「自分たちでもイベントをやってみたい」
今回、何より印象に残ったのは、生徒たちとの会話の中から、そんな思いが生まれたことでした。
金津中学校の「あわら考幸学・未来ミーティング」にお招きいただき、2年生の皆さんと意見交換をする機会をいただきました。
この取り組みに参加するのは初めてでしたが、以前の子ども議会でも感じたように、中学生の発想にはいつも驚かされます。
大人とは違う視点で物事を見ていたり、こちらの話をどんどん吸収していったり。そして何より、私たちが想像している以上に、地域の将来について真剣に考えているんですよね。
今回も、私自身がたくさんの発見をいただく時間になりました。
答えを教えるより、考えるためのヒントを
今回、私が意見交換をした生徒たちのテーマは、主に観光と地域のイベントについてでした。
「観光客を増やすにはどうすればいいのか」
「新しい施設をつくるためのお金はどうすればいいのか」
「どんな宣伝が効果的なのか」
どれも簡単には答えが出ない、なかなか難しい質問です。
そこで私が伝えたのは、最初からお金のことだけを考えるのではなく、まず人をどう集めるのかを考えてみよう、ということでした。
私はよく、「人が動き、物が動き、そしてお金が動く」という話をします。
人が集まれば、そこに新しい需要が生まれ、物やサービスが動き始める。その積み重ねが地域の経済や次の活動につながっていきます。
もちろん、実際に何かを始めるには費用や運営の仕組みも必要です。
でも、その前に、なぜ人が集まるのか、どうすれば来てもらえるのか。そして、一緒に動いてくれる仲間をどう増やしていくのか。
そんな順番で考えることも大切だと思っています。
観光についても同じです。
私たちはつい、東京や大阪にあって、あわらにはないものを欲しがります。
でも、反対に都会の人たちから見れば、あわらの自然や田園風景、私たちの日常が魅力に映るかもしれません。
自分たちが「あそこに行きたい」と思うように、遠くの誰かにも「あわらに行きたい」と思ってもらう。
そのためには何を伝えればいいのか。誰に届ければいいのか。
自分の目線だけでなく、相手の立場から考えてみることが大切だという話もしました。
私が正解を教えるのではなく、こうした話をヒントに、生徒たち自身が新しい発想を見つけてくれたら、それが一番うれしいことです。
観光の話から、思いがけない展開に
今回、特に面白かったのが、イベントを考えているグループとのやり取りです。
最初は観光客を増やすことがテーマだったのですが、話を聞いていくと、実際には地元の人たちが集まって楽しめるイベントをやってみたい、という思いがありました。
観光客を呼ぶイベントと、地域の人たちが楽しむイベントでは、目的も、届けたい相手も少し違います。
そこで、どんな人に来てもらいたいのか、何を楽しんでもらいたいのか、どうすれば人が集まるのか。
そんな話を続けていました。
そして、私が今、仲間たちと取り組んでいるあわらSandboxの音楽イベントの話をすると、生徒たちからも、実際にイベントをやってみたいという声が出てきたのです。
「それなら、一度、私たちのイベントに来てみない?」
そんな話になりました。
さらに、地域のキャラクターを使ったキーホルダーづくりなど、具体的なアイデアも出てきました。
最初は、生徒たちが質問し、私が答えていたはずなのに、いつの間にか、一緒に何かを実現するための話に変わっていたのです。
私は、ここが今回の一番面白かったところだと思っています。
「教えてください」から「やってみたい」へ
探究活動というと、課題を調べ、考え、最後に発表や提案をするという流れを想像します。
もちろん、それも大切な学びです。
でも、今回のように、話をしているうちに「自分たちでもやってみたい」という気持ちが生まれることもある。
そして、その思いを受け止め、一緒に実現する方法を考える大人が地域にいれば、学びは教室の外へと広がっていくのではないでしょうか。
私たちは11月28日にも、仲間たちと地域の音楽イベントを開催します。
一つのイベントを開催するためには、企画を考える人、準備をする人、出演する人、協力してくれる人など、本当に多くの仲間が必要です。
人は自然に集まるわけではありません。
一人ではできないことも、仲間が集まればできるようになる。そして、お客さんが集まり、物やお金が動き、次の活動につながっていく。
私が生徒たちに話したことも、実際の現場を見てもらえば、少し違った形で感じてもらえるかもしれません。
何より、イベントがどうやってつくられているのか、その裏側を知るだけでも、大きな学びになると思います。
そして、もし本当に自分たちでイベントをやってみたいのなら、今度は企画する側として一緒に考えていくこともできます。
もちろん、学校や保護者の皆さんとの調整は必要ですが、生徒たちの思いがあれば、私たちも地域の仲間と一緒に、できることを考えていきたいと思っています。
若い人たちが成長する姿を見るのも、大人の楽しみ
今回、改めて感じたのは、こうした探究活動の素晴らしさです。
私たち大人が、中学生の皆さんとじっくり意見交換をする機会は、決して多いわけではありません。
だからこそ、こういう機会をいただけることは本当にありがたいことです。
生徒たちは、さまざまなことを学び、吸収していく時期です。
その中で、大人の考え方を押し付けるのではなく、少し違った見方や、考えるためのヒントを伝えていく。
そして、そこから私たち大人には思いつかなかったようなアイデアが生まれてくれたら、こんなにうれしいことはありません。
さらに、そのアイデアが実際の活動につながり、生徒たちが新しい経験を重ねていく。
そんな姿を見ることができるのも、私たち大人の楽しみの一つなのだと思います。
子どもたちから、私たちが学ぶこと
地域の子どもたちを育てるというと、見守り活動や学校教育への協力など、いろいろな関わり方があります。
もちろん、そうした活動も大切です。
でも、今回のように、子どもたちの「やってみたい」という思いに触れ、一緒に考え、実際の活動につなげていくことも、大切な関わり方なのだと思います。
大人が子どもたちに何かをしてあげる。
そう考えることもできますが、私は少し違うように感じています。
子どもたちと一緒に取り組むことで、私たち大人の方が、新しいことに気づかされ、学ぶこともたくさんある。
そして、若い人たちが成長する姿を見ることが、私たち自身の次の挑戦にもつながっていく。
そんな関係が生まれたら、とても素敵なことだと思います。
最初は質問に答えるために参加した時間でしたが、最後には、一緒に何かをやってみたいと思える時間になっていました。
今回の出会いから、これからどんなことが生まれてくるのか。
私自身、今からとてもワクワクしています。
もしまた機会をいただけるなら、生徒の皆さんといろいろな話をしてみたいですし、今回生まれた「やってみたい」という思いも、できることから一緒に形にしていけたらと思っています。
子どもたちの発想が大人を動かし、大人との関わりが子どもたちの新しい挑戦につながる。
そんな関係を、これからも大切にしていきたいと思います。
※アイキャッチはAI生成によるイメージ画像です。実際の活動風景を撮影したものではありません。
