかということです。
私は、議員定数について市民の皆さんがどのように考えているのかを確認するため、アンケート調査を実施しました。(アンケート調査はこちらから)
その結果、議員定数削減について「分からない」と回答された方が過半数を占めました。
私は、この結果を見て、市民の皆さんが定数削減に反対していると受け止めたわけではありません。
むしろ、
- なぜ議員定数を議論しているのか。
- なぜ16名から14名なのか。
- 議員数を減らしても議会機能は維持できるのか。
こうした判断に必要な情報が、十分に伝わっていない状況だったのではないかと考えました。
議員定数は、議会だけの問題ではありません。
市民の皆さんの代表者の人数を決める重要なテーマだからこそ、議会には丁寧な説明責任があります。
私は、議論が十分に行われ、市民の皆さんへ説明を尽くした上で判断すべきだと考えました。
だからこそ、前回の討論の最後に、私はこう申し上げました。
「今じゃない。」
この言葉は、議員定数削減そのものを否定したものではありません。
根拠を整理し、議論を重ね、市民の皆さんへ十分に説明した上で判断するべきだ。
その段階には、まだ達していない。
それが、前回反対した本当の理由です。
※議員の役割や、14名でも議会機能を維持できると考えた根拠については、第1弾「私は、なぜ『根拠』にこだわるのか」で詳しく紹介しています。

今回、14名への削減に賛成する理由
今回、私が賛成する理由は、議員定数に対する考え方が変わったからではありません。
改めて議員の役割、議会運営、委員会の構成、議員一人ひとりが担う役割を考えた上で、14名でも議会機能を維持できると判断したからです。
参考資料
議員定数については、人口推移、議会機能、委員会構成、議員の役割など、さまざまな視点から検討を行いました。
検討過程については、以下の資料をご覧ください。
もちろん、議員数を減らすことによって、何も変わらないということではありません。
人数が減れば、一人ひとりの責任は大きくなります。
より積極的に調査研究を行うこと。
市民の声を聞くこと。
議案や予算を深く審査すること。
政策提案につなげること。
これまで以上に、一人ひとりの議員活動が問われます。
だからこそ、議員定数削減は「人数を減らすこと」が目的ではなく、限られた人数の中で、どのように議会機能を高めていくのかが重要だと考えています。
賛成しても、議論の進め方に納得したわけではない
ここは、明確にしておきたいと思います。
議員定数削減に賛成するからといって、今回の議論の進め方にすべて納得しているわけではありません。
本来であれば、
なぜ14名なのか。
14名になった後、議会機能をどのように確認するのか。
市民の皆さんへどのように説明するのか。
こうした点について、より丁寧な議論が必要だったと考えています。
賛成する議案だから、過程にも問題はない。
私は、そのようには考えていません。
結論と、その結論に至る過程は別に考える必要があります。
私は14名でも議会機能を維持できると判断したため賛成します。
一方で、議論や説明のあり方については、今後も改善していく必要があります。
議員構成が変わった今、必要なのは知識と経験の共有
前回の改選によって、議会の構成は大きく変わりました。
現在は新人議員が半数を占めています。
新しい議員が加わることは、新しい視点や市民感覚が議会に入るという大きな意味があります。
一方で、議会には長年の議論の積み重ねや、行政を見る視点、議案や予算を審査するための知識があります。
これらは、経験を重ねながら身につけていくものです。
これは新人議員個人の問題ではありません。
議会全体として、知識や経験をどのように共有し、次につないでいくのかという課題です。
議員数を減らすのであれば、なおさら議員同士が学び合い、補い合う仕組みが必要になります。
削減後こそ、検証が必要
議員定数を14名に削減して終わりではありません。
大切なのは、その後、議会が本来の役割を果たせているかを確認することです。
例えば、
- 議案や予算の審査が十分にできているか
- 行政へのチェック機能が維持されているか
- 市民の声を届ける機会が減っていないか
- 政策提案につながる活動ができているか
- 議会運営の透明性が保たれているか
こうした点を継続的に確認する必要があります。
議員定数削減は、ゴールではありません。
むしろ、削減後にどのような議会をつくっていくのかが重要です。
判断の基準は変わらない
前回は反対し、今回は賛成しました。
しかし、私が大切にしている判断基準は変わっていません。
根拠があるのか。
議論が十分に行われたのか。
市民の皆さんへ説明できるのか。
そして、その後も検証できるのか。
私は、この基準で判断しています。
議員定数を減らすこと自体を成果にするのではなく、限られた人数でも、市民の声を受け止め、行政を監視し、政策を提案できる議会をつくること。
それが、これから求められる議会の姿だと考えています。


